▲ いよいよ北海道登山 – アポイ岳 (810m)

アポイ岳 山頂

山頂はダケカンバという白樺に似た木 (同じカバノキ科カバノキ属) に囲まれており、5合目の休憩小屋を出て以降、ここだけが唯一視界の悪いポイントとなっている。
ただ、このダケカンバは森林限界以上では背が低くなり、今は葉も落ちているため、上空は抜けていて、鬱蒼としたイメージは無かった。

さすがに山頂は一面が雪で覆われ、簡単に腰を下ろせるような場所も無い。風も強くてそこそこ肌寒かったので、持参したおにぎりを食べて早々に下山を開始。

ピストンで下山

帰りはずっと、こんな感じの素晴らしい眺めの中を下っていく。
帰路は「幌満お花畑」という高山植物の群落地をトラバースする選択肢もあるのだが、雪が残る今時季は踏み跡もほとんど無く、当然ながら花も観ることが出来ない。今回は大人しく、登って来た道をそのまま折り返すことにした。

馬の背まで戻るとパトロールの方が居たので花について訊いてみると、例年ならもうそろそろ幾つかの花が咲き始めているのだが、今年は寒さが抜け切らない影響からか、開花が遅れているとのことだった。
花が観られなかったのは残念だけど、これだけの晴天に恵まれただけでも満足なので、花はまたいずれ訪れたときに楽しませてもらうとしよう。

アポイ岳山荘

下山後はビジターセンター近くの アポイ岳山荘 という温泉で汗を流す。山荘と言うものの、実際には宿泊も可能な温泉施設という感じである。
麓にあるので特に景色が良いというわけでもないが、綺麗でいい温泉だった。

徒歩で様似駅へ

ここからは18時過ぎのバスに乗って駅まで戻るスケジュールだったのだが、予定よりかなり早く下山していたため、バスが来るまで1時間半ほどあり、調べると駅まで徒歩で1時間とのことだったので、そのまま海岸線を歩くことにする。
暮れる夕日に相対するようにして、写真を撮りつつ駅に向かう。駅は襟裳岬とは逆方向なので、今回の行程で襟裳岬を拝むことは出来なかったけど、代わりにエンルムという岬に日が沈む景色を眺めることが出来た。

JR 日高本線 様似 → 苫小牧

18時を過ぎた海岸線は風もそれなりに強く、風呂上がりの身体には結構寒い。寒さも想定してダウンジャケットを携帯してきて正解だった。

1時間弱で駅に到着し、残りのおにぎりを頬張りつつ列車を待つ。30分ほどで18時半発の最終列車がやってきて、そそくさと乗り込む。幾らも経たない内に窓の外は夜の帳に覆われ、ほとんど何も見えなくなった。

帰りの列車ではほとんど寝ていたのだが、一度急停車した時に目が覚める。
アナウンスでは「鹿が線路内に立ち入ったため…」と説明していた。いかにもローカル線らしいアクシデントで微笑ましい。


それ以外では特に何事もなく、予定通り21時半に苫小牧駅に帰着。実家の裏山以外、北海道の山に登ったことが無かったので少し緊張もあったけど、これ以上無いぐらいの晴天に恵まれ、とても素晴らしい山行となった。

イヤイライケレ アポイ! (アイヌ語で「ありがとう、アポイ」の意)