Smokehouse Products|Mimi Moto Pellet Cook Stove

付属物

チャンバーハンドル

本体にチャンバーを出し入れするための専用ハンドル。チャンバーを引っ掛けた際のホールド感は上々で、うっかり落下させてしまうような心配は少ない。

USBケーブル

家庭用においては絶滅危惧種となりつつあるUSB Type-B。本製品はモバイルバッテリーやソーラーパネルからの充電にも対応しているが、Type-Bケーブルを持って行かないと活用出来ないので注意したい。

説明書

元々付属していたと思われる英語版の他に、日本語版が追加されている。内容はどちらも同じだが、日本語版は製品アップデートに追従出来ておらず、一部の記載が古いままとなっている。

10ページ程度の冊子で、大まかには「各部の名称」、「脚と五徳の取り付け方法」、「使い方」、「諸注意」といった構成。

保証書

輸入販売元である 株式会社アスク によるもので、保証期間は購入日から12ヶ月。

使用方法

1. チャンバーを取り出してペレットを充填

チャンバー内に「MAX」の表示があり、ここを越えてしまうと送風口が塞がって二次燃焼が発生しなくなってしまう。

2. 充填したペレットに着火剤をセット

着火剤の種類は特に指定されていないが、自分の場合はジェルタイプの着火剤を使用している。

3. 着火
4. ダイヤルを回して送風を開始

送風ファンのダイヤルを「1」にしてスタート。

5. 火加減を確認しながら風量を調整

二次燃焼が始まったら、以降はダイヤルを「3」「4」ぐらいでキープする。
…と説明書にはあるんだけど、自分の場合、「1」のままでも十分な火力を維持出来ている。熾火ぐらいに弱まったら「3」「4」にすることである程度火力を持ち直せるので、そういう運用が基本になりそう。

ちょっとややこしい仕様なのだが、ダイヤルは「OFF」「無印」「MAX」という刻みになっていて、効率的な燃焼には「MAX」は過剰かつ逆効果なので推奨されておらず、バッテリー寿命を縮める恐れがあると説明書に記載されている。

使用感など

火熾し

メカニカルなギミックは送風ファンのダイヤルだけなので、使用時の操作は非常にシンプル。取り出してから1~2分もあれば着火状態に持って行けるし、そこから3分程度で二次燃焼がスタートする。
焚き火も慣れさえすればそんなに手間取ることは無いが、誰でも簡単にという点ではペレットストーブに軍配が上がると思う。

▲ 音声はありません

燃焼時間

カタログスペックでは1チャンバーあたりの燃焼時間は最大90分となっているが、これはペレットが燃焼している総時間と考えた方が良い。火柱が上がるぐらい二次燃焼がガンガン起きている時間は、凡そ30~40分程度。
それを過ぎると一気に火力が落ちるものの、ダイヤルを強めにすることである程度持ち直す。それでも小チャンバーだと頼りないが、大チャンバーなら暖を取れる程度の熱量は長く維持出来る。

▲ 音声はありません

ちなみに説明書ではやらないよう注意書きがあるが、燃焼中にペレットを継ぎ足すことで高火力での燃焼時間を延長することは一応可能。完全に熾火になってからや、一度に多く投入すると逆に燃焼が止まってしまうので、調整は意外と難しい。

調理

上記の通り、最大火力としての1単位は30~40分。以降は熾火としてある程度の熱量は維持されるものの、調理用火力としてはかなり低くなる。
焚き火と違って火力の安定性は高い反面、細かな燃料追加が行えないため、火力の配分は多少考える必要が出てくる。この辺は一長一短。
自分の感覚としては、小チャンバーの最大時火力は調理向き、熾火状態だと保温向き。大チャンバーの最大火力時は大量の湯沸かし、熾火状態だと調理向きといったところ。

また、本製品は脂や魚介の汁で汚れることが好ましくないし、炎の範囲がチャンバー上部に集中するため、網焼きバーベキューといったスタイルは難しい。

ちなみに我が家で使うことが多い 鉄板マルチグリドル は、五徳にそのまま置くことが出来るものの、綺麗にハマるわけではないので若干安定感に欠ける。UNIFLAMEの焚き火鍋 (18cm) も五徳の内側に落ちてチャンバーを塞いでしまうため、頑丈な焼き網的なものを挟むのが良さそうだ。

雰囲気

薪の爆ぜる音や炎の変化といった情感に訴えるエモーショナルな部分は、やはり焚き火には敵わない。火持ちの良い薪でのんびり長い夜を過ごすといった使い方にも不向き。

安全性

ペレットストーブは火の粉がほぼ舞わないので、人 (&被服) やテント、タープ、車へのダメージを焚き火ほど気にしなくて良くなる。これはサイト内のレイアウト自由度が大幅に向上することを意味していて、更に言えば比較的小さめのサイトでも設営が可能になるということでもある。

また、通常は炎が真上にしか上がらず、後述のヒーターだと真横になる構造上、顔が炎に晒されることが少ない。後になって顔がチリチリするといったことが無いのは地味に嬉しい。特徴的な焚き火臭もほとんど無し。
(下の写真はヒーター装着状態でのMAX火力時。ここまで高火力になると、横方向にも火柱が延びる)

燃料の調達

東京都内で木質ペレットを店頭購入出来る場所はやや限定されていて、薪 (特に広葉樹) と大差無い。首都圏周辺でキャンプ場があるようなエリアのホームセンターなら、品種を選ばなければ薪の調達は可能だが、木質ペレットは取り扱いの有無はバラつく可能性がある。キャンプ場で木質ペレットを調達出来ることはほぼ無いことも考えると、入手性という点では薪が勝っている。
ただし、高品質な広葉樹の薪に限定すると事情が逆転するし、我が家は自宅近くに木質ペレットを販売するホームセンターが存在するため、ペレットでも特に問題は無い。

ランニングコスト

コーナンの猫砂 が10kg 600円台で購入出来る。我が家では1回のキャンプで2~3kg程度の消費量なので、200円を切る驚きのローコストを実現している。日本の認証制度である「JPAペレット認証」を取得したものを利用するとなると、価格自体は幅があるものの基本的に送料が必要となり、さすがに猫砂ほどのコスパは無くなる。それでも広葉樹の薪を購入しようとすると似たような状況になるので、基本的に木質ペレットの方がローコストというのは確実のようだ。

後片付け、メンテナンス

この点は圧倒的に本製品が勝っている。木質ペレットの特性として灰が非常に少なく、2kgぐらい燃やしても紙コップ半分程度しか残らない。網焼き等をしなければストーブ本体の汚れもほとんど無く、チャンバーを軽く濯ぐだけで片付けが完了する。

下の写真は5時間連続で燃焼させた後の灰。完全に燃焼し切れば右下のような粉上になる。送風を停止して燃焼をストップすると、左側のように固形で残る。

唯一、充電という作業が発生するものの、他にもLEDランタン等を充電しているので特別な手間というほどでもない。ただ、本製品のスイッチはかなり回し易い (回り易い) ため、思わぬところで勝手にスイッチがONになっている恐れがある。帰宅時ならまだしも、キャンプ前日に充電して積み込む際に回ってしまっていたりすると大ダメージを被るので、もう少し固めのスイッチにして欲しかった。

ちなみにペレットストーブに限った話ではないが、ペレットストーブでも煤はそれなりに発生する。直接火が当たる調理器具や後述するヒーター等は真っ黒になるので、綺麗に保つなら洗ったり拭ったりが必要。


焚き火の上位互換という存在ではないので、キャンプ毎にスタイルと合致する方を採用することで、より幅広いシチュエーションに対応することが出来るだろう。

3件のコメント

猫砂のペレットを使われているとのことですが、燃やした時の匂いはどんな感じでしょうか。

連投すみません。
二次燃焼中以外での煙って、どれぐらい出るものでしょうか。

記事に載せているコーナンの猫砂に関しては、松なので松の香りはしますが、気になるような匂いは全くありませんでした。
また、香りを感じるのは主に着火直後で、二次燃焼が始まって以降はほとんど感じません。

二次燃焼前は若干煙が出ますが、薪を燃やした時に比べるとかなり控えめです。あとはペレットを途中追加し過ぎて火勢が落ちてしまった場合 (不完全燃焼状態) も煙が出ますが、これは追加する量を加減することで抑止出来るので気にしなくて良さそうです。

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