7月に 那須岳 に登って以来、公私共にバタバタしていて夏山を逃してしまっていたので、満を持して秋の山行を計画。貴重な1回をより充実したものにしようとあれこれ考え、ちょっと遠い上信越の四阿山を目指すことにした。
仲間内のスケジュールを調整している余裕も無いし、どの道夜中にスタートする必要があるので、今回は1人で車を飛ばしてみることにする。
上信越と言っても非常に広いが、今回向かうエリアは 軽井沢 と草津に行ったことがあるぐらい。親ぐらいの世代だと菅平高原と言えばピンと来る人も多そうだけど、自分としては未開の地である。強いて言えば、去年の大河ドラマ「真田丸」の上田が近いっぽい、という程度だ。
とりあえず練馬ICから関越道に入り、藤岡JCTで上信越道で東部湯の丸ICに下りれば良いらしい。ナビによれば、渋滞を避ければ3時間ちょっとで着くとのこと。
菅平牧場
午前3時に家を出て、ひたすら関越道を北上。
快調に飛ばして上信越道に乗り継ぎ、まずは甘楽PAで小休止。夜中に人気の少ないSA・PAでまったりするのも、極上の一時だ。
軽井沢に近付くと、急に霧で視界がボヤけて突然の50キロ規制。前日もこの日も都内は27度まで上がるようなタイミングだったので、案の定といったところだが、軽井沢を過ぎると霧も晴れて、快適な夜のドライブを再開。
東部湯の丸ICを下りたら、あとは山際をダラダラ走って30分ちょっとで 菅平牧場 に到着。牧場の入口で入場料を払うシステムだが、朝6時では人も居ないので、帰りに払えば良いらしい。
駐車場はかなり広く、この時間ではガラガラで止め放題。自分の到着と前後して、他にも5台ぐらい車が停まっていたようだ。牧草地には、3頭だけ牛が居る。
菅平牧場 → 根子岳
駐車場脇のトイレを借りた後、予め記入していた登山届をボックスに投函して、6時丁度にいざスタート。
四阿山へは根子岳経由と、中四阿経由の2つの選択肢がある。今回は前者を上り、後者を下りに割り振ることにした。
真っ直ぐ延びる丸太の階段を登り、まずは十数分で地図に展望台と記されていた場所に到着。
階段系の上りは思いの外ハイペースになってしまいがちで、これが最初にあると結構息が上がる。ちょっと早いけど写真を撮りがてらの小休止として、逸る気持ちと乱れた呼吸を整える。
展望台とは言っても、駐車場時点でそれなりに標高を稼いでいるため、展望台に着く前から展望は良い。
展望台を過ぎると、笹とダケカンバの美しい登山道に変化。
本に「案外シンドい」と書かれていた通り、キツ過ぎないけどそこそこの勾配といった具合の道が続く。約3ヶ月ぶりの鈍った身体には、丁度良いぐらいの負荷だ。ダケカンバが疎らなので視界は広く、振り返ればそれなりに展望があるので、気分も上々。
ちなみにこの時間帯に笹の道を通ると朝露で靴がグショグショになることがあるが、道がそこそこ広いので、この日はスパッツを装着しなくてもギリギリ大丈夫ぐらいの状況だった。
一時的に綺麗な朝焼けが見られたものの、根子岳山頂に近付くに連れてガスが濃くなっていく。
7時25分、根子岳山頂に到着。山頂は地味ながらも広く開放的で、特に西側の展望が素晴らしい。
着く直前まではほとんど真っ白な世界だったけど、着いたと同時に雲が晴れて、遠くの山々が見渡せるようになった。何とも粋な計らいじゃないか…
根子岳 → 四阿山
根子岳を発つ頃には再び雲に覆われて、また真っ白な世界を進む。
上ってきた西側の斜面は穏やかな印象だったけど、東側は一転してゴツゴツとした岩稜地帯。
山頂直下の「鬼遊びの庭」なる区間は巨岩が立ち並ぶ尾根で、危険な箇所はないものの、全く別な山を歩いているような気分を味わえる。
根子岳と四阿山を繋ぐ鞍部は、地図に「大隙間」と記された広大な笹原だった。
すっかり雲は抜け、今後の天気は心配無さそう。正面にドッシリ構える四阿山が頼もしい。振り返れば、笹に覆われて青々とした根子岳も美しかった。
四阿山に取り付くと、思ったより斜度のある勾配がしばらく続く。
多分、今回の道程でここが一番キツい区間だと思うが、笹とカンバの林は丁度視界の高さが抜けているので、鬱蒼とした印象は無く歩き易い。
8時45分、四阿山と根子岳、そして下りに使う予定の中四阿を結ぶ分岐を通過。ここからは木々も疎らで展望が良く、目指す四阿山山頂もあと少し。
四阿山 山頂
養生の為の木道を登り、9時丁度に四阿山山頂に到着。
山頂には2つの祠が建っているのだが、これは今宮白山権現の奥宮と山家神社の奥宮とのこと。
360度の展望は百名山の名に違わぬ見事なもので、北・中央・南アルプスは言うに及ばず、浅間山、甲武信ケ岳、金峰山、瑞牆山、草津白根山等など、数え切れないほどの山々が顔を揃えている。丁度自分が到着したタイミングで、遠くに富士山も姿を現していた。前日も好天だったけど、今日はそれにも増して最高の山日和だ。
祠の脇の岩場に腰を下ろして、いつも通りの朝食でお腹を満たす。
今年はそれほど回数は登っていないけど、社員旅行の八丈富士、7月の那須岳、そして今回と素晴らしい展望に恵まれて充実している。夜中から車を飛ばして来ただけの甲斐はあった。
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