NTTインターコミュニケーション・センター 『キミ( ).コード( ).セカイ( )』

ギャラリーB 『ICC アニュアル 2024 とても近い遠さ』

ギャラリーB、およびその先のラウンジ・イースト、ラウンジ・ウェストは有料ゾーン。

特別展概要から一部抜粋

現在では,高速大容量通信環境や現実拡張技術の発展によって,私たちのリアリティのあり方や捉え方にも変化が起こっています.情報はいつでも享受できる一方で,提供される情報のみで世界が構築されることにもなってしまいました.この時代の情報環境における,さまざまなリアリティの「遠さ」と「近さ」(とその変化)について,これからの集合的無意識を構成する要素について,私たちの日常の変化を反映した作品,日常がどのように変わるのかをとらえようとした作品など,それぞれが異なるアプローチによる作品から考えてみたいと思います.

どれもそれなりに面白くはあったんだけど、昔感じていた「何だかよく分からないけど面白く、理解出来ると更に面白い」という作品より、「理解出来て初めて面白い」という作品が増えた印象。今回の特別展がそういう方向性だったということなんだろうけど、全体的にメッセージ性が強く、受け手に咀嚼することを求める作品が多かった。

ちなみに昔から常設されている『 無響室 』と『 ジャグラー 』もレイアウトの関係上、ここに含まれる形になっている。

『無響室』は、自分が学生の頃だと1人ずつの予約制で、完全な無音の暗闇で自分の心音だけを聴くという衝撃的な作品だった。今は単にまったく反響しない部屋で音を流すだけになっていて、これはこれで無意味とまでは思わないものの、この作品の本質的なメッセージはスポイルされてしまっていると感じる。
自分の中ではICC=無響室というぐらいのものだったので、期間限定でも良いから予約制のかつての展示もやって欲しい。

『ジャグラー』は1時間に1回しか稼働しておらず、今回は折悪いタイミングだったので観覧出来ず。

ラウンジ・イースト 『Reportage !』 『聴こえない足音』 『The Focus』

葉山嶺さんの映像作品が流れ続ける展示。
ここだけ空調が切られていてモワッと暖かく、中央には人をダメにするソファ的なものが置かれている。

ラウンジ・ウェスト 『エマージェンシーズ!』

新進アーティストやクリエイターの最新作品やプロジェクトなどを紹介するコーナー。このタイミングではおおしまたくろうさんの耳型マイク装置「擬似耳 (ぎじじ)」を用いた『耳奏耳シリーズ』が展示されていた。いかにも実験的なアート作品といった感じで面白い。


我が家的には無料ゾーンの方が惹きが強く、有料ゾーンはザッと見る程度で、全体としては1時間半程度の観覧で終了。現在のICCは常設作品が少なく、時期によって大きく入れ替わりがあるようなので、今後も特別展の内容はチェックしておこうと思う。毎年夏休みのタイミングでキッズ・プログラムが催されるようだし、それに合わせて来るのが良さそうだ。