HARIO | スロードリップブリューワーハリオ雫

先日のやまそら祭 で水出しコーヒーを販売することになり、その際は挽いた豆を直接水に漬けこむ “冷浸式” という方法を採用した。少量なら他の方法もあるけど、当日に6ℓという量を一気に作ろうと思うと、機材の関係で冷浸式以外は現実的ではなかった。
一般的に、この冷浸式は「雑味が多い」と評されることが多いようで、自分で飲んでみても確かにそう感じる。(プラシーボ?)
ただ、必ずしも雑味=余分なものという図式ではなくて、その辺は豆に依ったり、飲む人の好みに依ったりで評価は変わってくるもののようだ。

個人的にこの冷浸式コーヒーは気に入っていたんだけど、自宅の機材だと細かい豆が底に溜まってしまい、それをペーパーフィルターで濾す必要がある。しかし、フィルターの目がすぐに詰まるため、やたらと時間が掛かるのがストレスだった。
また、一度作るのに6時間掛かる関係上、平日の生活サイクルに組み込みづらい。(作るだけなら寝る前に仕込めば良いが、朝起きて濾すのがツラい!)

スロードリップブリューワーハリオ雫

我が家のコーヒー消費がそこそこハイペースなこともあって、なるべく気軽に美味しく水出し出来る環境を整えたいと思い、専用機材の購入を決意した。

自分もそうだけど、一般的に「水出しコーヒー」と言えば、喫茶店にある砂時計のような、あるいは点滴のような専用機材をイメージすると思う。(“ウォータードリップ”、更に渋く言うなら “ダッチコーヒー”!)
かつてはあのレトロな風合いに惹かれて店に通ったりしたものだけど、そのせいもあって、自宅で数万円もするあの機材を用意するのはハードルが高いと思っていた。
しかし、よくよく調べてみると、丁度去年に ハリオ が5,000円で買えるお手頃な機材を発売しているではないか。それが、スロードリップブリューワーハリオ雫 である。 (以下、『雫』)

数万円というハードルからの落差で安く感じるだけで、冷静に考えると5,000円は決して安くないんだけど、とりあえずこれからの夏場に毎日2杯は欠かさず飲むものなので、思い切って「購入」ボタンをポチる。


お高いものはインテリア的な魅力もあるものの、設置スペースという事情もあって趣味性が高い。
『雫』の場合、ポットの上に水のタンクを直接載せるため、それらを支える構造が不要となっており、ポットが置ける場所ならどこでも設置可能な上、使わないときは収納も出来るので省スペースである。

フタ・水のタンク・ストレーナー・ポットというシンプルな構成で、細かいパーツが無いので洗浄し易い。趣味性は落ちるが、実用性はかなり高い製品だと感じた。
趣味性は落ちると言っても、機能美の観点ではギリギリまで削ぎ落されて洗練されているし、ディスプレイしておく前提でも全然問題無い。(安定感には欠けるので、置き場所は若干注意)

抽出手順

実際の抽出手順は以下の通り、非常に簡単。

1

ストレーナーに挽いた豆を50g入れ、全体を水で湿らせる

2

ポットにストレーナーをセットする

3

ストレーナーの上に円形のペーパーフィルターを載せる

4

タンクに水を入れてセットする

5

しばし待つ (1時間半ぐらい)


水出しにはもっと時間が掛かる印象があったけど、実際にはこれぐらいの時間で出来てしまう。
ちなみにペーパーフィルターは豆のカスを濾過するためのものではなく、豆の上に敷くことにより、タンクから落ちた水滴が満遍なく豆に行き渡るようにするためのもの。

飲んでみた印象は、やはりスッキリとクセの抑えられた味で、ゴクゴク飲むのに向いている。冷浸式のような個性は出ないので、この辺は好き好きではあるが、良い意味で万人向きと言えそうだ。
個人的には基本ウォータードリップで、ちょっと気になる豆を購入した際に冷浸式を試してみたい。

我が家においては、確実に水出しコーヒーの安定供給に寄与しているので、5,000円分の価値は十分得られていると感じている。
単純に、コーヒーの雫がポタポタ落ちるのを眺めているのも楽しい。

敢えて難点を挙げるとすれば、ペーパーフィルターが専用品なので、調達が若干手間なこと。
100枚で数百円なのでそれほど高いわけではないが、通販サイトをザッと調べた限りでは、どれも送料が掛かるようなので、下手をするとフィルターより送料の方が高くなりかねない。

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