▲ 念願の桃源郷 – 蜂城山 (738m)

一昨年 中途半端な状態でしか見られなかった桃源郷を見るため、すっかりお馴染になりつつある勝沼に行ってきた。今回は近所の公園の桃が満開になって数日経っているので、これなら大丈夫だろうと満を持してのセッティングである。

ところが、このところ天気が不安定で、行こうと決めていた土曜日の予報も前日までイマイチな状態。諦め半分でスケジュールを組んで、前日まで待機。
前日になって、勝沼の予報が土曜日だけ「曇り時々晴れ」に変わったので、これなら快晴までは望めなくても、とりあえず雨には降られずに済むだろうということで決行。

勝沼ぶどう郷

当日朝の都内は雲の多い空模様。勝沼もこれぐらいなら問題無さそう。7時半の電車に乗って、総武線で三鷹に向かう。
吉祥寺~三鷹は1駅なので、すぐに乗り換えと思っていたら、朝方に人身事故があったらしく、総武線・中央線共にダイヤ乱れが発生。三鷹駅を目前にして10分近く止まってしまった。

三鷹で乗り換える中央特快も同じ影響で遅れ、高尾からの中央本線は中央特快を待っての出発であるため、多少の遅れは生じたものの、予定通りの乗り継ぎで勝沼に向かうことが出来た。

勝沼の天気は素晴らしい快晴。
直近の予報で昼前後は晴れると出ていたので、それなりに期待していたけど、10時前の時点でこれだけスカッと晴れていることまでは想像していなかった。
若干寒いと言われていた気温も、日差しのお蔭でむしろ暖かいぐらいの陽気。

目指す釈迦堂PAまでは、歩くと1時間ぐらいの道程。
タクシーを拾うか歩いて向かうかは現地で決めることにしていたけど、これなら歩いてもいいだろういうことで、写真を撮りつつダラダラ歩いていくことに。
駅前の桜はさすがに散ってしまっていたけど、あちこちでチューリップやタンポポ、木蓮にハナミズキといった季節の花々が出迎えてくれた。

釈迦堂PA

11時過ぎに、ひとまずの目的地である釈迦堂PAに到着。
一昨年はつぼみばかりで然したる印象も無かった一帯が、見事な桃色に染め上げられていた。
高速道路を潜って高台に出た辺りで、西側に広がる盆地にピンクで彩られたエリアがぽつぽつ見えていて、でもまさかあれが全部桃ってことは無いよなぁと思いながら歩いていが、この状態を目の当たりにすると、あの光景もすべて桃だったんだと確信するに至った。

蜂城山

今日のゴールはこの先の蜂城山なので、とりあえず桃のジュースだけ飲んで再出発。釈迦堂以降は常に桃園を横目に見ながらの車道歩きとなる。
この週末は丁度桃の人工受粉を行うタイミングだったらしく、農家の人が先に授粉用の房を付けた棒で作業している様子を見ることが出来た。

釈迦堂から15分ほどで「蜂城山登山道」と書かれた案内板を発見。
ここから先は勾配の緩やかな舗装路を少しずつ登って行くのだけど、もう右も左も後ろも前も、とにかく桃だらけ。まさに “桃源郷” と呼ぶに相応しい光景が広がっている。

間もなく右手に「蜂城天神社」と書かれた灯篭と、「蜂城山天神社参道」と書かれた石碑が現れ、その先に猪避けの柵が見えてくる。

登山道 (蜂城山天神社参道)

勝沼の駅から休憩を挟みつつのんびり歩いて、約2時間でやっと登山道がスタート。登山道は灯篭などに書かれている通り、山頂の神社への参道を兼ねているため、整備状況は非常に良好で、乾いていればスニーカーでも問題無いぐらいに歩き易い。全体的に明るく開放的ながら、展望は今ひとつ。

登山道では木に空き缶がぶら下げられている光景を頻繁に目にする。何のためのものかイマイチ分からなかったが、どうやら夏に催される天神祭に使うらしい。定期的に新しい完に入れ替えたりはしていないようで、結構懐かしい缶も幾つかあった。
個人的に一番懐かしかったのは、古いアクエリアスの缶。こうして見るまで、こういう缶だったことはすっかり忘れてしまっていた。

登山口から20分強で笛吹市の指定文化財・天然記念物である、蜂城山ヤマボウシの大木に到着。大木と言っても、この辺りにはゴロゴロ生えている程度の大きさなのだが、ヤマボウシとしてはかなり大きいものらしい。