▲ マイナールートに大苦戦 – 雲取山 2日目 (2,017m)

1日目 からの続き。

3時過ぎに起床して、まずは荷物を玄関に移動。
自分はぐっすり寝ていたが、友人2人は相部屋になった人の鼾であまり眠れなかったらしい。
耳線をしていても、凄い人の鼾は余裕で突き抜けて来るから恐ろしい。
沖縄旅行で泊まったゲストハウスでも、自分は蚊に刺されながら気付かず熟睡していたし、こういう時の図太さには我ながら感心する。

雲取山 山頂での夜明け

昨晩の時点では雲が晴れて月も星も見えていたのに、今は再びガスに覆われて視界不良。
あと1時間ちょっとで日の出が見られるほど回復するとは思えないが、僅かな期待に望みを託して、4時に山荘を出発する。

4時半に山頂に到着。
やはり山頂も視界は乏しく、先客は無し。
それなりの風と霧雨の中、ダウンジャケットの上にレインウェアを着込み、じっと待つしか無い。

体温を上げるため、昨晩の内に受け取っていた弁当を食べることにする。
夕食で期待値が下がり切っていたこともあり、思いの外しっかりとしたお弁当に感激。
昨晩体調不良を訴えていた友人は、風邪薬が利いたのか小康状態のようだったが、胃腸の具合が微妙のようで、あまり箸が進んでいなかった。

日の出予定時刻の5時半になっても霧は晴れず、当分回復は期待出来ない状況。
奥多摩小屋からのテント泊組も続々と到着しているが、皆一様に沈んだ表情だった。
この日の行程もそれなりに長いので、諦めて山頂を出発する。

三条の湯 → サオラ峠 → 丹波天平

今回は三条ダルミを通過して 三条の湯 に向かう。
広々とした尾根道の昨日とは打って変わり、こちらは細くゴツゴツとした笹の斜面を下る。
山頂に掛かった雲を抜けるまでは小雨交じりのコンディションで、足元も滑り易い。
左側が切れ落ちた狭い登山道が長く続き、展望も乏しいのでなかなかツラい。

地図や ビジターセンターのサイト にも記載が無かったのだが、通行止めで巻き道となっている区間があり、この巻き道により計算外のアップダウンを強いられるため、結構な時間をロスしてしまった。

8時半に三条の湯に到着。
本日2回目の朝食 (ブレックファースト?) を摂り、ダレ気味のテンションを立て直す。
前回はここでお風呂に浸かり、あとは紅葉を観ながらダラダラと舗装路を下るだけだったが、今回はサオラ峠~丹波天平を経由して のめこい湯 に下るロングコースを設定しているため、更に気を引き締めていかなければならない。


9時過ぎに三条の湯を出発。
三条の湯までも長かったが、ここからサオラ峠も同様かそれ以上に長い道程が待ち構えている。
同じ区間をループしているんじゃないかと思えるほど、延々と似たような道が続く。
左が切れ落ちた右曲がりの細い道を進む → 沢を跨いで折り返す → 少し急な勾配を上る…をひたすら繰り返し、三条ダルミ~三条の湯までと印象が変わらないため、合わせて4時間ぐらい同じところを歩いている感覚に陥るのが精神的にキツい。

山頂の雲から抜けて以降、青空が覗くぐらいまで天候が回復していたことが唯一の救いだ。

やっと辿り着いたサオラ峠。
飛竜山の中腹に位置していて、南西側に展望が開けている。
中川神社という小さな祠があり、後で調べてみると、地域的になかなか意味の大きいものであることが分かった。 ( 参考 )

サオラ峠からはそのまま丹波に下りるルートと、丹波尾根で丹波天平を経由して下りるルートがある。
丹波天平経由でも10分ぐらいしか変わらず、最終目的地の「のめこい湯」に近い位置に下山出来るので、今回はそちらを選択した。

天平尾根は展望は無いながらも、広葉樹が美しい広い尾根道。
あまり多くは歩かれていないようで、道が不明瞭な箇所も所々あったが、道迷いの心配は少ない。

白いアンテナが目立つ、丹波天平。
特に何があるというわけでもないが、思い返せばここが最後の休息地だった。

▲ 別ウィンドウで全天球写真を表示します

丹波天平以降の道は、本当に手入れがされていない荒れ模様。
道筋自体は明瞭なれど、倒木や貼り出した枝が道を覆い、とにかく歩きづらい。
倒木は電線に掛かったりもしているし、これは大丈夫なのか?と思うような箇所が続く。
地図では何も記載が無い普通の登山道なので、今年の台風による影響なのかもしれないが、それにしても酷い有様だった。

道の駅 たばやま、のめこい湯

ほうほうの体で登山口に辿り着き、すっかり晴れて陽射しが強い国道を5分程歩くと 道の駅 たばやま に到着する。

目指す「のめこい湯」は、その道の駅を抜けて丹波川に掛かる吊り橋を渡った先にある。

若干ぬめりのある温泉で疲れと汗を洗い流し、ビールで乾杯。
帰りのバスは1日4本という少なさで、次の便までは2時間あるので、遅い昼食と休憩室での仮眠でリフレッシュして待つことになる。


15時半過ぎに奥多摩駅行のバスに乗車。
始点に近いバス停なのでギリギリ座れたが、想像していたよりも乗客は多く、バス停に到着するのがもう少し遅かったら、1時間立つことになるところだった。
奥多摩駅までには幾つも登山口があり、登山以外の旅行客も乗ってくるため、最終的には3台のバスがぎゅうぎゅう詰めになるほどの混雑振り。

奥多摩駅に到着して間もなくのホリデー快速に接続出来るタイミングだったので、乗り換えなしで三鷹まで一気に戻り、19時前には自宅に帰着することが出来た。

元々そこまで期待値の高い天気予報では無かったこともあり、1日目に関しては期待よりも好天に恵まれて、それなりの展望を楽しめた。
2日目はその煽りを食うように山頂で何も見えず、選んだルートも結果的に微妙だったため、かなり徒労感の強い山行という印象が残ってしまった。
とは言え、前回 ・ 前々回 と合わせて歩きたいコースは概ね経験出来たし、9年前との比較 (主に自身の山体力) という点でも、目的は達せられたと思う。

今年はあと1~2回だと思うので、来年の泊まり山行を見据えて早めに候補地のリストアップを進めたい。

DATA

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