▲ 初の単独山小屋泊 – 丹沢山~蛭ヶ岳 (1,673m)

お盆で使えなかった有給休暇を1日使って、自身初の単独山小屋泊に行ってきた。
最初はまだ行ったことの無い甲武信ヶ岳にしようと思ったのだが、交通手段の都合上、真南から登り続けるハードコースを選択せねばならず、ここ最近の猛暑を考えるとちょっとしんどそうなのでパス。登り慣れた丹沢の山荘に泊まることにした。

丹沢は塔ノ岳までならちょくちょく登っていて、今年は 5月 に友人と行っている。
実は今回のコースは本来 7月 用に組んでいたものだったのだが、諸般の事情で泊まりがNGとなってしまい、急遽日帰りの三ツ峠にシフトしていた。
折角組んだプランをそのままにしておくのも勿体無いので、今週末に予定している八ヶ岳への足慣らしも兼ねて、久々の縦走を実行に移した。

一昨年 は大倉尾根から北上して塔ノ岳~丹沢山~蛭ヶ岳と縦走して蛭ヶ岳山荘に泊まり、更に北上して相模湖方面に抜けるという、今にして思えばなかなかの強行プランだった。案の定、最初の大倉尾根で体力を消耗し、山荘に着く頃にはバテバテになっていた。

今回は1ヶ月前に ダム見学 に訪れた宮ヶ瀬湖を起点に、西南西の丹沢山を目指す。
何故宮ヶ瀬を起点にしたかというと、今まで一度も使ったことが無いコースだから。丹沢山へは大抵、ヤビツ峠か大倉から塔ノ岳経由で行くのだが、今回は直接登るルートを使ってみたかったのである。
また、丹沢は首都圏からのアクセスが良いこともあって人が多いので、たまには人気の無い丹沢を歩いてみたいという思いもあって、わざわざ平日を選んだ。

1日目 宮ケ瀬湖~丹沢山

宮ヶ瀬手前の三叉路バス停で降車して、歩いて5分の登山口に向かう。さすがに平日ということもあって、自分以外に登山客の姿は見えない。
ここから本日の目的地である丹沢山頂までは、およそ5時間の道程。

登山口は目立つ看板も無く、注意していないと素通りしてしまいそうな場所にある。登山者カードを記入し、備え付けの丹沢名物 ヤマビルファイター を一噴き。
この日も相当暑かったけど、木が生い茂った山道なので、直射日光は避けられそうだ。

高川山

登り始めて1時間で、最初のポイントとなる高川山に到着。
去年、山梨の同名の山 に登っているが、そちらとは打って変わって鬱蒼とした山頂。しっかりとした展望台があって良かったけど、展望と謳いつつも展望はイマイチ。
日差しをモロに受けて暑さが半端じゃないので、昼食を済ませてさっさと退散した。

高川山手前までは左手に宮ヶ瀬湖が見えたりすることもあったのだが、高川山以降は展望も、腰を下ろせるような場所もほとんど無いような道が続く。道自体は割と綺麗なのだが、人が通っていないせいか、クモの巣だらけで避けるのが大変。
立ち止まるとハチが周囲を飛び回って威嚇してくるし、とにかく気の休まる場所が無い。
また、雲の中に居るようなガスと、真夏の日差しが降り注ぐ時間が交互にあり、後半は汗と湿度で服が絞れるぐらいのびしょ濡れ状態。1人で黙々と歩く中で、この状況は体力よりも精神的にジワジワ来るものがあった。

丹沢山 山頂

15時ジャストに山頂に到着。山頂もガスに覆われていて、残念ながら好展望という労いは望めない状態。
結局ここまで誰1人とも出会うことが無かったけど、山頂には鹿による食害対策用のネットを設置している土建屋の人達が3~4人居た。

みやま山荘

とりあえず荷物を降ろしたいので、みやま山荘 に入って受付を済ませる。みやま山荘は数年前に立て直され、管理も徹底されているので非常に綺麗。
到着時には管理人さん1人しか居らず、自分以外の宿泊客が居るのか尋ねると、「他に男性2名の組と、土建屋の人が1人来る予定」とのことだった。もしかすると自分1人というケースも有り得ると思っていたので、他に3人居るなら予想よりは多かったと言えるかもしれない。

寝る場所は2階一番奥の角、2人用の個室を宛がってもらった。
一昨年の蛭ヶ岳や 去年の雲取山荘 ではほぼ満員の状態での相部屋だったし、こんなに自由気侭な山小屋泊は確実に初めての経験である。

夕飯までは3時間ぐらいあったので、適当に外をうろついたり、布団で仮眠を取ったりして時間を潰す。
16時を過ぎて、聞いていた男性2人組と思しき宿泊客が到着。2階で声を聞いていて自分よりは年配の方だろうと想像していたが、やはり40代とのこと。

17時頃にはガスも晴れて、見渡す遠くの山に夕日が沈み始めた。丹沢山は山頂の周囲に木々が立ち並んでいるため、夕日や朝日の眺めは抜群ではないものの、山頂自体はなかなか広く、ちょっとブラついたりベンチでゆっくりしたりするのが気持ち良い。

夕食と宴会

18時から待ちに待った夕飯。土建屋の人も合流して、4人で食事。

土建屋の彼は、月曜日から今の職場に勤めたばかりの25歳とのこと。比較的年齢が近い (?) せいか、何となく意気投合して、会社名義で小屋にストックしている焼酎を振舞ってもらい、晩酌がスタート。
途中から夕食の片付けを終えた管理人さんも加わり、野球中継を観ながら酒を煽る。最終的には全員で飲み会となり、消灯時間を2時間もオーバーして宴会が終了。こんなノリは大勢が泊まっている時には出来ないし、今回一番の楽しいイベントだった。

消灯後はオイルランプが燈されて、何ともいい雰囲気。男しか居ないのが悔やまれる。
2,000m以下でも夜ともなるとそれなりに涼しく、毛布を1枚掛けて丁度いいぐらいの気温。

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