久礼大正町市場
メジカ横丁
9時半過ぎに市場のメインストリートである「メジカ横丁」。50mぐらいの長さで、簡易的なアーケードのようになっている。


メジカは漁の状況によって提供が左右ため、Webサイト および休憩所のモニターでその日の入荷状況を確認出来るようになっている。横丁内の店は4つあり、いずれも物置サイズの小さな小屋で捌いて提供するのみで、店内で食べられるようにはなっていない。

4つの店はそれぞれ決められた場所に待機列が作られていて、特定の店に偏っている感じは無さそう。Googleマップも各店個別ではなく横丁全体のレビューしか掲載されていないので、どの店に並んでも大きな違いは無いと判断。今回は一番奥の幸進丸に並ぶことにした。


我々の前に並んでいたのは10人程で、これならそこまで時間は掛からないだろうと踏んでいたんだけど、10時の開店以降もなかなか進まない。注文してから捌いてもらう方式で、1人が何匹も注文するため、恐ろしいまでに回転が悪い。
1匹1匹を捌くスピードは見事なものだし、朝に穫れたものを現地で提供するという形態である以上、これはもう仕方が無いところだろう。

注文
並び始めてから1時間ちょっと経って、ようやく我々の順番が回ってきた。この日提供しているのはメジカ (ソウダガツオ)・スマガツオ・ホシガツオの3種類。新子としてのサイズはほぼ同じ。いずれも食べたことが無いものなので、メジカを3尾、スマガツオを2尾、ホシガツオを1尾注文。
それぞれ幾らなのか出ていないのである程度は覚悟していたけど、計6尾で3,300円だった。
まだまだ並んでいる人も多いので、最低限のやり取りになると想像していたら、おばちゃんは手は休まず動かし続けながらも、積極的にトークを展開してくれる。
カツオを刺身やタタキで提供する場合、血合いも含む状態が一般的だが、新子では味が落ちるので取ってしまうらしい。ただでさえ小さい魚体なのに、血合いまで取るとなると、歩留まりの悪さは言うまでもない。



実食
新子のパックを受け取って、早速近くの無料休憩所で食べ比べ。
それぞれに添えてあるのは “すだち” や “かぼす” ではなく “仏手柑 (ブッシュカン)” というもの。四万十の特産物らしい。上に掛かっている黄緑の粒も、仏手柑を擦り下ろしたものだ。

メジカは生レバーや水タコのようにねっとりとした舌触りが特徴で、血合いを間引いているお陰なのか、生臭さをほとんど感じない。今までに食べたどの魚とも違っていて、これはクセになる。
スマガツオはねっとり感が少なく、強いて言えばハマチっぽい。ホシガツオも同様だが、スマガツオよりも瑞々しい弾力がある。
どれを好むかは人それぞれだが、やはり一番個性的かつここまで来て食べる意味があるのはメジカで間違い無い。仏手柑も他の柑橘類より酸味や苦味が尖っておらず、カツオの味わいを消さずに寄り添ってくれる、優しいアクセントとして一役買っている。


ちなみに市場はメジカ以外にも海鮮を堪能出来る店が幾つかあるが、全体的に観光地価格になっておらず、とてもリーズナブルに提供されている印象。メジカは漁の状況によって食べられない日もあるようなので、そういった場合でも安価に海鮮を楽しめるのは嬉しい限り。


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