箱根に前々から行ってみたい立ち寄り湯専門の温泉があったので、箱根観光とセットで行ってみることにした。
場所は箱根登山鉄道の宮ノ下という途中駅で、今まで降りたことは無い。今回の件で調べるまで、そういう駅があること自体、ほとんど知らなかった。行こうと思っている温泉が宮ノ下から徒歩で数分ということなので、まずはこの駅周辺で見て回れそうなスポットがあるか検索。
この辺りもしっかり温泉地であるらしく、ホテルや温泉が結構あって、それなりに名所旧跡が充実しているらしい。ただ、今まで名前も知らなかったぐらいの場所であるからして、恐らく箱根市街地よりは鄙びた、古めかしい観光地なんだろうと想像していた。
食事関係で幾つか気になる店があり、足湯もあることが分かったので、とりあえずそれらを回れば昼過ぎぐらいまでの半日は潰せるし、あとは近場の 箱根彫刻の森美術館 に立ち寄れば、日帰りイベントとしては十分。温泉以外はそこそこの期待値で当日を迎えた。
宮ノ下
ここ一週間は不安定な天気が続いていたけど、当日は抜群の快晴。予報も晴れマークだけで、雨の心配は無さそうな行楽日和になった。
今回行く予定の温泉が10時からの営業。貸切露天風呂の予約は当日にならないと出来ないので、読めない待ち時間のロスを避けるため、始業直後に到着出来るように6時半起床。7時過ぎの電車に乗って、小田急線で小田原、箱根登山鉄道で箱根湯本、そして宮ノ下に10時少し前に到着した。
登山鉄道は何年か振りに乗ったけど、いかにも行楽電車な雰囲気が楽しい。途中で進行方向が逆になるスイッチバックや雰囲気のある駅舎など、見所も多い。
宮ノ下駅は坂の上にあり、観光地っぽい広い駅前は無いが、5年ほど前に旧奈良屋旅館を改築して出来た NARAYA CAFE 、そして今年の4月にオープンした 森のごはん という兄弟店がある。
どちらも木造の優しい雰囲気で、高台にあるため窓側やテラス席からの眺めが素敵。そして、NARAYA CAFEには誰でも無料で入れる源泉の足湯が!
でも、カフェは10時半オープンなので、とりあえず後回しにして温泉に向かう。
駅前の坂を下ると、細いながらも交通量の多い道路を挟んで、歴史を感じる立派なホテルから新しい近代的なリゾートホテル、いかにも温泉街らしい寄木細工の民芸店や小洒落たパン屋など、普通に活気があって充実した観光地が出現し、少々面食らった。
ゴメンよ、宮ノ下。もっとショボいと思って完全舐めて掛かっていたよ…
楽遊壽林自然館
ホテル街を抜けたT字路の先に、目指す温泉の看板を発見。地味な駐車場の横手に小道があり、看板と提灯によって、辛うじてそれが入口だと分かる。
渓谷に下る途中に施設が建てられているため、石段をガンガン下りて温泉を目指す。しばらく下りると、暖簾が出て来ていよいよそれっぽい雰囲気になり、暖簾を潜ってもう1段下りると、目指す建物が登場。
ここに来るまで先客らしき人は見えなかったので、我々が最初かな?と思っていたけど、受付で予約の記名を見て、先に1組居たことが判明した。
貸切の露天風呂は、7~8名まで利用可能な “縄文遊悠の湯 (3,000円)” と、4名ぐらいまで利用可能な “林間の湯 (2,000円)” の2種類がある。貸切料金は1グループ50分での値段なので、人数割りで考えれば2種類の金額差はそれほどでもない。どうせなので、今回は広い方を予約。
入湯料が2,500円、貸切露天風呂3,000円÷人数で、大体3,000~4,000円ぐらい。立ち寄り湯としては相場の3~4倍だが、イベントとして考えれば許容範囲。
貸切風呂の予約が11時になったので、それまで普通の露天風呂に入る。
急斜面にやや強引とも言える形で作られた3段の檜風呂が特徴的で、残念ながら渓谷を見下ろすことは出来ないものの、新緑に囲まれた高台の露天というだけでも十分に贅沢な環境である。
中居さんに案内されて、食事処の隅から浴衣で貸切風呂に向かう。
「何かお飲み物をお持ち致しましょうか?」と訊かれたので、ビールとポカリスエットを注文。あまり飲むと動きたくなくなりそうなので、酔わない程度に気分だけ1杯。
写真で見た通りの広いしっかりとした露天風呂。綺麗な脱衣場と涼むためのベンチが設けられ、洗い場は無しのシンプルな造り。洗いたければ内湯があるので、ここではのんびり飲みながら呆けるのが正解。
湯温は50分浸かり倒すには若干熱めで、半身浴と切り替えながら景色を堪能した。露天はすべて見事な楓に囲まれているので、紅葉シーズンもまた格別だろう。
お風呂から上がり、食事処で再度生ビール。そして宇治金時。
食事も充実しているようなので気になったけど、今回は他で当てがあるのでそのまま退館。
渡邊ベーカリー
先程のT字路まで戻り、そこからスグの 渡邊ベーカリー へ。お目当ては、写真で見て絶対食べようと決めていた “温泉シチューパン” 。人で溢れていたので不安だったけど、持ち帰りであればすんなり買うことが出来た。
「30分以内にお召し上がり下さい」とのこと。
近くに腰を下ろせる適当な場所が無かったので、少し戻って「熊野神社」の石段で昼食。
丸いパンの蓋を開けると、中にビーフシチュー。まずは蓋を千切って浸して食べる。平たく言えばパンにシチューを付けて食べてるだけなんだけど、これがまた旨い…
蓋を食べ終えたら、付属のスプーンでシチューを掬って、最後にシチューが滲みたパン。男だと1つじゃ足りないけど、今回はこの後すぐにカフェに行くので、これぐらいが丁度良い分量。
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