定期的に登っているメンバー内での山初めという形で、丹沢の鍋割山に登って来た。
今年は桜の開花が異様に早く、この週末中で満開という状態。山の予定だった日曜の天気が怪しく、メンバー全員で土曜に前倒ししようという話になった。
大倉
井の7:30に小田急線渋沢駅で集合。
友人の同僚もスケジュールの都合がついたようで、最終的に6人で登ることに。
今回の出発地点である大倉は鍋割山と塔ノ岳+αのベースとなる場所なので、渋沢駅や秦野駅からかなりの本数のバスが出ている。秦野からだと少し手前の大倉入口までだが、渋沢からだと大倉まで乗れるので、特に理由が無ければ渋沢→大倉で行ってしまう方がスムーズだ。
7:50のバスに乗り、8:05に大倉に到着。
大倉は「秦野戸川公園」の入口にもなっているため、売店なども充実している。
飲み物なんかはここで調達すると無駄が無いが、コンビニほど何でもあるわけではないので、食料などの必須アイテムは予め用意しておく方が安全。
軽めのストレッチを済ませて8:20に出発。
塔ノ岳を目指して大倉尾根に向かう人が多いようで、鍋割山方面に向かうグループは数える程度。
渋沢から一緒だったいかにも “山ガール” って感じのグループは、我々と同じ鍋割山に登るようだ。ここまで見事にカラーリングが充実しているグループはなかなかお目に掛かれない。
最初の分岐である二俣までは、緩い舗装路と砂利道が1時間ほど続く。わざわざ前倒しした甲斐もあり、出発時点では素晴らしい快晴。予報では途中から雲が出て来るようだし、青空が残っている内に山頂に立ちたい。
途中からは今回登る方面の山々が見えるようになるので、気分も盛り上がる。
二俣
9:30、二俣に到着。
その少し手前に神奈川県山岳連盟の会長だった方の胸像が設置されている。何故鍋割山にあるのかと言うと、この先に見える旧登山訓練所を設立したかららしい。遠目からはかなり綺麗な建物に見えるのだが、現在は閉鎖されているとのこと。
二俣は沢になっていて、雪解け水が幾らか流れているようだったが、このところそれほど大雨が続くこともなかったので、比較的穏やかな状態。
水溜りの近くに長いミミズのようなものが大量に落ちていて、何かと思ったら、水溜りからカエルが2匹、顔を出していた。この水溜り、2~3日雨が降らなければ干上がってしまいそうだけど、大丈夫だろうか。
二俣は名前通りの分岐になっていて、片方は大倉尾根に合流して塔ノ岳方面に向かう道、もう片方は鍋割山に続く尾根に向かう道なのだが、そこから更に幾つかのルートに分岐しているため、通る際には若干注意が必要。それほど分かり難い箇所があるわけではないので、指導標をちゃんと確認すれば大丈夫だろう。
先の山ガール達は真っ直ぐ鍋割山を目指すようだが、我々は小丸を経由するのでここでお別れ。
小丸は塔ノ岳と鍋割山を結ぶ稜線の途中にあり、通常はこの2つを縦走する際に通過する小ピークという位置付け。
今回はメンバーの事情も加味して鍋割山単体のコンパクトプランにしていたたので、ただ登るだけじゃ物足りなかろうという事で、僅かでもコースが延びる小丸経由のコースを選んだ。
小丸
地図の標高データで二俣までは緩やかな道、以降は一転して急坂だと覚悟していたが、とりあえずしばらくは普通より若干勾配がキツい程度の登山道。さすがにこれまでの砂利道とはワケが違うものの、普通に歩ける程度にはこなれた道なので、データから想像していたほどのインパクトは無かった。
杉が多く、奥多摩に近い印象だが、奥多摩より視界が開けているため、陰気な感じではない。少し登ると背後に山並みが見えるようになるし、稜線に出ればブナ等の広葉樹に変わる。
後半は相応に傾斜がキツくなるが、足場は安定しているので慌てず登れば大丈夫。
二俣から1時間半ほどで、この日一番のビューポイントに到着。マップ上では特に記載の無い場所だが、展望は抜群に良い。
すぐ裏手に「小丸尾根分岐」の指導標があり、ここが塔ノ岳のと接続地点であると判る。
ここから塔ノ岳まで1時間弱なので、どうせなら塔ノ岳まで行ってしまいたい誘惑に駆られるが、それは単独行の機会まで取っておくことにする。
分岐から10分も掛からずに小丸を通過。
一応この日のコース上では最高地点なのだが、展望も何も無い小ピークなので、立ち止まることも無く先に進む。
分岐以降はなだらかな稜線歩きとなり、時折上り階段が現れるものの、二俣以降の斜度と長さに比べれば、全然大したことはない。
まだ葉が落ちたままの木々ばかりなので、概ね展望も確保されているし、スイスイ歩き続けて、分岐から30分も経てば鍋割山の山荘が見えてくるようになる。
一度視界に収めてしまえば、そこから10分で山頂に到着である。
鍋割山 山頂
12:00ジャストに山頂に到着。
小丸側からだと山荘の裏手に出る形となるが、そこからでも山頂の混雑ぶりが見える。
山荘に入ると案の定、登山客でごった返していた。
鍋割山荘 はこのエリアの山荘として特に狭いわけではないと思うのだが、鍋焼うどんという名物があるため、どうしてもそれに人が殺到することが避けられず、その注文~受け取りまでの間がボトルネックとなってしまうようだ。
3~4人が全速力で回しているが、この日はいつも以上に人が多かったらしく、カウンター周辺は正に戦場の様相を呈していた。
人数分のうどんを受け取り、掘り炬燵のテーブルでいざ実食。
うどんは市販の出汁を薄めて煮込んだだけのシンプルなものなんだけど、塩気と若干の甘さが汗を掻いた後の身体には丁度良い。
具材は結構豪華で、玉子・キノコ類・ほうれん草・揚げ・カボチャの天ぷら・ネギが載り、麺もそこそこのボリュームで食べ応え十分。これで1,000円ならリピート必須。
満腹になって外に出ると、山頂はすっかり寒くなっていた。急いでお湯を沸かしてコーヒーを啜るものの、身体が冷えるペースの方が早い。
空全体が薄ら雲に覆われていたけど、下界の景色はそれなりに見渡せたので満足。定番の集合写真だけ撮って、そそくさと下山を開始。早く動いて温まりたい。
下山
下山は山荘の正面側の道を下る。
山頂で得られていた展望は、少し下ると木立に遮られてそれほどでもないが、今の時季は葉が落ちて空が抜けているので、気分良くグングン下っていく。岩混じりのヤセ尾根だが、傾斜や段差が程良いので、そこそこ下り易いコースだ。
山頂から30分ほど下ると、出発地点の大倉へと続く後沢乗越の分岐が現れる。
単純に下山だけを優先するのであれば、ここから大倉に下りるのが手っ取り早いが、すぐに二俣に合流して、往路で歩いた車道をダラダラ歩くことになる。
全体としてはシンプルに上って下りるだけのプランなので、今回はここから櫟山 (くぬぎやま) を通って “寄” というバス停に下りることにしていた。下山までの時間は30分も変わらないが、こちらは往路と復路で違う道を歩けるし、車道を歩く時間が短くて済む。
更に30分で栗ノ木洞。
この頃には岩もほとんど無くなって、砂利と土だけの均された道に変わりつつある。
栗ノ木洞から15分で櫟山。
鍋割山からは大分下って来たが、見晴らしの良い広々とした山頂で、ここからの展望も十分に良い。暖かければゴロ寝でもしたい草原が広がっている。
櫟山以降は往路と同じようなスギ林の中を延々と下る。同じ丹沢でも、昨年登った 檜洞丸 なんかとは全然印象が異なるコースだ。
一旦舗装路を跨いで、再び山道を15分も歩けば、茶畑が広がる高台の上に出る。
ここから見下ろす里山の風景も、なかなかに良い。高台からバス停までも15分だが、途中に蝋梅園があって枝垂桜が見頃。我々はその看板には気付かず、トイレだけ借りて通り過ぎてしまった。不覚。
寄バス停に到着してから15分でバスが来て、25分乗って新松田駅。朝のバスは満員だったけど、帰りは座席が丁度埋まるぐらいの登山客。手近な入浴施設が無いので、今回も東海大学前まで戻って湯に浸かる。
計画から前日まで結構バタバタした山初めではあったけど、結果的には全員参加で概ね天気にも恵まれて、充実した山行だった。
今年は秋まで慌ただしく、現実的にどの程度登れるか分からないので、快適なこの時季に1本登っておくことが出来て良かった。
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