▲ 新年早々地獄詣で – 鋸山 (329m)

展望台

石切場跡を過ぎると多少勾配が急になり、一気に標高を稼いで展望台へ。
北西に東京湾、西に三浦半島、南西に相模灘、東には太平洋と、「展望台」の名に偽り無し。遠くまで雲が抜けていれば、多分富士山も見えたことだろう。

以降は眺めと人の少なさを両立出来そうなポイントが無いので、ここで昼食にする。
まずは定番のカップラーメンで暖を取り、続いてサンマの蒲焼きを加熱。いつもはおにぎりを組み合わせるところだが、今回は海の気分を出すために缶詰を選択した。
餅を焼く網に使えそうなものを探しながら登ってみたものの、残念ながらそれに使えそうなものを入手出来なかったので、餅は来年の正月まで延期。
蒲焼きはどう考えても美味しいだろうと思って買ってみたが、期待に違わぬ鉄板の味だった。冬の人が少ない山なら匂いを振りまいても気兼ねが無いので、缶詰シリーズは今後も挑戦したい。

上空はそれなりに風が強いらしく、40分の滞在の間に何度か青空を見ることが出来たし、とてもまだ前半とは思えないほどの充実振り。


展望台から下りて、再び石切場跡を通過。先程は少し離れた位置から覗き込むだけだったけど、今度は切り立った岩の間を通る。

次の目的地は「地獄のぞき」と呼ばれる崖の上からの絶景ポイントなのだが、道は下る一方でどんどん標高を下げていく。

分岐ごとにしっかり道標がされているので迷う心配は無いけど、しばらく進んで「地獄のぞき」と思しき崖を真上に見上げるようになっても、それを示す記載が一切出て来ないので、このコースで合っているのか若干不安になる。
とは言え、ここまでの分岐で他にそれらしき選択肢は無かったはずなので、覚悟を決めてひたすら下る。

展望台から20分ほど歩くと、重機が放置された広場に出た。
周囲は石切場跡の岩壁に囲まれていて、奥にステージのような高台があり、それを仰ぎ見るような形でベンチが設置されている。

それなりに朽ちていたので、今は使われていないものかと思っていたが、帰宅して調べてみると、どうやら最近までオーケストラに使われていたらしい。
向かって左手の壁には「安全第一」と刻まれているが、何故か「全」の字の冠が無い。


ステージを後にして間もなく、急な石畳の階段が出現。どうやらこれが「日本寺」に続いているらしい。
ここに来てようやく、地獄のぞきを示す手彫りの道標も登場した。コースを間違えていなかったのは一安心だが、目指すその地点はまだ遥か先のように見える。

日本寺

13時過ぎに 日本寺 に到着。
日本寺への出入口は5ヶ所あり、表参道・東口・大仏口は車で、西口は車とロープウェイでアクセスし易いように配置されている。我々が到着した北口は言わば裏口のようなポジションであり、登山客以外は使うことが無いので、ここから入る割合は低そうだ。
しかし、ロープウェイで上がれる西口から比較的近く、見所の1つである「百尺観音」があるため、それなりの人で賑わっていた。

地獄のぞき

目指す 地獄のぞき は、ここから石段を一気に登る。
間近で見上げるとかなりの高さに見えるのだが、実際に登ってみると案外簡単。北口からの標高差では100mぐらいなので、10分もあれば辿り着ける。

地獄のぞきの迫り出した岩場はあまり広くないので、人が少なくなるタイミングを計って先端に向かう。足元が遮られてあまり見えず、しっかりとした柵が取り付けられているので、下から見上げた時に想像していたよりは、意外と怖さを感じなかった。(十分怖いけど)

切り立った岩場なので風が強く、帽子を飛ばされそうになりながら景色を堪能。
この頃にはすっかり快晴となり、苦労に見合った素晴らしい眺めで疲れも吹き飛ぶ。