▲ 断崖の楽園再訪 – 乾徳山 (2,031m)

4年前 に友人と登った乾徳山。よく一緒に登っているもう1人が残念ながら参加出来ず、彼にとって悲願の山になっていた。(2日連続山行の2日目だったので、参加出来ない方がむしろ普通な気もする)
今年は折悪くその3人で山初めが出来ていなかったため、彼の悲願成就を期して乾徳山へ。

前回は確か、塩山駅から出ているバスの始発が8時10分だったはずなのだが、この4年の間にダイヤ改正があったようで、今回調べると8時30分に変更されていた。
全行程がそこそこ長く、帰りの終バスが17時前ということを考えると、出発が20分遅れることは最終的に思わぬ痛手になりかねない。しかし、帰りのバスは1時間近く遅い便が増えているので、結果的に前回より余裕が出来ている。(乾徳山帰りのバスは2社運行しており、前回は片方を見逃していた可能性もある)

山と高原地図のコースタイムを元にすると、山頂での昼食を30分、他に休止時間を設けない設定でもバスの最終便に10分届かない計算となる。前回はコースタイムから50分短縮出来ているので、多分この3人なら十分安全圏だが、アクシデントが発生する可能性もあるし、短縮前提のプランはなるべく避けたいところ。
基本的にはバスで帰ることを前提としつつ、最悪タクシー利用も頭に入れておくことにする。

JR 塩山駅 → 乾徳山登山口バス停

八王子駅のホームで合流して、中央本線で塩山駅に7時49分到着。
前回のバスがそれなりに混雑していたので1本早い電車にしたが、さすがにまだ列は出来ていない。それでも次の電車で大勢が押し寄せたため、1台では乗り切れない状態になった。

9時2分に乾徳山登山口のバス停に到着。我々の他に下車したのは10人ぐらい。西沢渓谷まで向かうバスなので、大半はそちらに向かうのかもしれない。
バス停付近はトイレやベンチなどがあり、登山客用にそこそこ整備されていて有り難い。今回も天候に恵まれて、今のところ雨が降る気配は感じられない。

乾徳山登山口

川沿いの緩やかな舗装路・林道を経て、9時40分に登山口からスタート。ここから1時間はあまり展望の無い道が続く。
傾斜はそこそこあるものの、ほとんど一定なので、ペースが定まればそれほどキツいこともない。

銀晶水と錦晶水

10時ジャスト、登り始めて20分、前回まさかの見逃しをしてしまった「銀晶水」。4年前は看板とか無かったような気がする。どう見ても新しいし。
チョロチョロ出ている程度なので特別感は薄いけど、一息入れるには丁度良いタイミング。

10時30分、銀晶水から30分ちょっとで「錦晶水」。この辺まで登ると木々の間隔が少し疎らになり、所々で背後の展望が得られるようになる。

「銀」と対を為すなら「金」では?とも思うのだが、そう単純な話ではないらしい。こちらは小さなコップなんかも置かれていて、銀晶水より幾らか水量が豊富。
ちなみにこの錦晶水、増えつつある鹿の糞による水質汚染が懸念されているそうで、気になる人は飲むのを避けた方が良いかもしれない。

国師ヶ原と扇平

錦晶水から間も無くの国師ヶ原十字路を跨ぎ、30分弱登ると扇平。
国師ヶ原前後は比較的歩き易く、正面に乾徳山山頂が望めるようになる気持ちの良いポイント。この辺は鹿が居るんだよねと思っていたら、早速遭遇。お出迎え、痛み入ります。

扇平に着くと背の低いススキの草原に変わり、前方の視界が一気に拓ける。
気分が良くなって、扇平の象徴である「月見岩」まで自然と足早になってしまうのだが、月見岩までの斜面は何気に急勾配で、しかもパッと見の印象よりも距離がある。気持ちが早って急ぎ過ぎると、地味に体力を削られるので落ち着いて登りたい。

▲ 別ウィンドウでパノラマ写真を表示します

11時に月見岩。個人的には山頂よりも、ここに到達した時の方が達成感が大きい。
家人謹製のカントリーマァム的な焼菓子でスタミナ回復を図る。旨い。

山頂手前の岩場

月見岩から若干の緩やかな上りを経て、いよいよ岩場エリアがスタート。
最初はちょっとした岩と木の根が入り混じる程度だが、ほどなくして巨岩の間を縫うように上るアスレチックコースへと変貌する。

扇平以降は一旦展望の無いエリアとなっていたが、巨岩エリアからは鎖場を1つを越える度に、目を見張る好展望が与えられるようになる。ただ、緊張感も相応に高まっていくので、あまり遠くばかりも見ていられない。

この辺りの雰囲気は、前回の記事 からリンクを貼っている動画を視てもらうと分かり易いかも。(画面が非常に揺れるので、遠目で凝視しないように観るのがオススメです)

▲ 別ウィンドウでパノラマ写真を表示します

途中、空を見上げると見事な虹が太陽を囲っていた。雨上がりでもないのに、こういう形で虹を目にすることになるとは…

何度かの鎖とハシゴを経て、いよいよ最後、鳳岩 (おおとりいわ) の長い鎖が登場。2回目なので気持ちの余裕はあったけど、やはりこの断崖はインパクト絶大である。