▲ 秋の味覚ロングハイク – 高尾~生藤山縦走 (1,019m)

登山を始めてから何度も登っている、初めて登る人御用達の山である陣馬山。
高尾山からの縦走ルートも有名で、最近は女性をターゲットにした雑誌でも紹介されていたりするぐらいメジャーなのだが、実は一度も使ったことが無い。良コースだろうと思いつつも、近年の高尾の混雑っぷりを考えると、なかなか足が向かないのだ。

今年は冬場の低山に登るつもりでいたので、それを踏まえて一度は歩かねばと考え直し、紹介されているコースをそのまま歩くのではお膳立てされ過ぎている感があるので、陣馬から更に先の生藤・三国山までのロングコースとして一気に踏破することにした。

高尾のケーブルカーは8時が始発なので、それより早ければ人も少ない。そもそも高尾を避けて、少し先から合流するルートを選ぶことも出来るのだが、個人的に何となくこのコースは高尾から始めることに意味があるような気がする。
ちなみに今回の山行では2つのテーマを設けていて、1つは「秋の味覚を堪能する」こと。もう1つは「極力 “まき道” を使わず、ルート上のピークは踏めるだけ踏む」ことである。

高尾山~陣馬山

7時半過ぎに京王線の高尾山口駅に到着。天気は 鬼ヶ岳 の時に匹敵するぐらいの快晴。

高尾山

少し歩いてケーブルカー高尾山駅まで行き、駅の左手から稲荷山コースの登山道に入る。去年のナイトハイク でも通ったけど、豪雨の夜中と快晴の朝方とでは印象が全然違う。
このコースは山頂手前に急な木の階段がある以外、注意すべきポイントはあまり無い。コース中の展望は少ないものの、適度に陽が差し込む穏やかなハイキングコースだ。

出発から1時間弱で高尾山の山頂に到着。展望台から富士山がよく見える。少し前に見た時はまだ雪が無かったけど、この日はすっぽりと帽子を被っていた。
今回の高尾は出発地点に過ぎないので、早々に山頂を発って先を目指す。ここから先は奥高尾となり、陣馬山の手前までは自分にとって未開の地である。

山頂から5分で裏手にある “もみじ台”、20分で一丁平。

この辺りは富士山のビューポイントが幾つもあるが、中でも一丁平からの展望は随一。丹沢方面の大山、今年も登っている 丹沢山と蛭ヶ岳 もばっちり見ることが出来る。
道は引き続き整備が行き届いていて、傾斜も緩やかなので歩き易い。木の階段が多いのだが、段差が小さく間隔も広いから苦にはならないだろう。

城山と小仏峠

9時過ぎに城山 (小仏城山) に到着。広々と明るい山頂で、高尾山も見える。
ここの茶屋で本日1つ目の秋の味覚「なめこ汁」を注文。250円。なめこがたっぷり入っていて、汁自体にかなりのトロみがある。塩加減もしょっぱ過ぎず、汗で失われる塩分の補給に丁度良い。
いつもは出発前にしっかり朝食を摂るのだけど、この日はこの為に控えめにしていた。

城山から10分で小仏峠。関東圏の渋滞情報を見聞きしたことがある人なら分かると思うが、渋滞箇所としてでよく出て来る小仏トンネルは、この峠近くの下を通っている。
この時点でタイムスケジュールから30分強早く進んでいたので、水場とエスケープルートの確認のために小仏バス停方面に下り、往復して30分強を消化。

景信山

10時半に景信山に到着。こちらも複数の茶屋が営業しており、なかなかの賑わいを見せている。
山頂手前に少しばかり急坂があるが、距離は短く足場もしっかりしているし、ここまで緩やかな道が続いていたので、バランス的には丁度良いアクセントだ。

ここではまず、手前の茶屋で「きのこラーメン」を注文。お新香付で500円。基本はインスタントラーメンなのだが、きのこの出汁がしっかり出ており、刻んだ柚子の香りが絶妙。柚子は陣馬方面の特産品の1つでもある。
近くの客が飲んでいたジュースか何かのコップにスズメバチが飛んできたらしく、思わずフタをして閉じ込めてしまったとのことで、捕獲されたスズメバチを撮影。大きさも然ることながら、この顎の凶悪さはさすが肉食の迫力といったところ。こんなのに集団で襲われたら、そりゃ勝ち目無いだろうな…

続いて奥の茶屋で「山菜の天ぷら」を注文。300円。麻の葉、カエデ、菊の花など、普段食べる機会が無いようなものを、その場で揚げて食べさせてくれる。
実は素材の味というのはそれほどせず、見た目ほど個性的な味ではないのだけど、紅葉に染まった山の茶屋で揚げたての野草を食べるというシチュエーションはかなりインパクトが強く、何に対してなのか分からないけど無性に感動した。

堂所山と明王峠

景信山からいくつかの峠を越えて陣馬山に向かう途中に、堂所山という山がある。
単純に陣馬山を目指すのであれば、まき道があるので堂所山に登る必要は無いのだが、出来るだけピークを踏んで進むという今日のテーマのもと、堂所山にも立ち寄った。
山頂までの上りは結構な急坂で、山頂の展望は西側が僅かに開けている程度。
地味なピークではあるが、景信~陣馬間では数少ない西向きのビューポイントなので、体力的に余裕があれば登っておくと良いかもしれない。

12時ジャストに明王峠に到着。
茶屋があり、丁度良い休憩ポイントなので賑わっていたが、この日は営業していなかった。休業しているわけではないようだが、営業は不定期らしいので当てにしづらい。
ここからは南西方面の展望が期待出来る。

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