▲ 紅葉&新エリア開拓 – 金峰山 1日目 (2,599m)

金峰山小屋

3人と少し話してから別れを告げて、自分はひとまず金峰山小屋に向かうことにする。
分岐と山頂と小屋は三角状の位置関係にあり、小屋からも直接山頂にアクセス出来る。小屋までは傾斜の少ないなだらかな巻き道を歩くだけなので、分岐から15分も掛からない。

14時20分、金峰山小屋 に到着。天辺に石が積まれた巨岩が小屋の目印。宿泊所の他に炊事場とトイレがそれぞれ独立して建っている。20年ぐらい前に立て直されたそうだが、人気の小屋だけあってとても綺麗。
人懐っこいラブラドールレトリバーのゆずひこ君が静かに迎えてくれるので癒される。(「写真は撮らないで」と貼り紙があったので、会いたい人は現地へ!)

受付を済ませて2階の就寝スペースに向かうと、先客は1人だけだった。先客は仮眠中だったので手早く荷物を下ろし、防寒着とカメラだけ持って1階へ。
小屋ではauの電波が通じているので、天気予報を確認すると、昨日よりも悪化して曇り後雨の予報に変わっていた。午後からの降水確率は80%。小屋の方からも「明日は天気悪いよ」と情報を貰い、明日の計画をどうするかは後で再考。

金峰山 山頂

身軽になったので、心機一転して山頂を目指す。指導標には「山頂まで20分」と書かれている。
見上げる山頂はそれなりに遠く、本当に20分?と思ったりもするが、ほとんど一直線に登る道なので、概ねその通りの時間で山頂に辿り着いた。

山頂はやはり暴風と呼ぶような激しい状況で、ダウンを着込んでいても相当寒い。岩によじ登って南側を見下ろすと、眼下の木々に樹氷が出来ていた。見渡しても積雪は一切無いので、風だけでここまで冷えたのだろう。
分岐で会った人達は「何も見えない」と言っていたが、このタイミングでは雪を纏った富士山、南北アルプスまでがはっきりと見える。1時間前までは展望を諦めるしかなかった状況だけに、思わぬご褒美に感動した。

西側には五丈岩という、不自然なぐらい整った巨岩が鎮座している。下にある鳥居とのサイズ差を見れば、どれぐらい大きいかが分かるだろうか。
実は登ることも出来るのだけど、ご神体 (ご本尊?) のようなので俺は登らないでおく。

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金峰山小屋の夕食

小屋に戻り、17時からの夕食を待つ。
宿泊客も30人近くに増えて、1階も2階も大分賑やかになりつつある。比較的高齢のご夫婦組、若い4~6人ぐらいのパーティーといった人達が多く、単独は自分の他に2人ぐらいのようだ。

17時になったので、待ちに待った夕食。
チキンソテー、葉物のサラダ、パスタサラダ、野菜スープ、白飯、そしてメロン。ここまで完全な洋食というのも、なかなか珍しい。何とワインまで付く。
食事中、食後にも何組かが到着し、予約無しのパーティーも居たようだ。15時までに到着することが推奨されているところを17~18時という状態なので、さすがに小屋の人からも「遅過ぎる」と釘を刺されていた。外はもう真っ暗だしね…

食後にシメイ (ベルギービール) をワイングラス1杯500円でお分けしますとアナウンスがあったが、そういうイベントがあることを知らずに缶ビール等を買ってしまっていた人も多く、若干の割高感もあってお客さんの反応は様々。
先に特定のグループ内で別メニューとシメイが振る舞われていたことから、一般客にはお裾分けという感じなんだろうなと推測。
明日どうするかという重要な判断が残っていたため、自分は飲まずにお膳を下げる。

明日の予定変更

あとは夕食で隣席だったご夫婦からおつまみを頂いて談笑したり、甲武信ヶ岳までのルートを歩いた経験がある方に明日の予定について相談したり、それなりに楽しみながら情報収集に勤しむ。

雨の予報は覆りそうにないので、何時ぐらいから降り始めるのかという点と、むしろ治まるどころか強まるばかりの風の方が問題と言えば問題。もし明日も強風のままだとしたら、とても稜線を歩き続けることは出来そうにない。9時間強の長丁場に加えて、エスケープルートが少な過ぎることも不安材料だ。

諸々の要素を鑑みた結果、明日の予定を変更してそのまま下山することにした。幸いにしてauの電波が繋がるため、甲武信小屋に連絡してキャンセルを伝える。
ここまで来ての断念は名残惜しいけど、ギャンブルをしに来たわけではないので、現状考えられる選択肢として、これ以外に正解は無いと思われる。

そうと決まればあとは歯を磨いて、明日に向けての荷造りを終えれば1日が終了。
元々は5時前に出発する予定だったけど、下山するだけならそこまでの早発ちも必要無いし、5時にアラーム (バイブのみ) をセットして布団に潜り込む。小屋は20時に消灯だが、1階では従業員グループが宴会を続けているようだ。

近くに鼾が激しい人は居ないようなので、マスクだけ装着して就寝。
2日目 に続きます。

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