紅葉目前の日光 から3ヶ月弱、引越のバタバタをようやく抜けて、久々の山行。
今回は 3年前に本仁田山 からの縦走を断念した川苔山を経由しつつ、その奥の蕎麦粒山へ。
少しアクセスが面倒な山なので、日没が早いこの時季には向かないと思っていたのだけど、よくよく調べると、鳩ノ巣駅からであれば比較的スムーズに辿り着けることが判明。今年最後のピークとして、白羽の矢を立てた。
前の週までは天気が安定せず、真冬並みの寒波に襲われる日もあったりして、この日もどうなるか安心出来なかったのだが、当日になってみればスッキリとした快晴。
まだ真っ暗な5時に家を出て、7時過ぎに鳩ノ巣駅に到着。
いつもだとこの時間帯の奥多摩行きは登山客で溢れ返っているのに、やはり紅葉シーズンが終わると一気に減るようで、楽に座席を確保出来て快適だった。
同行する友人からも「予定通りの電車に乗った」とメッセージが来ていたので、同じ電車だと思っていたけど、どうもそれらしき姿が見当たらない。電話をしてみると、寝過ごして奥多摩まで行ってしまったらしい。まぁ奥多摩までなら2駅なので、引き返して来てもそうは掛からないだろう。
登山カードの記入を済ませ、静かな駅前で友人を待つ。
川苔山
鳩ノ巣に戻ってきた友人と合流し、30分遅れで出発。この2人のペースはそこそこ早いので、これぐらいの遅れなら十分取り戻せる。
鳩ノ巣駅からの僅かな舗装路を経て、早々に登山道がスタート。舗装路が結構な勾配で、最初から一気に息が上がる。登山道はいかにも奥多摩らしいヒノキ林なのだが、ここ数年で間伐されているらしく、景色は無いものの見通しが利く、歩き易い緩やかな1本道になっている。
8:20 大根ノ山ノ神
林道も接続している最初の分岐。この先が突如の急坂なので、一旦休憩。ここまでは順調な滑り出しでコースタイムを20分短縮し、当初の予定時刻から10分遅れの状態まで回復。
大根ノ山ノ神直後の急坂も最初だけで、以降は次の大ダワまで緩やかな尾根道となる。このコースの尾根は所謂ヤセ尾根ではなく、道もしっかりしていて非常に歩き易い。ヒノキから葉の落ちた広葉樹主体に変わっているため、見通しの良い、快適なハイキングだ。
9:16 大ダワ
ここから川苔山までは西に巻くルート、東に巻くルート、直登するルートがあるが、我々は直登で合意。まだ序盤なので、多少は気概を見せておかねば。
…と思ったら、これが結構なアップダウンの連続で、想像以上に厳しかった。景色が良いので大分救われたけど、これが真夏だったらシンドかっただろう。
また、この前後は崩落などによりコースコンディションが悪化していたり、そもそも通行不可になっている箇所が幾つかあるようなので、事前のチェックが重要。
10:10 舟井戸
この時点で遅れを消化して、スケジュールより10分短縮した状態。
早ければ良いというものではないけど、遅れているというのは精神衛生上宜しくないので、とりあえずこれで心置きなく山歩きを楽しめるようになった。
舟井戸から川苔山頂までは広く緩やかな尾根歩き。懸念していた雪もほとんど無く、所々で霜柱が見られる程度。
川苔山 山頂
10:25、川苔山 山頂。
ここまでに3組ぐらいの登山客と擦れ違ったけど、山頂は無人。最初にここに来たとき は11月だったので、紅葉目当ての登山客で賑わっていた。快晴が続いていて気持ちが良いけど、時折強風が吹くのでダウンを着ていないと寒い。
持参したおにぎりを1つ食べてエネルギーを補給し、到着から10分後に出発。
蕎麦粒山
来た道を数分戻り、十字分岐を北上。
ここまでは太陽を背にして日当たりの良い斜面を歩いてきたけど、この先の下り斜面は日陰になっているため、道が霜で浮き上がり、まるでウエハースか何かを踏んでいるようなザクザクとした踏み心地。
蕎麦粒山までもほとんど尾根道を歩くことになるので、景色はひたすら良好。
11:05 踊平
踊平自体に特筆すべきものは無いのだが、その後の急坂がこの日一番のインパクト。
実際にはある程度九十九折りの踏み跡が付いていて、見た目ほどの急勾配ではないのだが、ここまで歩いてきた状態でこのそそり立つ急坂を目の当たりにすると、なかなか凶悪な印象。
今回のコースは全体的に直登が多く、想定していたよりもヘバらされた。緩やかな尾根も長く続く区間もあり、鎖や梯子、岩場といった派手なものが無い代わりに、この急坂のような地味に体力を奪うポイントが点在していてため、総合力で案外手強い。
蕎麦粒山 山頂
12:05、蕎麦粒山 山頂。出発の遅れも含めると、トータルで1時間の短縮といったところ。
ここでも先客は居らず、我々の少し後に4人、その少し後に1人。
蕎麦粒山の山頂は大きめの岩がゴロゴロしていて、風除けに丁度良い。木々が疎らで葉も落ちているため、都心方面の見晴らしが素晴らしかった。
いつも通りにカップ麺とおにぎり、コーヒーで疲労回復を図る。
下山
13:00、山頂を出発。
出発直後こそ幾らか急な下りがあったものの、それからしばらくは下っているかいないかぐらいの緩やかな尾根歩きが続く。
少し前に登った人のブログ等で、枯葉が木の根を覆い隠しているため、踏むと滑って危険と書かれていたが、ここ数日は降水や極端な寒暖差が無かったらしく、根の表面が乾き切っていて、踏んでもあまり滑らない状態だったので楽だった。
ただし、下山直前まで左側が急斜面になっている細い道をひたすら歩くことになるので、注意力の低下や、他の登山客との擦れ違い等には気を付ける必要がある。崖と言う程ではないのだが、滑り落ちるとそう簡単には復帰出来そうにない。
一杯水非難小屋
仙元峠を経て、13:45に一杯水。
1杯の水が飲める程度、ということでこの名前が付けられているものと思われる。掌に貯めて飲んでみたけど、この時季の割には思ったほど強烈な冷たさではなかった。
そこからすぐ先に一杯水非難小屋。
綺麗な小屋だと聞いていたが、噂通りに程度良く保たれた小屋だった。写真で見た薪ストーブが無くなっていたが、撤去されたのだろうか?
持ち主は不在だったが2人分のザックが置かれていたので、今晩泊まるのだろう。
非難小屋以降は奥多摩らしい、やや陰気なヒノキの林に戻る。鳩ノ巣側が間伐されて比較的広々していたのに比べると、こちらはいかにも奥多摩にありがちな雰囲気で鬱々としている。
1時間ほど下ると配水所の間を抜けて、やがて日原の集落に辿り着く。舗装路に変わってから東日原のバス停まではすぐだが、案内が無く少し分かりづらい。
予定より1時間早く下山したが、15時台の便が無いため、1時間ほどバス停で待つ。
バス停は広く、横に綺麗なトイレが設置され、斜向かいには商店もある。待つには良い環境だが、陽が山の向こうに落ち始めると一気に気温が下がり、フリースのベストとダウンジャケットを着ていても少し寒いぐらいになる。この時点でこの寒さとなれば、やはり夜の冷え込みは尋常じゃないと容易に想像出来る。
16:17のバスで奥多摩駅へ。
東日原はこの路線の終点なので、最後尾の座席を陣取れて快適。途中の川苔橋辺りから、川苔山からの登山客が多く乗ってきて満員になった。
17時前に奥多摩駅に到着。
ホリデー快速がすぐ後に出るので、これに乗れば手っ取り早く帰れるが、今回は途中下車して温泉に入りたかったので、しばらく待って青梅線に乗る。
JR 河辺駅 梅の湯
温泉の候補は川井駅近くにある川沿いの温泉旅館 水香園 と、河辺駅の講習温泉施設 梅の湯 。
旅の風情で水香園にしたかったが、この日は宿泊客が満員のため、18~19時の間しか立寄り湯を受け付けておらず微妙に待ち時間が出来てしまうことと、駅から10分ほど歩くため、この冷え込みでは湯冷めしてしまいそうなのでパス。河辺駅から徒歩1分の梅の湯に決めた。
奥多摩駅周辺も入浴施設は幾つかあるものの、15時ぐらいまでしか入れなかったり、混み過ぎて入館拒否されたりで散々なので、選択肢に含めないことにしている。
梅の湯はまぁ可もなく不可もなくといったところだが、アクセスが容易という1点だけでも、他に代え難い貴重なポイントと言える。宿泊施設ではないのでいつでも使えるし、保険として有用。
最後は立川でお決まりのラーメンを食べて、ビールで乾杯。そして解散。
前々からこうなることは分かっていたけど、やはり紅葉シーズンを丸々逃してしまったため、山納めを素晴らしいコンディションで締め括れたのはとても嬉しかった。
本当は日光組の4人全員で登れればベストだったのだが、それはまた年明けに。
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