▲ 初の単独山小屋泊 – 丹沢山~蛭ヶ岳 (1,673m)

2日目 丹沢山~蛭ヶ岳

明け方4時に起床。大体いつもそうだけど、今回も自分が一番早かった。2日目もそこそこロングコースなので、日が出て暑くなる前に距離を稼ぎたい。

2人組に出発前に起こしてくれと頼まれていたので、片方を起こして1階に下りる。
管理人さんには前の晩にお弁当を作ってもらうことになっていたのだが、わざわざ早く起きて、出発直前に出来立てのものを用意してくれていた。飲み会で寝る時間も遅くなっていたのに、本当にありがとうございます!


4時半に山荘を出発。外はまだ暗く、ヘッドランプの明かりを頼りに夜道を歩く。
日の出は5時6分とのことで、少しずつ背後の空が茜色に染まり始める。聴こえるのは虫の音と鳥の囀り、あとは自分の足音だけ。
仲間内でテンション上げながら歩く夜明けも楽しいけど、それとは違った自然との一体感があって、これはこれで得難い貴重な体験。

アップダウンを幾度か繰り返し、蛭ヶ岳直前の要所 “鬼ヶ岩” に到着。急斜面の上に大きな岩が2つ並び、蛭ヶ岳側から見ると鬼の角に見えるのが由来らしい。全体的に難所らしい難所が無い今回のコースの中では、唯一多少スリリングなポイント。
上の写真の1・2枚目が上から、3枚目が下から見上げたところなんだけど、毎度ながら写真だとスケール感が伝わり難くて残念。

ちなみにここまでの1時間半の道程で、朝露により靴の中がグショグショ。長靴の中に水が入るとガッポガッポ音がするけど、正にあの状態。

蛭ヶ岳 山頂

丹沢山から2時間で蛭ヶ岳に到着。
山荘の外にご主人が出ていたので話を聞くと、こちらも客は1人だけだったようだ。
この時季の平日、この辺りを日帰りで回るような人はほとんど居ないはずなので、そうすると昨日登った丹沢山~蛭ヶ岳周辺での登山客は延べ10人にも満たない計算になる。そりゃ、そんな状況で裏口から登れば誰とも出くわさないはずだな…

山荘裏手の広場は真正面に富士山が鎮座する絶好のロケーションで、空には数え切れないほどの無数のツバメが滑空していた。今朝から虫が出ているので、それを狙って獲りに来ているらしい。

ベンチに座って靴を脱ぎ、靴下を絞って天日干しする。短時間では成果も芳しくないだろうが、朝食の間に少しでも乾いてくれることに期待。

朝食はみやま山荘で作ってもらったお弁当。開けてみると、ほぐした焼鮭をまぶした雑穀米と、生姜醤油で煮たさやいんげん。おにぎりなんかもベタでいいけど、こういうところで気が利いているのは心憎い。

蛭ヶ岳~丹沢山 (ピストン)~塔ノ岳

蛭ヶ岳から来た道をピストンで丹沢山まで戻り、塔ノ岳経由で鍋割山から下山する。
一昨年の1日目をほぼ逆走するコースで、今回は下りが多い分前回よりは楽だけど、距離も長いし2日目の疲れもある。何より1人なので油断は禁物。

土曜の週末ともなると登山客も幾らか増え、蛭ヶ岳~丹沢山間で5~6人、丹沢山以降はかなりの人と擦れ違った。
8時頃までは富士山も綺麗に見えていたのに、塔ノ岳手前頃にはすっぽり雲に覆われ、塔ノ岳山頂ではガスでほとんど何も見えなくなってしまった。自分は4時起きで尾根伝いを歩いていたから景色は十分堪能出来たけど、今日になって登ってきた人にとっては、ちょっと微妙な天候かもしれない。

塔ノ岳

塔ノ岳山頂付近では雄鹿がフィーバー。春は雌鹿ばかりだったので、これでイーブン。
それにしても、ノーステップで殴れるような距離で膝を折って座り込んでるとか、平和ボケにも程がある警戒感の無さである。敵が居ないって凄いことだなぁ。

大倉尾根

塔ノ岳からは鍋割山に向かう予定だったけど、このガスでは展望も得られそうにないので、大倉尾根で直接下山するプランに変更した。

大倉尾根は一昨年登るときに使ったけど、バカ尾根という俗称の通り、本当に上り一辺倒のキツいルートだった。中盤は変化にも乏しく、ドMの自分でも理由が無ければ遠慮したいコースの1つだ。
大倉までのバスの便が良いので、知らずに選択してしまう人も多いと思うが、上りには断然、ヤビツ峠からのコースの方が面白いし楽だと思う。
死にそうな顔をして登って来る人達に軽快な挨拶を投げ付けると、「声を出すのもツラいから話し掛けてくれるな」といった視線が返って来る。