夢の吊り橋、南アルプスあぷとライン

南アルプスあぷとライン

9時半には宿に戻り、車で千頭駅へ。
擦れ違えない細い道を戻ることになるが、土曜日の午前中ということもあり、昨日より対面する車は少なかった。

10時過ぎに千頭駅に着いて、道の駅の駐車場に車を停める。
昨日は大井川鐡道の終点として訪れた千頭駅だが、今日は 南アルプスあぷとライン の出発駅となる。
当初は時間の読めない夢の吊り橋に余裕を見て、12時半のあぷとラインに乗る予定になっていたが、吊り橋が空いていてかなり短縮されたため、11時丁度の路線バス (閑蔵線) に乗るという選択肢が出来た。

目的地の奥大井湖上駅まで、12時半のあぷとラインだと1時半の到着となるのに対して、11時の路線バスだと11時半には到着出来ることになる。(乗車時間自体も路線バスの方が短い)
あぷとラインで駅に着いた場合でも、ビューポイントのバス停近くまで往復するつもりだったので、最初からビューポイントに下車出来る路線バスは渡りに船だった。

路線バスは20分ちょっとの乗車時間に対して670円と割高だが、そもそも乗客がかなり少ないようで、我々が乗った便では、他に1人しか居なかった。とても採算が取れているとは言い難い。維持してくれているだけでも有難いと思うべきなのだろう。

奥大井湖上駅

奥大井湖上バス停で下車。
バス停は駅より高い場所にあるため、ここから駅までは20分程度歩くことになる。バス停の少し先にトンネル、そしてその右脇に駅に下りる道がある。
「レインボーブリッジ」と書かれた目立つ案内板も設置されているし、分岐した先も広い舗装路なので迷うことは無いだろう。

分岐した道に入って間も無く、奥大井湖上駅を見下ろせるビューポイントが現れる。
エメラルドグリーンに広がる湖面に張り出した斜面に、あぷとラインの鉄橋が架かっている。事前にアド街なんかで見ていたんだけど、やはり実際は想像以上にダイナミックな光景だ。

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舗装路を更に進むと、「湖上遊歩道 レインボーブリッジ」と書かれた看板があり、そこから山道を下るようになる。
山道と言っても足元は踏み固められてしっかりしており、手摺なども豊富に設置されている。鉄橋まで分岐は1つしか無く、ちゃんと案内が出ているので迷う心配も無い。子供を背負っていても、スニーカー程度で十分歩くことが出来た。

最後に少しばかりの鉄階段を下りると、いよいよレインボーブリッジに到着する。
湖面からの高さは夢の吊り橋の比ではないが、こちらは揺れもしないし手摺もあるので、高所恐怖症でも難なく通行が可能だ。(列車が通るのだから当然だけど)

線路を歩けるわけじゃないけど、線路に触れられそうなぐらいの真横を歩くことが出来て、気分は完全に『スタンド・バイ・ミー』である。これは凄い。とにかく凄い。
ちなみに歩いて対岸まで渡れるのは、1つ先の接阻峡温泉方面のみで、手前の千頭駅方面からは渡ることが出来ないので要注意。

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奥大井湖上駅は通常観光客の利用しか見込まれておらず、当然のように無人駅で改札すら無い。
ホームにはベンチが置かれた待合所と、「Happy Happy Bell 風の忘れもの」というベル、そして「愛の鍵箱」と呼ばれるオブジェが設置されている。「愛の鍵箱」は一時流行った南京錠を掛けるタイプのもので、以前は「愛の恋錠」という専用品が販売されていたこともあるらしい。

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駅の裏手にはレイクコテージ奥大井という施設があり、通年で利用可能。
コテージはしっかりとした造りで綺麗に管理されているが、駅と同様無人で自動販売機等も無く、待避所、もしくは木陰の多少涼しい待合所といった雰囲気だ。

奥大井湖上駅 → 千頭駅

13時過ぎのあぷとラインに乗り、千頭駅に戻る。
先客の姿は無かったので、奥大井湖上駅から乗り込んだ約10人が乗客のすべてだった。客車は小さいが最大7両編成で席数には余裕があり、1グループで1車両を占有出来て快適。特に先頭の客車は窓が大きく、特に展望を楽しめるようになっている。(いつもそうなのかは不明)

席に着くと普通の列車と大差無いトーマス号に比べ、あぷとラインは乗車中のアトラクション性が高い。我が子は昨日より明らかにテンションが高く、トンネルに入る度に大喜びしていた。