▲ 嵐の前の突貫ハイク – 平標山・仙ノ倉山 (2,026.3m)

夏前の時点で、今年の泊まり山行は苗場山にしようと決めていた。
今回は 春の伊豆ヶ岳 に続き、古い友人が久々の泊まり山行に復活することになっていたので、フルメンバー+1で楽しみも倍増。
ところが、今年は週末に祟ることの多い悪天候が再び台風として渡来し、1日目の午後~2日目は大荒れの予報となってしまった。これでは流石に強行は無謀。
予てより苗場山に程近い平標山と仙ノ倉山をリストアップしていたことを思い出したので、前日に急遽プラン変更し、何とか中止しない方向で進めることになった。

平標登山口 駐車場

八王子の友人がレンタカーでメンバーをピックアップして、練馬から関越道で北上。個人的には 先月の武尊山 とほぼ同じプランだ。

0時半過ぎに現地の平標登山口駐車場に到着。
既に標高が1,000m近くあるため、夜は相応に冷える。感動するぐらい綺麗なトイレが設置されていて、何とウォシュレットまで完備。
大荒れの予報でキャンセルが多かったのか、同料金のままサイズアップでVOXYを借りられたので、男5人でも広々と仮眠出来るのが有り難い。


5時に起床。日の出前だが空は朝焼けで赤く染まり始め、午前中の晴天を約束してくれている。
寒いので車内で食事と着替えを済ませて、6時少し前に駐車場を出発。登山届はトイレの脇に設置されているので、忘れずに提出しておこう。

平標登山口 → 松手山

森の小道を抜けて、少しだけ舗装路を歩く。先には最初に通過する松手山の鉄塔が見えていて、目標が分かり易い。

国有林の看板と赤い幟 (山火事用心) が見えたら登山道がスタート。
地図で分かっていたことだが、今回初めに取り付く「松手山コース」はこの登り始めが一番の急登区間となっている。よく整備されているものの、とにかく丸太の階段を上り続けるのがシンドい。
コース上に「一合目」「二合目」と書かれた柱が設置されていて、これは多分、平標山に対する表記だと思われる。

30分弱登ると早くも展望ポイント。苗場山スキー場のゲレンデを含め、背後の山々が見渡せる。
引き続き急登はキツいが、以降はちょくちょく展望を得られるようになるので、精神的な負荷は控えめ。

登山道に入って1時間ほどで、最初に目指していた鉄塔に到着。
この鉄塔自体が何ということは無いが、とりあえず第1チェックポイントということで一区切り付けられるだろう。
コース中にベンチが無いので、鉄塔根本のコンクリ部分に腰を下ろせるのも嬉しい。

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鉄塔以降も上りは続き、30分ほど進むとようやく松手山の山頂。標高1,613.8m。
あまり広くないし、展望もコース上と大差無い。それほど印象的とは言えない山頂だが、この先に控える平標山を含めた景色はそれなりに見事。
ただ、ここまでの天気は素晴らしい快晴ながら、気になるのは平標山に掛かる雲だ。

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松手山 → 平標山

松手山以降は見晴らしの良い尾根が基本となり、傾斜もなだらかで歩き易い。北側には湯沢方面の山々も見渡せるようになる。
予報通り、稜線の風はなかなか強く、午後に向けて荒れてくるのがハッキリ分かる。あまり悠長に構えている余裕は無さそう。平標山も時折雲に覆われるが、しばらくは晴れたり曇ったりの繰り返しだろう。

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山頂直前のザレ場を越えて、9時少し前に平標山に到着。標高1,983.8m。
数分前までは何とか晴れていたのに、到着したタイミングでは薄い雲に覆われて視界は今ひとつ。

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平標山 → 仙ノ倉山

ここまではとりあえず順調に来たと言えるのだが、問題はこの先。目指す仙ノ倉山までは1時間弱の道程ながら、どう見積もっても天候悪化が避けられない。
強風は確実として、いつ雨が降り始めてもおかしくないし、展望の点ではここまでの間で十分得られているとも考えられるが…
当面は薄い雲の動きがある程度で、本格的な雨雲は付近に無いと判断して、ひとまずこのまま仙ノ倉山を目指すことにする。

平標山と仙ノ倉山との鞍部は、草原上の素晴らしいコース。
快晴と嵐が目まぐるしく入れ替わる状況に翻弄されながらも、時折現れる大パノラマに魅せられて必死に進む。

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幾度かの小ピークを経て、9時半に仙ノ倉山に到着。標高2,026.3mはこの日の最高地点、そして二百名山の一座でもある。
覚悟の上だったのでショックは無いが、やはり雲に覆われて展望は皆無。雨こそ降っていないものの、凄まじい湿気を含んだ強風の中では、あっと言う間に衣服が濡れてしまう。まずはレインウェアを着込んで消耗を避けなければならない。

少し悩んだが、道中よりは風が弱まっており、もしかすると雲が晴れる瞬間があるのではという期待から、予定通り山頂で食事を摂ることにする。

食事中、目論見通りに雲が切れる瞬間があり、待ちに待った360度の展望を堪能することが出来た。
ただし、雲が切れるのも一瞬なら、雲に覆われるのもまた一瞬であり、カメラを構える頃には再び五里霧中。展望を得られるのは10分に一度、10秒のみといった状況だ。
しばらく落ち着いていた強風も、下山を開始する頃には再び荒れ模様。結果的には良いタイミングだったのかもしれない。

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