那須岳登山 からの続き。
山麓駅に降りて車に戻り、今度はすぐ近くの 北温泉旅館 に向かう。今回は山行であることは勿論、それと同等もしくはそれ以上に温泉のウェイトが大きいプランになっている。
北温泉旅館は個人的に十数年前から行きたいと思っていた温泉なんだけど、車が無いと行きづらい場所なので、ずっと実現出来ていなかった。
那須岳を選定した時点では北温泉が近いことに気付いていなかったのだが、8時台から利用可能な立ち寄り湯を探していたら偶然引っ掛かったのである。秘湯系の温泉本では定番の宿ながら、広く認知されたのは映画『テルマエ・ロマエ』のロケ地に使われたのが切っ掛けではないだろうか。
山麓駅から車で15分という、もう我々のために在ったと言っても過言ではないぐらいの好立地。(過言)
秘湯感抜群の佇まいで我々を迎える北温泉旅館。
江戸時代からの歴史ある温泉宿であり、館内はその歴史に裏打ちされた重厚さと共に、良い意味で少々く胡散臭いような怪しげな魅力に彩られている。誇張された日本っぽさと言うか、どこか海外映画に見られる “ネオジャパン” みたいな雰囲気が独特で、大人は楽しくて仕方無いけど、子供には少し怖いかもしれない。
立ち寄り湯は8時半からということで、まだ我々以外には泊まり客しか入っておらず、これまた嬉しい。
大きくは “天狗の湯” (内湯) と “河原の湯” (露天風呂) 、そしてプールのような広さの “泳ぎ湯” の3つの温泉があるが、場所が散っているため、都度都度服を着直して移動しなければならないのが少々大変。しかし、どれもなかなかに特徴的なので、是非ともすべて入ってみたいところだ。
河原の湯
男女別で、3つの中では一番普通っぽい。
8人も入れば満員の小さな湯舟で、砂防堰堤から滝のように流れる川に風情は無いけど、奥には那須岳が聳えているので迫力はそれなり。加水されているため若干温めで長湯に向いている。
泳ぎ湯
温水プールこと “泳ぎ湯” 。
混浴だが、基本的には水着着用で利用されているようだ。男女別の脱衣場には小さな内湯 (相の湯) も付いている。
湯はプールのような見た目に反して案外それなりの温度で、普通の温泉としても利用出来る。昼間は若干開放的過ぎるし子供が多いので、雰囲気を味わうなら夜か雪景色の時季が良さそう。
天狗の湯
こちらも混浴だが、一応脱衣場は分かれている。
加水をしていない源泉のため、湯温は一番高く、長湯には向かない。
当温泉の象徴とも言うべきもので、2つの巨大な天狗面が非常にフォトジェニック。
打たせ湯
外には別室 (と言うか囲い) で打たせ湯と家族風呂がある。
打たせ湯だけの場所が設けられているというのは一風変わっているが、落ちる湯が源泉で熱く、打たれ続けるには相当な忍耐力が必要と思われる。
また、家族風呂は非常に小さいので、湯舟は2人でもキツキツ。一応そういうものもある、ぐらいに考えておくのが良さそう。
また、女性専用の “芽の湯” もあり、こちらは綺麗な洗い場も付いているようだ。
いずれ劣らぬ特徴的な温泉揃いでエンタメ感があり、これが700円で楽しめるのは「お得」の一言に尽きる。若干人を選ぶところはあるが、温泉好きなら一度は足を運んでも後悔することは無いだろう。
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