▲ 我が山の原点 – 樽前山 (1,022m)

最近、普段着ているアウターやらリュックやらがアウトドア寄りにシフトしつつあり、一通り確かめてみた結果、これは普通に登れるんじゃないかと思えてきた。
実は幼少時に父親に連れられて実家近くの樽前山という山に登っていたりするので、全くの未経験者というわけでもない。(超初心者ではある)
今年は暖かい時季に帰省する予定があったので、もう一度樽前山に登ってみることにした。

父親に電話でその旨を伝え、どうせなら弟2人も誘って4人で登ろうという話になった。弟2人は8歳下・12歳下と年齢が離れていて、その頃には親父は山に登らなくなっていたので、樽前山には登ったことが無いとのこと。

樽前山は雪が無い時期なら7合目ヒュッテまで車で行くことが出来、そこから山頂まで1時間弱。天候さえ良ければ、初心者でも楽に登れる好条件の山である。こんな入門向きの山がすぐ近くにあるのに、一度も登ったことが無いのは勿体無い。

当日の天候は快晴。9月末ともなると、北海道ではすっかり秋の気配であるが、陽が出ている間はそれなりに暖かいので、風が強くなければ寒くはなさそう。
車で7合目の登山口に乗り付け、あとは砂利道をのんびりと登る。登山口周辺は木々に覆われていたけど、少し登ると途端に森林限界を迎え、果てしない勇払原野を見下ろす絶景が現れる。

樽前山は標高にして1,022mという低山だが、休火山であるため、以前の噴火により火山灰で覆われ、山頂周辺には草木が生えていない。また、世界的に珍しい三重式火山で、山頂に溶岩ドームが存在する奇特な山である。(火山活動が活発化した時期があったため、現在はカルデラの内側に行くことは出来ない)

幼少時はこの山しか知らなかったので、その凄さに全く気付いていなかったのだが、今になって登ってみると、あまりの特殊性に驚かされる。その後も関東の山には色々登っているが、地元贔屓を抜きにしても、「世界的に珍しい」という評価通りの素晴らしい山だと思う。

2001年以降は前述の規制により、カルデラの内側に入ることは出来ないのだが、幼少時に登った時は、誰でも普通に歩くことが出来た。富士山の火口を広く浅くしたような感じだったと記憶しているが、内側に入るといよいよ外界の景色が断たれ、荒涼とした岩と砂礫、そして空しか見えない異様な光景が広がっていた。
今後、規制が解除される日が訪れるのか定かではないが、もし再び入ることが出来るようになったなら、幼い記憶が正しかったのかどうか、確かめに行ってみたいと思っている。

ここが、自分にとっての山の原点であり、再スタートの原動力となった場所でもある。