▲ 房総最西端 – 大山 (193.6m)

会社のイベントで館山に向かうことに。
房総半島は 3年前の正月に行った鋸山 までしか下ったことが無く、あとは 養老渓谷 に数回。そう言えば、久留里線で亀山ダムに行く というニッチな企画もあった。もう10年前か…
今回は横浜スタートなので、東京湾アクアラインと 海ほたる を初めて利用、そして10人乗りのハイエースを初めて運転という、個人的になかなか貴重な体験になった。

で、館山と言えば海沿いなのだが、名前に「山」と付く以上、どんな形にせよ山がある。宿泊先に着いて砂浜に出て、振り返ると一応山っぽいものが見えていた。
調べてみると、大山という素っ気無い名前の地味な山ながら、一応幾つか登山道っぽいものがあり、登ろうと思えば登れることが判明。
事前に計画していなかったので装備も情報も無いけど、200mぐらいならスニーカーでも何とかなる。翌朝は8時半の朝食まで自由行動なので、早起き出来たら登ってみることにする。

登山口探し

翌日は朝6時に起床。
前の晩に卓球で盛り上がったため、微妙にダルい身体をコーヒーで覚醒させて宿を出る。

大山は半島の先端にあり、北~西~南の三方を海に囲まれている。
どうやら一番メジャーなのは北側からアクセスするルートらしいのだが、宿は大山の南東にあり、この時間から北側に回り込んでいると朝食に間に合わない。

南西~南東には登山道なのか管理用の作業道なのか分からない道が無数に枝分かれしていて、こちらから登ったという情報はほとんで出て来なかった。
その中で、宿から最寄りと思しき場所から登ったという人のブログを発見し、これなら何とか大丈夫そうということで出発地点に決定。ただ、国土地理院の地図で見る限り、道が途中で途切れているのが気になるが…

車で近くまで行き、民家の裏手にあるらしい登山口 (というほど大層なものがあるとも思えないけど) を探す。
どうにも確証が得られなかったので、偶々シャッターを開けていた理容室のご主人に尋ねると、かなり怪訝な顔をしながら、そこの民家の脇道がそうだと教えてくれた。
まぁ、こんな時間に何があるのか分からないようなマイナ―な山に、道が繋がってるかも怪しい場所から入ろうというのだから、そりゃ怪訝な顔もされるだろう。しかもスニーカーに短パンという、やる気があるのかさえ疑わしい格好だし。

民家の脇から突入

さて、教えてもらった登山口だが、これは知らなきゃ怖くて踏み込めない感じ。
意を決して入ってみると、思ったよりしっかりした道が付いていて歩きづらくはないんだけど、前日の雨で全体的に泥濘化しているため、スニーカーでは心許無い。
しっかりしているとは言っても、基本的に草木が生い茂る細い道なので、枝やら蜘蛛の巣やらを払い除けるのが結構大変な状況。

しばらく登ると背丈の何倍かあるような細い竹藪になって鬱陶しさは緩和されるものの、足元が悪い中で中腰を強制される区間が続くので、フラストレーションは溜まる一方。

長い竹藪を過ぎると、マテバシイに覆われた岩混じりの道となり、ようやく登山っぽい雰囲気。
アップダウンはそこそこあって、しかも基本的に泥だらけなので、特に下りは大変なことになりそう。
地理院地図で恐らく線が途切れていたであろう区間も、道は明瞭で迷う事は無く、ただひたすら展望の無いスリッピーなコースを黙々と歩くという、これはこれでなかなかの苦行。
そう言えば、所々でボコボコと人が入れるぐらいの穴が空いていたけど、あれは何だろう。北側のコースには塹壕跡や高射砲跡があったりするらしいので、何か関係するものだろうか。

山頂の手前に荒廃した小屋の跡。
毛布らしきものも見えるので、かつてはここで寝泊まりしていた人が居るらしい。

大山 山頂

登山口から45分で山頂に到着。
ブログ等では刈り払われた見晴らしの良い写真がアップされていたのだが、今回のタイミングでは腰上ぐらいまで草が茂っていて、残念ながら展望は微妙な感じ。申し訳程度に小さな脚立が置かれていて、それに乗れば幾らかマシだけど…
どちらにしても茫とした曇天で、目を凝らしてようやく周囲の湾が薄っすら見える程度。
ちなみにだが、一応一等三角点はある。


朝食までの残り時間がシビアになりつつあるので、10分程の滞在で山頂を後にする。
ドロドロの登山道は下りでキツいだろうと覚悟していたが、それでも2回ほど足を取られて、替えを持って来ていないズボンのお尻が泥だらけという悲惨な状態。
何とか怪我だけは免れつつ下山して、宿に戻ったら部屋のシャワーでズボンを手洗い。速乾系の生地だったので、備え付けのドライヤーで比較的楽に乾燥出来たのが不幸中の幸いだった。

苦労に見合うものとは言えないが、こんな機会でもないと登らない山なのは確かなので、とりあえずピークハントを達成出来ただけでも良しとしておこう。

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