▲ 霧中の男6人行 – 八ヶ岳 2日目 (2,899m)

硫黄岳

横岳から硫黄岳までは、一転してなだらかな砂利道が続く。硫黄岳山荘を過ぎると硫黄岳山頂まで、緩やかながらひたすら上りが続くので、ここまでに消耗していると心が折れそうになるかもしれない。
この頃には再び雲に覆われて、周囲はほとんど何も見えない状態。今回は赤岳~横岳までが快晴だったので十分報われた気がするけど、もしずっとこんな曇天だったら、かなり虚しいだろうなぁ。

夏沢峠

硫黄岳山頂から北の「夏沢峠」へ下山開始。
過去2回は「赤岩の頭」「赤岳鉱泉」を経由して北沢で美濃戸口に戻っていたが、公共交通機関利用の場合は下山ルートも思いのまま。今回は丹沢マイスターM君の一押しである、夏沢峠~本沢温泉側に下りる。
山頂直下の岩場で、足場からリスのようなものが顔を出していて目が合ったので、リスなのかと思っていたら、後から天然記念物の “ヤマネ” であることが判明した。少しして穴倉に隠れてしまったので写真は撮れなかったけど、可愛かった…

硫黄岳山頂から40分で、山びこ荘 がある夏沢峠。
11時を過ぎてお腹も空き始めていたけど、次の休憩ポイントである本沢温泉まで1時間弱なので、とりあえず昼食はそこまで我慢。

本沢温泉

眼下に川が見えてくる頃になると、硫黄岳の名の通り、硫黄臭が漂い始める。
ここには “日本最高所の露天風呂” である「雲上の湯」があり、見下ろすと確かに小さな湯船 (岩の囲い) らしきものが発見出来た。
今回は近くを通るだけで入ることは叶わなかったので、次回は是非とも入ってみたい。

12時より少し前に 本沢温泉 に到着。待望の昼食は「うにクリームパスタ」。
レトルトのルーを温めてサラスパに混ぜるだけのお手軽メニューだが、パッケージに「オリーブオイルを絡めると美味しい」と書いてあったので、わざわざ小分けにして持って来てその通りに作って食べた。いかにも高カロリーなクリーム感が最高。

これにて今回の自炊、計3回が無事に終了。日頃のカップ麺よりは幾らか手が込んだことをしているので、なかなか充実感があった。

みどり池

下山もいよいよ佳境。満腹で本沢温泉を後にして、まずは しらびそ小屋 がある「みどり池」を目指す。
下山後にゆっくり温泉に入りたかったので、若干ペースアップしてサクサク歩く。みどり池まではトロッコの廃線や湿地帯などがある、変化に富んだコースで、硫黄岳で辺りを覆っていた雲もすっかり流れて、清々しい樹林帯歩きを楽しめた。

13時半にみどり池。奥には先程まで山頂に居た硫黄岳が聳えている。
M君の話では、このコースはランドネで紹介されたこともあり、山ガールが沢山居るという触れ込みだったのだが、残念ながら影も形も無かった。

稲子湯

みどり池から1時間で、本日のゴール地点「稲子湯」に到着。帰りのバスまで1時間半あるので、温泉にゆっくり浸かって、風呂上がりのビールも飲める。
600円払って温泉に向かうと、タイミング良く、先客の居ない浴場を男6人で占拠出来た。
稲子湯は周辺の硫黄臭からも想像していた通りの硫黄泉。冷鉱泉なので加温しているらしいが、飲泉も出来るようだ。

後ろにも客が控えていたので、早めに上がって外で涼む。軽装に着替えて、缶ビール片手に至福の時間。帰りのバスも空いていたので、後部座席に陣取って小海駅まで40分。

帰路

小海駅で1時間弱の電車待ち。綺麗な駅だが、周辺で開いているのは飲食店が1つ2つだけで、コンビニは勿論無い。
晴れていれば少し散策でもしてみようかと思っていたのだが、駅に着いて間もなく雨に見舞われて、ほとんど駅舎内でカンヅメ状態。今更ジタバタしても始まらないので、大人しく備え付けのパンフレットを眺めて時間を潰した。

18時少し前の小海線で、中央本線の小淵沢駅へ。
先程のバスもそうだが、この日の乗客は少なかったので、ザックを持っていても広々と席を確保出来た。
小海線はJRで最も標高が高い地点を走る路線で、広い車窓からの夕景もなかなか素敵だ。

19時に小淵沢で中央本線に乗り換え。
ここから特急で一気に帰るという選択肢もあるのだが、運賃が3,000円近く高くなる。このタイミングなら普通の各停+快速でも大月で一度乗り換えるだけで新宿まで戻れるし、今回はのんびり各停+快速で帰ることにした。

幸い、各停も快速もあまり混雑しておらず、楽に座って帰ることが出来た。
途中で追い抜いて行った特急は、帰省ラッシュの最終日で立ち乗りが発生していたようで、この日に関しては特急を使わなくて大正解だったと思う。


今回は1日目の降水や登頂までの濃霧、メンバーの体調不良などもあり、すべてが順調に進んだというわけではなかったけど、登頂以降はしっかりと展望を得ることが出来て、流れ星なんかも見ることが出来た。
M君オススメの新コースは今後の定番にしたいぐらい充実していたし、大きな怪我も無く、全員無事に下山出来たことは何よりの収穫と言える。快晴時以外の状況で山頂手前の岩場を経験しておけたことも、個人的にはプラスだった。

八ヶ岳、まだまだ楽しませてくれそうです。

GPSデータ

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