冬の房総 – 久留里線

房総の久留里線に乗ってきた。
日帰りで行くことが出来る関東圏のローカル線というと結構限定されてしまう。同じ方向で銚子電鉄に乗ってしまっていたため、とりあえずここはリストから外し、それ以外で何か無いかと探していたら、久留里線が引っ掛かった。

例によって1人でも行くつもりで情報を探し、たまたま友人に声を掛けたら「同行する」と言うので、結果的に2人旅。ローカル線に関しては1人なら1人の、2人なら2人の楽しみ方がある。

久留里線は千葉駅から内房線で40分、木更津~上総亀山を繋ぐローカル線である。上総亀山は完全な終着駅で、そこから他の線への連絡は一切無い。
近くに亀山湖があり、釣りやカヌーをやる人の間では、多少認知されたスポットらしいが、つまり、どちらもやらない俺 (と同行者) には、基本的に縁の無い土地である。
他に神社やら温泉やらがあるようなので、めぼしい場所を幾つかピックアップして出発。

JR 上総亀山駅

乗り継ぎの時間も調べてあるので、順調に現地に到着。久留里線は2ドアの車両で、最初から最後まで乗客も疎ら。上総亀山に着く頃には、広い車両に2人きり…という状況になる。寝そべろうが写真を撮ろうが好き放題。
とりあえず、遠足気分で買い込んできたお菓子を貪り食う。うまい棒にチュッパチャプスに焼肉屋さん太郎、我々の小中学生時代には定番中の定番。

駅に着いても、駅前には小さなタバコ屋が1軒あるだけで、それも開店休業の状態。この乗降数ではまともな商売は成り立たないだろうから、当然と言えば当然の話。

そば 上総屋京兵衛

湖に向かう道すがらに手打ち蕎麦とうどんの店を見付けたので、そこで早めの昼食。ここから先は長い行軍になるので、腹ごしらえは必要不可欠。友人はうどん、俺は蕎麦を頼んだが、コシが強く、ボリュームもあってかなりの食べ応えだった。腹ごしらえにはなったものの、満腹になると動くのが億劫…

亀山湖周辺

弛んだ心と身体に鞭を打って、2月の湖畔へ。生憎の曇り空だったけど、それでも覚悟していたよりは幾分マシ。テンションを上げて目的地を目指す。
湖を越えて山に登った先に、神社があるということだったので、メインの目的地はそこに決定。往復2時間程度の道程なので、成人男子なら楽勝と高を括っていたのだけど、歩けど歩けど目印が見当たらない。

亀山温泉ホテル

結局、一番最初に間違えたと思って引き返していた小道より、更に手前の右折路が正解。案内板が出ていたのだが、左手に広がる湖の景観に目を取られ、見逃していたらしい。気付いたときには既に再挑戦する時間も無く、スゴスゴと 亀山温泉ホテル の内湯へ向かう。
でも、偶然とは言え、今までに観たことが無いような地層の断崖も観ることが出来たし、それなりに収穫はあった。


さて、オンボロながらも温泉に浸かって気分一新。
弾みを付けて帰路につこうと思ったのだが、そこはローカル線。1時間に1本しか運行しておらず、40分の足止めを食らう。娯楽も無ければ店も無く、基本的に自力で時間を潰さねばならない。
今回はあまり多くの写真を撮っていなかったので、停車場に陣取って撮影タイム。絵作りの為だけにタバコを買ったりもした。

このまま帰宅すると微妙にしんみりしてしまう (それも醍醐味の1つではある) のだが、その日は仲間内での飲み会もあり、ワイワイ騒いで現実に立ち返ることが出来た。