紅葉の締めくくり – 長瀞

11月は奥多摩と山梨で紅葉絡みのイベントがあったものの、今年は紅葉が遅いこともあり、”見事な紅葉” と言えるほどの光景は目にしていなかった。
12月に入るとバタバタして紅葉どころではなくなる可能性が高いので、快晴が約束された週末に、埼玉県・長瀞の紅葉を観に行くことに。長瀞と言えば、ラインくだり宝登山の蝋梅 辺りが有名。
後者については 5年前の冬に観に行った ことがあるけど、それ以外では未開の地。秩父方面は数年前まで1~2年に一度は行く機会があったのだが、ここ何年かは足が遠退いていた。(去年泊まりで行く予定があったけど、事情により中止)

長瀞は27日まで紅葉ライトアップが行われているということで、一気に回ってしまおうと画策。周辺には寺社も多く、それらを巡るプランもあるけど、そこまで詰め込んでしまうと後半でダレそう。都心からのアクセスが容易で今後も訪れる機会は作れそうだし、今回は寺社関連をパスすることにする。
ライトアップを観るなら夕方までは留まることになるので、午後から緩々出掛けて、14時ぐらいに長瀞に着くように時間を調整。

ラインくだり

ラインくだりはAコース (親鼻橋から岩畳) とBコース (岩畳から高砂橋) の2種類があり、どちらもコース長は約3kmで20分程度、長瀞の駅前でチケットを買うことが出来る。2コースを繋げたCコースと言うのもあるが、繁忙期は運行していないようだ。
Cコースにしようと思っていたけど、上記の理由で運行されていなかった。丁度Aコースが出発するタイミングだったので、送迎バスに乗ってAコースの乗船場に向かう。

一週間近く雨が降っていなかったため、荒川は水量が少なくなっていた。多い方が勢いが出るので盛り上がりそうだが、川が澄んで非常に綺麗だったので、紅葉シーズンとして考えればこれも悪くないかもしれない。
ちなみに水位があと5cm低ければ、渇水で運休となるところだったらしい。

ライフジャケットを羽織って、船に乗り込む。1艘あたりの定員は約20人、船首と船尾に船頭が乗って出発。
川の流れが穏やかだったせいか、ほとんど揺れることもなく、ゆったりと船が進む。風が無く、日差しが暖かい穏やかな天候だったので、水上でも寒さを感じることは無かった。

途中から両岸に岩壁が聳えるようになり、やがて “小滝の瀬” と呼ばれる急流を通過する。水量の少ない日でもそれなりにアトラクション性があったので、大雨の後なんかだとなかなかのものなんじゃないかと思われる。

更に進むとレンガ造りの荒川橋梁を潜る。タイミングがいいと、上をSLが通ったりするらしい。この日は既に運行期間を過ぎていたのでSLは見られなかったけど、橋だけでも十分に素敵なので、一見の価値はある。

後半は奇岩の間を縫って進む。岩の上には紅葉した木々が生い茂り、紛うこと無き景勝地の佇まいを披露している。岩壁にかなり近付くので、そそり立つ断崖を仰ぎ見るようなアングルも楽しめて満足。

中学校の修学旅行で同じような川下りを体験したことがあって、そちらはもっと緩やかな川をひたすらゆっくり下るだけだった印象が強く、この手のイベントは押し並べて盛り上がりに乏しいものと認識していた。
しかし、長瀞のラインくだりに関してはかなり変化に富んでいて、期待以上に楽しめたので、次回は是非Bコースも乗ってみたいと思う。

宝登山

ラインくだりが終わり、その足で 宝登山のロープウェー に向かう。

前回は北側から徒歩で登ったけど、今回は大人しくロープウェーで山頂に到着。

時季ではないので当然ながら蝋梅は咲いていないのだが、代わりに寒桜が見頃を迎えていて、前回とは違った風情を堪能することが出来た。

山頂からの夕景もなかなか素敵。秩父の山々を眺めるには一番手軽だと思うので、足を運んでおいて損は無いだろう。


下山して16時を少し過ぎ、そろそろ陽が落ち始める。
紅葉ライトアップは17時からなので、寒さ対策のエネルギー補給として、参道途中の喫茶店に入る。並びにはかき氷の有名店があるのだけど、これから寒くなるというタイミングでは飛び込めなかった。
あと5年若ければ、相方を振り切って挑んだかもしれない。俺も歳を取った。

月の石もみじ公園 紅葉ライトアップ

店を出ると丁度17時。陽が落ちてすっかり暗くなっていた。
さすがに昼間の暖かさは影を潜めていたけど、かなり入念に防寒具を用意して来ていたので、
当面の寒さは何とか凌げそうだ。

駅前を通り抜けて踏切を渡り、南桜通りを通って、ライトアップのメイン会場である 月の石もみじ公園 に向かう。
線路沿いの南桜通りにも行灯が掲げられているものの、名前通りの桜並木の道なので、この道自体はほとんど紅葉は観ることが出来ない。
そもそもは街灯も人通りも少ない道だと思われるが、イベント特需で人が増えているところに結構な数の車が通るため、プチ渋滞が起こっていて、あまりのんびり歩けるような状態ではなかった。
地図で見る限りでは、車で通り抜けられる道は他にもあるようなので、沿道の生活者以外は一時的に通行規制を敷いた方がいいように思う。

月の石もみじ公園は、入るなり立派な楓の樹が立ち並ぶ見事な公園。さすがに人は多くて多少混雑していたが、近隣を含めて出店の許可を出していないらしく、屋台の行列で道が塞がれるといった状態にはなっていなかった。
真っ赤に色付いた楓をライトアップするだけというシンプルなイベントのようで、純粋に紅葉を観に訪れた人の期待を裏切らない素晴らしい光景だった。


久々の秩父方面に宝登山、そしてほぼ初めての長瀞ということで、秋の締め括りに相応しい1日だった。長瀞名物の蕎麦やかき氷もまだ食べていないし、まだまだ散策し甲斐がありそうなので、暖かくなったらまた来てみようと思う。

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