陣馬山
明王峠から30分弱で陣馬山。見慣れているので、少しホッとする景色。
天気は相変わらず快晴だったけど、この頃には富士山は見えなくなっていた。実は陣馬山から富士山を見ることが出来たのは、過去2回しか無い。
陣馬山はさすがに賑わっていて、1人でベンチをキープするのは若干気まずい状況。奥の茶屋でノンアルコールビールを買い、端っこのテーブルで一気飲み。
いつもはこの山頂でのんびり過ごすのだが、今回はまだまだ先があるので気を引き締める。お腹に余裕があれば「山菜そば」か「おでん」でも食べたかったけど、今日は散々食べ続けてきたので、さすがにここでは控えることにした。
陣馬山~生藤山
陣馬山から和田峠を経由して醍醐丸方面に向かう。
和田峠方面には一度も下りたことが無いので、ここからは再び初めてのルートとなる。上ってくる人はそれなりに居るようだが、このルートで下りる人は少ないようだ。
和田峠は駐車スペースがあり、家族連れなどは車でここを起点にする選択肢もある。
和田峠は車やバイカー等そこそこの人が居たが、生藤山方面への登山道に入ると、一気に人気が失せ、静かな山行となる。木が生い茂って展望は所々にしか無いものの、空が抜けているので開放感は損なわれていない。
引き続き整備が行き届いた道で不安は無いが、細かいアップダウンが増え、1つ1つの勾配が高尾~陣馬山までのそれよりもキツめになっている。とは言っても、あくまでここまでの道と比べての話で、特に急勾配があるわけではない。ハイキングよりはトレッキング寄りになったかな、という感じなので心配は無いだろう。
ただし、高尾からのロングコースを歩いた後だとそれなりに歯応えがある。
醍醐丸
和田峠から30分で醍醐丸。
醍醐丸は堂所山と同じく、まき道を使えば通る必要の無いし展望もイマイチだが、山頂までは一直線の長い急坂で、登っている感があるので悪くないピークだ。
茅ノ丸
醍醐丸から1時間で茅ノ丸。
これまた通る必要の無いピークだが、ここは今回の山行でほぼ唯一の1,000mオーバー地点。和田峠以降でようやく南側のまともな展望を得られるポイントでもあるし、体力に余裕があれば是非踏んでおきたいところだ。
生藤山
茅ノ丸前後から岩石混じりの道が増え、アップダウンも大きくなるので足に疲労が溜まってくる。
一部、岩場をよじ登るようにしながら、十数分で生藤山に到着。
木々に覆われて景色は期待出来ないが、こじんまりとした広場にはベンチが設置され、ちょっとのんびりするには丁度良い長閑な山頂である。
三国山
生藤山から10分と掛からずに三国山。
こちらは西側の展望が素晴らしく、テーブルもあるので大休止向きだ。
複数人で休憩するなら生藤山よりこちらの山頂の方が適しているように思うのだが、単独なら個人的には生藤山のプライベート的な安心感も捨て難い。
三国山以降は長い下りを一気に下りる。
ごく一部の区間で急坂があるが、それ以外は緩やかで道幅の広い下りが続き、状況によってはここで一気に時間を稼ぐことも可能だろう。
石楯尾神社を過ぎたところに桜並木があるので、花の季節にまた登ってみたい。
40分ほどで登山口に到着。ここからバス停がある鎌沢入口まで、結構な長さの車道歩きが始まる。
疲労が溜まった膝や足首にはなかなか厳しいものがあるが、山の斜面に造られた茶畑など、里山の風景を眺めながら歩くのは楽しい。
途中、桜と思しき花を付けた木を見たので、近くを歩いていたおばあさんに尋ねてみると、「あれは寒桜だよ」とのこと。実はこれまで寒桜をちゃんと見た記憶が無く、意外な邂逅に感動した。
ちなみに寒桜はこの時季だけでなく、ちゃんと春にも花を咲かせるのだそうだ。春の桜のような圧倒的な迫力は無いけど、こうして静かに咲いているのも風情があっていい。
おばあさんと話が弾んでしまい、バスの時間を気にしつつ、30分近く話し込む。案の定、バスの時間を5分ほどオーバーし、次のバスまで1時間の待ちぼうけ。
まぁ、こんなところで時間に追われて焦るのも無粋な気がするし、住んでいる人からじゃないと聞くことの出来ない “よもやま話” もあったりして、山行の締めに相応しい有意義な時間を過ごすことが出来たと思う。
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