▲ 酷暑の丹沢主脈・主稜縦走 2日目 – 丹沢山・蛭ヶ岳・檜洞丸 (1,673m)

1日目 からの続き。

2日目は3時に起床。
隣のおじさんの鼾はなかなかの大音量だったけど、耳栓のお陰で何とか事なきを得た。周囲を起こさないように布団を畳み、1階に下りて身支度を始める。
外に出てみると、何となく想像は付いていたけど、生憎の雨模様。ただ、そこまで強く降っているわけではないので、とりあえずの行軍には影響無さそう。天気が良ければ4時頃から朝焼け、そして朝日が観られるはずなんだけど、さすがに望み薄か…

丹沢山を出発

4時少し前に山荘を出発。まずは 前回 と同様に丹沢最高峰の蛭ヶ岳を目指す。
さっき外に出て雨が降っていると思っていたら、出発時点では止んでいて雨具要らず。どこまで回復してくれるか分からないものの、雨が止んでくれただけでも有り難い。

空が白み始めると、厚く垂れ込めていた雲が徐々に散り始め、雲間から朝焼けが覗き始めた。日の出の瞬間までは高望みとしても、これはもしかするとそれなりに期待出来るかも…
逸る気持ちを抑えつつ、歩き易い緩やかなアップダウンの道を進む。この辺りはどちらを向いても好展望が得られる素晴らしい区間で、山頂の展望が少ない丹沢山を宿泊地に選んだのも、この区間で日の出を観たいというのが大きな理由。

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蛭ヶ岳、そして昨日は姿を隠していた富士山も満を持して登場。

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日の出の瞬間ではないけど、出発時点では諦めていた綺麗な朝焼け。
この時間は他の登山客もほとんど居らず、とにかく静かで山深い雰囲気が素晴らしい。

先っぽだけが朱に染まる富士の山容。
2,000mオーバーから見下ろす雲海とはまた違うものの、これはこれで趣のある景色だ。

鬼ヶ岩

不動ノ峰・棚沢ノ頭と緩やかなピークを越え、空がすっかり青くなる頃、この区間一番の特徴とも言える「鬼ヶ岩」に到達。蛭ヶ岳側から見たときに鬼の角に見える大岩が聳え、丹沢山~蛭ヶ岳間では唯一の岩場エリア。
ここでやることは勿論1つ、そう写真撮影。

蛭ヶ岳

丹沢山系、そしてこの2日間での最高地点である、蛭ヶ岳山頂に到着。
まだまだ雲は多いけど、天候は徐々に上向いているようなので心配は無さそう。
ちなみに前回、ここまでの間に笹に付いた朝露で靴がグシャグシャになる憂き目に遭った経験から、用心してスパッツを持ってきていたのだが、今の時季はそういったコンディションにはならなかった。

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蛭ヶ岳山荘 の裏手にある広々としたベンチでザックを下し、まずは待望の朝食。前回は鮭わっぱ飯、今回は牛丼!
今日のコースは体力勝負となるだけに、これは嬉しい栄養補給。

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蛭ヶ岳から檜洞丸に向けての下り

1時間ほどの大休止を経て、檜洞丸に向け、いよいよ未踏の丹沢主稜に突入。
この先はアップダウンが多いロングコースな上に、安易なエスケープルートも期待出来なくなる。それなりにハードであることは前情報として仕入れていたけど、いざ現地でこういった警告を目にすると、いやが上にも気が引き締まる。
確実な給水ポイントもほとんど無いので、山荘で水を購入し、2.5L満タンで出発。

蛭ヶ岳直下は鎖場を交えたゴツゴツとした岩場の長い下りが続く。
1,673mの蛭ヶ岳から1,601mの檜洞丸までの間に、一度1,344mの神ノ川乗越まで下る必要があるが、その大半をこの区間で一気に下るため、思わず「こんなに下って大丈夫?」という感じになる。

臼ヶ岳

穏やかなブナ林に囲まれた臼ヶ岳 (1,406m)。
山頂に関しては展望がほとんど無い代わりに、見事なブナの巨木が迎えてくれる。それほど特徴的ではないけど、この区間では貴重な一息入れられるポイントだ。


臼ヶ岳から少し下り、地図上では神ノ川乗越の近くに水場のマークがあるが、コース上ではそれらしい指導標などは見当たらない。
どうやら、そこそこ下ったところにあるらしいのだけど、この日はまだまだ先が長く、蛭ヶ岳で補充した水もまだたっぷり残っているので、今回は立ち寄らず進むことにする。

金山谷乗越を過ぎると、いよいよ檜洞丸に向けての上りが始まる。
高低差で言うと300m弱なので、数字だけ見ればそう大したことは無いのだが、ここに来て何よりキツいのが、この時間で早くも30度に迫りつつある気温。
檜洞丸に東側から取り付くこのルートは、丁度この時間帯の東からの太陽を背負う形となり、拭っても拭っても汗が滴り落ち、水も然ることながら、マメに塩分補給をしないと危ない。実際の気温以上に体力を削り取られていく過酷な状況である。

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