鬼ヶ岳
十二ヶ岳を発って直後に急な鎖場の下りがある。
ここだけ北向きで日陰になっているため、前日が雨だと濡れている可能性があり、他の岩場よりも滑り易いので注意が必要。
また、ここから先は足元が低い笹で覆われているエリアが点在しており、道に迷う心配は無いのだが、地面の凹凸が見えずに躓き易いので、これも注意。
節刀ヶ岳
鬼ヶ岳に向かう前に、ちょっと裏手の節刀ヶ岳に寄り道する。十二ヶ岳から見たときに、山頂だけ赤く色付いているのが妙にカワイイ。
この山自体にそこまで特筆すべき点は無いのだけど、ここまでのルートとこれから先のルートを一望出来るという点で、余裕があれば是非とも立ち寄って欲しい山である。
上の写真は先程登った十二ヶ岳、右手には鬼ヶ岳が見える。
鬼ヶ岳 山頂
節刀ヶ岳への中継点である金山以降は、道がかなり穏やかになって歩き易い。
十二ヶ岳前後であまり時間を短縮出来ていなかったので、サクサク歩いていたらあっと言う間に鬼ヶ岳に着いてしまった。
本日の最高地点1,738m。山頂は大きな岩がゴロゴロしており、なるほどこれが “鬼” の由来だと納得。
鬼ヶ岳は名前の割に緩やかな山で、遠くから眺めたり、登っている間は “鬼っぽさ” があまり感じられない。どちらかと言えば、むしろ十二ヶ岳の方がその名に相応しい峻険さである。
ほぼ360度の展望で、西側には王岳、本栖湖や青木ヶ原樹海も見える。
富士山頂から見下ろす青木ヶ原は、遠過ぎてスケール感が分からなかったのだが、ここから見るとかなり広大な樹海であることが分かる。これは磁気がどうのこうのという前に、勝手も分からずに入れば絶対迷うだろう。
今回は全体でコースタイムを30分弱短縮する必要があったのだが、休憩時間を短くしたため、この時点で1時間ぐらい早く進んでおり、これなら最終より1本早いバスに乗ることも出来そうだ。
鍵掛峠経由で根場
鬼ヶ岳からは西湖西岸の根場という場所に下りる。
根場へは概ね2通りのルートがあって、1つは真南に下りて雪頭ヶ岳を経由するルート、もう1つは鍵掛峠から回り込んで下りるルートである。
参考タイム上は、前者の方が30分程度早く下山出来るようだ。
雪頭ヶ岳は “せっとうがたけ” と読み、先の節刀ヶ岳と同じなのが興味深い。
こちらはシーズンが合えば花が綺麗らしいのだが、今は時季でもないし、今回は結果的に時間の余裕が出来たので、大回りで鍵掛峠を経由して下りることにした。
鍵掛峠までは小石の混ざった細い山道を下りる。この小石はザラザラ滑り易く、疲労で注意力が低下していると結構足を滑らせるので注意。
この頃には陽が南西に傾き始めていたけど、適度な木陰のコースなので暑くも暗くもない。
鍵掛峠以降は岩稜から離れ、緩やかなスイッチバックの下りが続く。この辺りはブナやナラ、クリやスギといった具合に植生が色々変わるので飽きない。道幅が広くて1つ1つの直線が長いので、速度を出し易くて下山向きのコースと言える。
根場 (西湖いやしの里根場)
1時間弱で舗装路に合流、ここから15分程で根場に到着。
西湖いやしの里根場 として観光地化されており、唐突に茅葺き屋根の集落の裏手に出る。何となく、落ち武者にでもなったような気分である。山の情感は一気に失せるが、下山直後にうどんやらアイスやらにありつけるのは素敵。
ここからは行きに乗ったレトロバスが1時間置きに出ているので、予定より1便早いバスに乗って無事に下山完了。
開運の湯
今回は河口湖畔の 開運の湯 に立ち寄って露天風呂を堪能。残念ながら河口湖は見えないのだが、外湯のスペースが結構広くて開放的だし、湯温も程好い温さで長湯に向いている。
開運の湯から河口湖駅までは徒歩20分ぐらいなので、缶ビールを煽りつつGoogleマップのルートナビで道を調べたら、見事に「ここを通るの!?」というような細い路地を選びまくってくれた。
すっかり陽が落ちて暗い夜道を、廃屋が点々とあるルートで帰れと仰るGoogle先生。岩場や鎖場なんかより、この帰り道の方がよっぽどドキドキした・・・
今回のコースでは眼下に河口湖と西湖、遠くに山中湖と本栖湖を見ることが出来た。
もう少しで精進湖が見えて富士五湖コンプリートとなりそうなのだが、それには向かいにある足和田山の五湖台が適しているらしい。
今回の道程では、特に十二ヶ岳に関しては、初心者が登るには少しハードな印象。
ただ、そこまで危険が無い範囲である程度の技術習得が出来そうなので、岩場を登ってみたい人や脱ハイキングを目指したい人には十分オススメ出来る。
全体を通じて雰囲気が非常に良く、展望も申し分無いので、個人的に屈指の山である。
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