▲ 精神的にシンドい難コース – 両神山 (1,723m)

春先に登ろうとしていた山行スケジュールの折り合いが付かず延期していたため、入梅前に調整して3人で両神山に登ることに。伊弉諾・伊弉冉尊 (いざなぎ・いざなみのみこと) の二神を祀るために両神山と呼ばれているらしい。
先週は やまそら祭 で飯能に来ていたので、偶然だが2週続けて秩父に向かうことになった。

当日の天気予報は「曇り 後 晴れ」。
朝の時点でどんよりとした雲が一面を覆っていて、どの程度晴れ間に恵まれるかは未知数だが、前日の雨が早めに上がってくれたので、コースコンディションはそれほど心配無さそう。
5時半過ぎに立川駅で集合して、友人の車で秩父に向かう。

日向大谷口 → 清滝小屋

8時過ぎに登山口の1つである日向大谷口に到着。
日向大谷口は東側からアクセスする形で、数あるコースの中では距離が長い部類に入る。
両神山は岩場や鎖場が多く、滑落による負傷・死亡事故が度々報告される山なんだけど、今回は雨の翌日であることなども考慮して、一番危険の少ないコースを選んだ。

登山口の標高は670m、目指す山頂までは1,000mちょっとの高低差となっている。
登山口前には有料/無料合わせて40台程度の駐車場があるが、我々が到着した時点で無料は9割以上、有料でも大半が埋まっている状況だった。

登山口に指導員が居て、先週末に熊が出没して怪我人が出たことを教えてくれた。
どんなに警戒していても相手は生き物、遭うときは遭うものなので気を引き締める。
登山届に記入して、8時半にスタート。

スタート直後はアップダウンが入り混じり、左側が沢 (薄川) に向けて切れ落ちる細い道が続く。注意していればそれほど危険ではないが、擦れ違う場所は少し考えた方が良いかもしれない。

30分ほど歩いて沢に下り切る手前辺りが地図に会所と書かれた地点で、そのまま薄川に沿って進むコースと、七滝沢にシフトするコースに分岐している。
次のポイントとなる清滝小屋まで地図上の距離は大差無いように見えるのだが、前者は90分、後者は180分とかなりの隔たりがある。後者は破線で「崩壊箇所あり」と記されており、基本的に中級者以上のコースのようだ。
一応、初心者ではないつもりだが、タイムスケジュールの面で無理をしたくなかったので、とりあえず今回は前者のコースを使うことにする。

会所からそのまま下り切ったら、小さな滝を見ながら沢を渡るコースが始まる。多少の増水で渡渉が困難になるようなので、大雨の後などは情報を確認して赴くのが良さそう。
水に手を浸せるポイントも所々にあるし、序盤は緩やかで歩き易いのだが、沢から離れるにつれて徐々に傾斜がキツくなり、やがて地図で急坂と記されるようになる。極端な急坂は多くないものの、延々とそれなりの傾斜が続いて、一息入れるタイミングが無い。沢沿いで涼しいけど終始展望は得られず、景色に変化が無いので精神的な負荷が案外高かった。
鎖やロープも多少はあるが、ほとんど使う必要が無い程度のものなので、気分転換のアクセントとしては力不足。

会所から1時間、清滝小屋までの間で唯一の休止ポイントと言える弘法乃井戸。
水は冷たくて美味しいのだが、絵としてはかなり地味なのでインパクトは弱い。それでもテンションが下がり切ったところでの登場ということもあり、非常に有り難い。

清滝小屋と両神神社

弘法乃井戸から10分、10時過ぎにやっとの思いで清滝小屋に到着。
小屋は休業中だが、管理はされており、緊急時の避難小屋として活用出来る。水場やトイレも綺麗な状態で維持されているし、10張程度のテント場もあるようだ。
この先も案外長いので、ここで大休止しておくのが良いだろう。

▲ 別ウィンドウで全天球写真を表示します
▲ 別ウィンドウで全天球写真を表示します

清滝小屋の次は、両神神社を目指す。
1時間弱の道程だが、相変わらず展望はほとんど得られない。(これまでよりは若干マシ)
ここからは所々にロープや鎖が入り混じるようになるものの、ほとんどはそれに頼る必要が無い程度なので、気分を変えるにはインパクトに欠ける。

かなりうんざりしながら、11時に両神神社に到着。
ここの狛犬はやはり狼のようだけど、ちょっとユーモラスな顔付きをしている。でも、夜中に出くわしたら怖いかもしれない。