7月に入って祭りや花火の情報があちこちから聞こえてくるようになり、ここ1ヶ月の梅雨の鬱憤を晴らそうということで、ちょっと遠方のイベントを物色。
そうは言ってもあまり準備期間も無いので、気軽に行ける東京近県で探してみたところ、熊谷で うちわ祭 なるものが催されていることが分かった。
うちわ祭は毎年7月19~23日の5日間という比較的長い期間で催されていて、各日にそれぞれ以下のような行事が割り振られている。
7月19日 | 遷霊祭 (せんれいさい) |
7月20日 | 渡御発輿祭 (とぎょはつよさい)、途上奉幣祭 (とじょうほうへいさい) 渡御着輿祭 (とぎょちゃくよさい)、初叩き合い |
7月21日 | 巡行祭 (じゅんこうさい) |
7月22日 | 行宮祭 (あんぐうさい)、曳合せ叩き合い (ひっかわせたたきあい) 年番送り (ねんばんおくり)、還御発輿祭 (かんぎょはつよさい) |
7月23日 | 還御着輿祭 (かんぎょちゃくよさい) |
行事によっては朝6時や真夜中に始まるようなものまであり、連休に絡めて観光として観易いのは、19日の「遷霊祭」と20日の「初叩き合い」、そして21日の「巡行祭」あたりだと思われる。
「遷霊祭」は内々の儀式といった感じで観光客が集まる派手なものではなさそうなので、今回は20・21日の2日間でスケジュールを組んでみることにした。
今まで熊谷の正確な位置が分からず、よくニュースに出て来る暑いところという印象しか無い。
今回調べてみたところ、どうやら地元から井の頭線と高崎線直通の湘南新宿ライン、特急や新幹線を使わない場合でも、乗換1回の約100分で行くことが出来るようだ。
熊谷駅 北口
昼過ぎまでに所用を済ませて、16時に熊谷に到着。
熊谷はそこそこ大きい都市なので、佐原のようなローカル感は微塵も無く、到着時点では旅行に来たという雰囲気はほとんど感じられない。ただ、駅の至る所に冷たいミストシャワーが設置されていて、ささやかながら「暑さと言えば熊谷!」というアピールが見て取れる。
駅は主にJRが幅を利かせる北口と、秩父鉄道がひっそりやっている南口に分かれていて、商業的な施設は9割以上北口方面に集まっている。南口側も普通に住宅地なので寂れているわけではないが、観光的な見どころは特に無い。
北口駅前は人の出も多く、浴衣姿もチラホラ見えるものの、出店のようなものは見当たらない。
ロータリーに提灯が立っているので、祭りがあることは間違い無さそうだが、どういう形で祭りの体を成していくのか、今のところよく分からない。
とりあえず、ホテルにチェックインして身軽になってから散策を始めることにする。
駅から3本目の星川通りを流れる星川。両岸が整備された綺麗な川で、飲食店や着物屋などが建ち並んでいる。メインストリートではないので日頃それほど賑わっているわけではなさそうだが、なかなか趣のある、祭りには持って来いの素敵な通りだ。
何とか見付けたバーの屋台でビールを買って、まずは乾杯。
うちわ祭
通りを歩いていると、ようやく「カン、カン」という金属音と共に、1つ目の山車に遭遇。
うちわ祭の特徴は、12町による12台の山車と屋台。山車は上に人形が乗っているもの、屋台は屋根付きのものを指しているようだ。
「初叩き合い」は駅前で19時からなので、まだそれぞれの町で待機している状態。
“叩き合い”って何だろうと思っていたけど、山車・屋台に付けられた金だらいのようなものを、カンカン打ち鳴らし合うという意味らしい。太鼓と違って若干中国っぽい雰囲気。
18時を過ぎて提灯に火が入ったので、駅前で待機。
18時半からロータリーの交通整理が始まって、みんな思い思いの場所に陣取り始めるのだが、初見の我々はどこに陣取れば見易いのか分からず、何となく周りの動きを見つつ立ち回る。
19時、いよいよ各町の山車と屋台が結集。12台が横一列にズラリと並ぶ光景は圧巻で、「関東一の祇園」と称されるに相応しい。
人でごった返してはいるものの、ロータリーが広いのである程度自由に動き回ることが出来、そこまで場所取りに苦心しなくても大丈夫なのも有り難い。
大阪ホルモン
「初叩き合い」は1時間ほどで終了。出店が無いため、イベントが終わると何事も無かったように元の駅前に戻るのが面白い。
一気に飲食店に人が流れるだろうと見越して、少し早く切り上げて近くの「大阪ホルモン」へ。
看板商品であるホルモンMIXが旨くて安く、これを軸にするとコストパフォーマンスが抜群。こんな店が近くにあれば通いたいけど、多分熊谷ならではだろうなぁ。
店を出ると、そこそこの勢いで雨が降り出していた。元々「曇り後雨」の予報だったので、これでもかなり堪えてくれた方だろう。「初叩き合い」もすっかり撤収を終えたタイミングなので、祭りには影響無さそう。
秩父鉄道で2駅の石原駅で降りて、 熊谷温泉 湯楽の里 で温泉に浸かる。
岩盤浴が売りの標準的な郊外型施設だけど、露天風呂が充実していて嬉しい。
この日は終始涼しいぐらいの気温で汗を掻かなかったので、岩盤浴で強制的に発汗。
施設を出る頃には雨も上がり、ホテルに帰ってそのまま熟睡。
2日目 に続きます。
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