▲ 偉大なる先達に想いを馳せる山納め – 茅ヶ岳 (1,704m)

12月に入り、年内最後の山行。いつもの4人の内、1人は関西出張、1人は2人目の誕生直後で今回はパス。2人だけではちょっと寂しいので、新メンバーを迎えて3人で茅ヶ岳に登ることにした。

茅ヶ岳はその山容が 八ヶ岳 に似ていることから “ニセヤツ” と呼ばれることと、山に登るものなら知らぬ者は居ない、日本百名山を編纂した深田久弥氏終焉の地として有名。
標高は1,704mで特に難所も無く、どちらかと言えば初級者向きの山と言えるだろう。

JR 韮崎駅 → 深田記念公園

茅ヶ岳の登山口へは、山梨県の韮崎駅からバスが出ているのだが、タイミング悪く11月末で年内の運行が終了してしまっているため、今回はタクシーを利用する。登山にタクシーを使うなんてブルジョワ、3年前の武甲山 以来である。

3人の住まいがバラバラなので、各自で電車に乗り、10時少し前に韮崎駅集合。韮崎駅は 去年の瑞牆山 で利用したばかりなので、まだまだ記憶に新しい。
新メンバーのK君が若干消耗品を買い足したいということで、10時まで待って駅から少し歩いた位置にある大型スーパー オギノ で買い出しを済ませてからタクシーに乗車。

15分ほどで 深田記念公園 に到着。先客と思しきマイカーは十数台。
公園はそれなりに広いようだが、我々が利用したのは入口にある駐車場なので、全容は不明。

登山口 → 茅ヶ岳

10時半過ぎに登山口を出発。
大きな太陽光パネルを左に見つつ、駐車場奥の分岐を右に進むと、まずはすっかり落葉した登山道の緩やかな上りが始まる。道幅は狭くもなく広くもなく、平坦で歩き易い。

登り始めてから20分ほどで、林道を跨ぎつつの名も無い分岐。
林道をそのまま跨ぐ東回りのコースと、林道に沿って少し歩いてから登山道に入り直す西回りのコースに分かれている。どちらも茅ヶ岳山頂に向かう道で、コースタイムの差は無いようだ。
両コース合わせても、地図上で印があるのは”女岩”と”深田久弥終焉の地”ぐらい。そのどちらも東回りのコース上にあるので、とりあえず上りは東回りのコースを進む。


分岐を越えてもしばらく緩やかな上りが続き、勾配がそれなりになるのはコース全体の2/3に差し掛かる頃だ。
地図上では女岩がある辺りなのだが、落石が多いため今年3月に100m手前から立ち入り禁止となり、右に迂回する新ルートが設けられていた。写真で見る限りなかなか迫力のあるポイントだったので、見られなくなってしまったのは残念の一言に尽きる。
付近の水場もセットで利用出来なくなっているため、特に夏場の山行は要注意。

女岩手前~山頂までは、それなりに歯応えのある区間。新メンバーのK君は今回がほぼ初めての登山ということもあり、かなりキツそうにしていた。特に危険な箇所や技術を要する箇所があるわけではないので、しっかりペースを作れば大丈夫。


尾根に辿り着き、唐突に現れる”深田久弥終焉の地”。
やや拍子抜けするぐらいあっさりとしたものだが、性格上は記念碑でもないし、あまり仰々しいのも品が無いので、これぐらいが丁度良い塩梅だろう。故人を偲び、しばしの黙祷。

“深田久弥終焉の地”を過ぎたら、山頂まではあと少し。
山頂よりも手前に富士山のビューポイントがあり、最後の一押しをしてくれる。

▲ 別ウィンドウで全天球写真を表示します

茅ヶ岳 山頂

12時半に山頂到着。聞いていた通り、360度の大パノラマが待っていた。
富士山は言うに及ばず、南アルプス、甲斐駒ケ岳、金峰山 に瑞牆山。”ニセヤツ”という若干不名誉な名の由来となった八ヶ岳も勿論見える。

▲ 別ウィンドウで全天球写真を表示します
▲ 別ウィンドウでパノラマ写真を表示します

山頂は狭くもないが、富士山を眺めつつ他の登山客が写真撮影する場所を空けておこうと思うと、適当な候補地はそれほど多くない。我々が到着して間もなく、後から来たグループが盛大に酒盛りを始めたので、少し距離を取った岩場の陰に荷物を下ろして昼食の準備を開始する。
風は穏やかで陽射しも十分だったけど、それでも今時季は動いていないと徐々に身体が冷える。ウインドブレーカーを1枚羽織って、カップ麺が出来上がるのをジッと待った。

金ヶ岳を諦めて下山

1時間ほど滞在して、一通り写真に収めてから山頂を出発。
当初の計画では、ここから金ヶ岳に向かい、明野ふれあいの里 に下りる予定だった。しかし、既に脚が攣っていたK君の体力面での不安と、茅ヶ岳山頂での十分な取れ高、そして遠方から参加しているメンバーが居る関係で諦めていた帰りの温泉を復活させることを鑑み、プランを変更してそのまま深田記念公園に戻ることにした。
スタートが遅かったこともあって早い日没までそう余裕も無いし、K君の初めての山行、そして我々にとっても年内最後の山行で無理をする必要も無い。

上りで選ばなかった、地図上で特に何もポイントが無い西回りのコースで下山を開始。
こちらは東回りのコースよりも道が広くて歩き易いが、延々と下り(上り)続ける緩急の無さが精神的にキツく、どちらが良いかは一長一短という印象。まぁ、下りに使えばタイムは稼ぎ易いかな。
ただ、この山を選ぶ以上は”深田久弥終焉の地”を避ける理由が無いはずなので、とりあえず最初は東回りのコースを選んでおく方が無難だろう。

15時に深田記念公園帰着。
林道の時点でタクシーを呼んでおいたので、時間のロス無しで韮崎駅に向かうことが出来た。

勝沼ぶどう郷 天空の湯

今回も駅前の NICORI でお土産の信玄餅を買い、勝沼ぶどう郷の 天空の湯 で汗を流して終了。
来年には関西出張中のメンバーも復帰するし、待望の新メンバーも加入して上々の形で山納めとなった。
年明けの山行は未定だが、多分2月中には個人的な山初めを計画したいと考えている。

DATA

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