浦賀~観音崎周遊

年に数回一緒に登っているメンバーで、今年の山初めをやろうと企画していたのだが、当日の朝に急遽延期 (?) となってしまったため、この1日をどう使うか思案。
延期が決まったのは朝の5時前だったけど、外はもうすっかり明るくなっているし、このまま二度寝してから計画を建て直すのは、恐らくテンションを上げ切れないだろうと判断。半ばヤケクソの勢いに任せて、1人でどうにか出来そうなプランの検討に取り掛かった。

山の準備は出来ているし、気持ち的にも山に登ってしまいたいところではあるのだが、ここから各種交通機関を調べていると、グダグダと時間が過ぎてしまう恐れがある。かといって、間に合わせっぽいチョイスで登るのも何だか気乗りしない。
そんなわけで、ここはスッパリと山を諦めて、他の選択肢を考えることにする。

若干の思案の後、何度か行っている横須賀美術館 の先に広い観音崎公園があり、過去にはそちらまで回る時間の余裕が無かったことを思い出した。
美術館のサイトに公園についてのイラストマップがあったと記憶していたので、それを探してみると、公園のマップの他に浦賀から美術館まで徒歩で辿る「浦賀コースウォーキングマップ」なるものに行き着いた。

美術館へは横須賀からバスか、船で行ったことはあったのだが、そこから先 (南) には行ったことが無かったし、そもそも関心を持っていなかった。マップを見ると、その先はあの黒船で有名な浦賀であり、美術館まで歩ける距離らしい。
浦賀までは品川から京急で1本、自宅からでも1時間半で行くことが出来る。京急では 正月に久里浜 まで行ったり、船釣りで金沢八景 で降りたことはあるが、浦賀には行ったことが無い。浦賀って歴史的には有名だけど、今はどうなってるんだ?

マップを見る限り、とりあえずそこそこ見て回るところはありそうなので、ネットでもう少し掘り下げてみようと思ったのだが、これがまたほとんど情報が出て来ない。そこそこ前の個人ブログが何件かヒットする程度で、およそ観光地としてのPRが無いのである。
特に食事処については壊滅的で、とりあえず寄ってみても良さそうなのは洋食屋1軒のみ。浦賀は漁港ではないので、市場のようなものまでは期待していなかったけど、まさか地物を出す定食屋的なものが全く見当たらないとは…

これが誰かを誘ってのプランなら考え直してしまうところだが、今回は1人なので何ら問題無い。むしろ、これは絶妙なノスタルジーを与えてくれるかもしれないという期待値が高まる。
10時に家を出れば昼前には現地に到着出来ることを確認して、一旦就寝。

浦賀

予定通りの時間に家を出て、昼前に浦賀駅に到着。
食事処を探すなら、まずは駅前だろうということで見渡してみたものの、目に入ったのはラーメン屋が1軒とセブンイレブンのみという有様。少し歩くとどこにでもありそうな中華系の定食屋を見付けたが、浦賀独自のエッセンスを感じる要素は皆無なので、もう少し我慢することにした。

駅前は他に小学校と、旧住友の造船所跡があるぐらい。
この造船所跡も閉鎖して10年ほどなので、まだあまり風化もしておらず、塀に囲まれて何とも言えない重苦しい雰囲気を放っているだけである。
浦賀港は “コの字” になっていて、駅前がその中央に位置しており、ここから西に進むか東に進むかを選ぶことになる。最終的に向かう予定の観音崎は東側なので、まずは西側から回ってみることにした。

西浦賀

造船所跡の横を通って、裏手に出ると早速海が見える。
造船所の壁にはペリーや黒船の絵が描かれていて、何となく浦賀であるような気がしなくもない。そう言えば、街灯もヨット型だ。

少し歩いた右手の路地に入ると、すぐに 浦賀コミュニティセンター (分館) がある。
とりあえず建物の前までは来てみたが、今日は先が長いので、中に入るのはパス。浦賀の歴史資料や模型の展示があるそうだ。

ちなみに浦賀は海からすぐに小さな山に囲まれた地形となっているため、西側も東側も通りが2~3本しか無い。ほとんど平地なので、レンタサイクルでもあれば行動し易いと思うのだが、残念ながら周辺で貸し出しをしているところが見当たらず、直近でも鎌倉という状況。
うーん、せめて横須賀で借りられれば現実的な範囲なのに… (3月だけ貸出があるらしい)

西叶神社

西叶神社 は、商店等はほとんど無い「旧浦賀道」の途中にある。
港に向けて建てられたかなり立派な神社で、地形の都合もあって境内は広くないものの、なかなか雰囲気のある魅力的な造りになっている。聳え立つ銀杏の巨木と、凝った社殿彫刻が素晴らしい。ここは時間があれば、もう少しじっくり見て回りたいスポットである。
ちなみにこの裏に「東福寺」というのもあったのだが、完全に見逃してしまった。不覚。

愛宕山公園

民家の裏手にひっそりと入口があり、狙って来ないと気付かない可能性大。最初の階段からして鬱蒼としているので、ちょっと近寄り難い陰気さを感じる。

階段を上ると、生い茂った木々の間から港が見える。高台からの眺めは貴重なので訪れる価値はあると思うが、休日の日中でもほとんど人が居ないし、正直女性1人では怖いだろう。先の東福寺からの眺めも良いようなので、不安ならそちらから眺めることをオススメする。
浦賀で一番古い公園とのことで石碑なども幾つかあり、歴史的には重要な場所のようだ。

浦賀港

公園を下りて、通りを1本跨げばすぐに港に出る。この辺りは漁船の係留地らしく、釣船屋は幾つかあるのだが、残念ながら食事処は無い。港に沿って少し歩くと、コンクリの上から丘釣り組が釣り糸を垂れている。
更に南に向かえば「燈明堂」という江戸時代の灯台跡があるらしいのだけど、現在のものはレプリカとのことなので、わざわざ歩いて行くまでも無いと判断してUターン。

浦賀の渡し

西岸から東岸へは渡し船が出ており、150円で渡ることが出来る。
船着場のブザーを押すと小舟がやって来て、1~2分で対岸に運んでくれるのだが、あまりに安過ぎて、若干申し訳なく感じる。