▲ 日光三嶮初山行 – 太郎山 (2,367m)

1日目 からの続き。

もうどっちがメインだか分からないぐらい充実してしまった日光企画なれど、そもそもの予定では2日目がメイン。しかも1人でそれなりにハードな山行を予定しているわけなので、気を引き締めて仕切り直さねばならない。

巣み家で山支度

朝は5時に起床。
個室を使わせてもらえたお蔭で、多少ザックの中を整理し直したり出来る。
前日までの予報では、奥日光は「曇り 時々 晴れ」の予報。窓から顔を出すと、多少の雲はあるものの、綺麗な朝焼けが見えている。

顔を洗って歯を磨き、荷物をまとめて1階に降りる。
今日いっぱい巣み家のロッカーを貸して頂けることになっていたので、昨日着ていた服やら、デジカメの充電器やらの不用品を置いていく。今回はミラーレスのレンズとしてはそれなりに重たい望遠レンズも持っているし、長丁場用に2L強の水を担いでいるため、ザックはそれなりにズッシリ来る。
とりあえず、何とか他の方々を起こさずに宿を発つことが出来たので一安心。

バスで奥日光へ

気持ちの良い快晴の下、まずはコンビニで朝食と昼食を購入。この先にはコンビニが無いので、基本的にはここが最後の補給地点となる。
朝食はすぐにでも食べたかったけど、バスでいろは坂は結構シンドイので、現地に到着してから食べることにする。
バス停で犬の散歩やら、自身の散歩やらをしている方々と少し話したりしつつ、6時13分の湯元温泉行に乗っていざ出発。

日光駅から今回の目的地である「光徳入口」までは1時間、往復3,000円。
これは2日間有効の湯元温泉フリーパスと同じ金額なので、残念ながら1日だけの利用では実質割引にならない。無念。
駅前では自分を含めて3人が乗車したが、市街地を出る頃には自分1人になり、あとは降車するまでずっと1人だった。まぁ、月曜の始発で奥日光に向かう人なんて、そうは居ないよな…

光徳入口 バス停

光徳入口バス停で下車。乗っていたのが1人なので、当然ながら下車したのも自分1人。
前回の正月温泉企画でスノーシューをやったのが、1つ手前の三本松というバス停。あの時は戦場ヶ原も雪に覆われていたけど、今回は青々しているので印象も違う。
三本松の茶屋 は7時から営業しているので、一応ここでも補給は可能だが、時間のロスが大きいので、極力日光駅のコンビニで済ませた方がいいだろう。

バス停の脇で朝食のおにぎりとウィダーinゼリーを食べ、まずは光徳温泉を目指す。
タイミングによってはそこまで行くバスもあるが、本数が限られていて、残念ながら8時過ぎまで該当する便が無い。光徳入口から光徳温泉までは徒歩でも30分と掛からないので、歩きでもそれほど大した問題にはならないだろう。
ちなみに光徳温泉には 日光アストリアホテル という宿泊施設があり、太郎山へのアクセスとしてはここが一番近くて楽なのだが、素泊まりや1人泊といった条件に適したプランが無いので見送った。


温泉と牧場を過ぎ、キャンプ場レストハウスの先から登山道がスタート。これ以降は水場もトイレも一切存在しないので、いずれもここで済ませておきたい。
この道は純粋な登山道ではなく、切込湖・刈込湖~湯ノ湖を巡るトレッキングコースの一部。
かなり整備されているとは言え、トレッキングと銘打たれている通り、結構な傾斜や歩幅を大きく取られる丸太の階段が頻発するので、日頃運動をしていない人にはそれなりに苦労する道になっている。

山王見晴らし

今回自分が歩くコースは、このトレッキングコースを途中から外れ、山王帽子山登山口から山王帽子山、そして小太郎山を中継して太郎山に向かう。
トレッキングコースに入ってから1時間ほどで山王見晴らしという地点があり、ここから登山口方面に分岐しているのだが、ここがなかなかの曲者だった。大きな木の案内板が出ているので、分岐場所であることは一目瞭然なのに、その登山口方面への道がヤブで覆われてほとんど見えないのである。
一方で湯ノ湖方面に繋がるトレッキングコースは非常に整備されているため、登山口方面の道の荒れっぷりに不安が増大した。

案内の通りに進んでみたものの、途中から道がほぼ見えなくなり、一旦案内板を確認しに引き返そうかと迷うほどだった。

マイナーなルートであることはある程度覚悟の上だったので、何とかそのまま突き進むと、とりあえず道らしきものが復活。やがて予定通り車道に出ることが出来たので、道は間違えていなかったらしい。一安心すると共に、これから先の状況に若干不安を抱く。
車道の少し先に猿が2匹歩いていたが、カメラを向けると逃げてしまった。

山王帽子山登山口

車道を少し歩くと、山王帽子山登山口に到着。
登山口とは言っても、特に大きな看板や登山カードのボックスがあるわけではなく、小さく「太郎山」と書かれた木切れが提げられている程度である。
等高線の間隔で想像はしていたが、ここから山頂まではひたすら上りの一辺倒。地図に “きつい急坂” と書かれているだけあって、なかなかの傾斜がしばらく続く。登山口までに多少キツめを想定して身体を慣らしておかないと、バテる可能性がある。

先のヤブで懸念していたような危ういポイントはほとんどなく、傾斜がキツいというだけで、道自体はそこそこ綺麗で歩き易かった。
昨晩の雨によるコースコンディションの悪化も懸念していたのだが、西側の斜面とは思えないほど濡れている様子が見られなかったので、もしかすると奥日光の方ではそれほどの降水は無かったのかもしれない。
このコースは木の種類が豊富で、特にダケカンバ (白樺と同類) の樹林が美しく、そして振り返れば、三岳や白根山などの雄大な展望を堪能出来る。
…が、それらを楽しめるかどうかは当人の余裕具合に左右される。

山王帽子山

登山口から1時間で山王帽子山の山頂に到達。登山口からの標高差は300m強。
山頂からは先の山々に加えて、これから向かう小太郎・太郎山、そして男体山や遠くには尾瀬の燧ケ岳も見えるようになり、眼下には中禅寺湖、戦場ヶ原の青々とした絨毯も敷き詰められている。

山王帽子山の山頂自体は狭く、やはり太郎山への通過点といった印象が強い。
次の小太郎山に向かうには、一度ガツンと下り、再びキツい上りが待っていることが見て取れた。休憩ポイントとしては大したものは無いが、この先小太郎山山頂まで適した場所が無いので、ここでしっかりとペースを整えて、万全の状態で出発したい。


山王帽子山からの下りもそこそこ傾斜はあり、結構グングンと下るので、折角苦労して登った分を帳消しにされる感じが「むしろ我々の業界では (以下略)」である。
ただ、感覚的にはかなり降りている印象なのだが、時間で考えると案外大したことはなく、数値的には150m下った程度だったりする。

コルまで下りたら、あとはまた延々上り続ける行程が始まる。ありがとうございます。
今度の上りは400m。傾斜は山王帽子山のそれよりも若干緩やかな気がする。
景色もなかなか素晴らしいので、周りを見渡す余力が残っているなら、先程よりも楽しみながら登ることが出来るだろう。
途中にハガタテ薙分岐という旧道への分岐があるが、今は廃道となっている。
そちらの道へは案内板も取り外されているし、普通に進めば気付かないようなものなので、
多少なりとも意識しておけば迷い込む心配はほとんど無い。

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