▲ 今年初の単独行 – 有間山・蕨山 (1,213.5m)

有間山

鳥首峠から1時間、再び道の両脇が木立で遮られ始めた頃に、有間山と書かれた立派な看板があるピークに到着。
有間山と書かれているが、厳密にはこの一帯の総称として有間山と呼んでいるだけで、この場所は橋小屋ノ頭と呼ばれるピークの1つに過ぎない。有間山の最高地点はここから南南西に30分程進んだタタラノ頭というピークである。(ちなみに橋小屋ノ頭が1163m、タタラノ頭は1213.5m)

橋小屋ノ頭は木に覆われて展望が無く、特に休憩を要するタイミングでもなかったので、足を止めずにそのままタタラノ頭に向かう。それほどの急坂も無くて歩き易い道だが、細かいアップダウンは度々ある。

橋小屋ノ頭から20分でタタラノ頭。
冬場は広葉樹の歯が落ちて若干の展望が得られるようだが、今時季は既に皆無。
人が居らず静かなので、予定通りここで昼食タイムにする。今回は暑さを見越して今年初めての夏仕様。凍らせた予備の水を保冷材代わりにして、キンキンに冷えた冷やし中華を堪能。一緒に買ったおにぎりは、適当に放り込んでしまっていたために見るも無残な姿に…

蕨山

まだまだ先が長いので、展望の無い山頂を早々に出発。
まずは同じ時間を掛けて、橋小屋ノ頭までUターン。高低差は50mほどなので、往復してもコースの印象は大差無し。

橋小屋ノ頭から蕨山に向けて再スタートして、20分ぐらいで逆川乗越。
「山と高原地図」にはそれらしいものが描かれていないが、林道と合流しており、パラソルやチェアを持ち込んでプチバーベキューに興じるおじさんが居た。

蕨山山頂 (展望台)

幅の広い緩やかな登山道を進むとベンチが現れ、突き当りを右に上ると蕨山の展望台。
橋小屋ノ頭からは100mちょっと低い位置にあるので、ほとんど下る一方で、最後にちょっと上り返せばあっけなく着いてしまう。
実は手前のベンチ右手にちょっとだけ登れる道があって、そこが蕨山の最高点らしいのだが、石が積まれているだけで看板等は無く、展望も無いのでほとんど意味が無い。

蕨山山頂 (展望台) は木に囲まれて広くはないが、一応展望台と呼ばれているだけあって、所々で周辺の山々を見ることが出来る。
正直、あまり “展望の山” という感じではないけど、橋小屋ノ頭前後からはほとんど展望が無いコースだったので、この一帯としてはそこそこ解放感を得られるポイントと言えそうだ。
名郷バス停出発組がほとんど蕨山に向かったことからも想像していたが、この日のコース上ではここが一番人の多い場所だった。

この時点で13時ジャスト。氷水でアイスコーヒーを作って小休止。タイムスケジュール的にはそこそこ前倒し出来ているので余裕がある。
出発地点の名郷に下りるなら1時間半だが、今回は さわらびの湯  に直接下りるため、コースタイムとしては3時間とそこそこの距離。出来ればバス時間を気にせずのんびりしたいので、15分休んでさっさと下山を開始。

金毘羅尾根で名栗方面に下山

蕨山からさわらびの湯 (指導標では河又) へは、金毘羅尾根を南東にひたすら下る。まずは藤棚山に向けて、20分一気に下る。”急坂” と書くほどの箇所は無いけど、そこそこのペースでぐんぐん高度を下げる。
藤棚山も木に覆われて展望は無く、ベンチも無いので休止に向くわけでもない。橋小屋ノ頭以降、蕨山の展望台以外は基本的にこんなピークばかり。

藤棚山以降は緩やかな道が多くなり、コースタイムの短縮が狙える。
大ヨケノ頭と呼ばれるピークの前後から舗装路との並走なり、舗装路を見下ろすのと同時に、雑木林の間から 棒ノ嶺 を含む南側の山々が見えるようになる。

大ヨケノ頭から小ヨケノ頭の間で一度林道を跨ぐと、右手 (南側) に名栗湖が見える。
更に20分程歩くと左手側が開けている草原を通るが、登山道からだとビューポイントまで少し遠い。踏み跡があって近くまで寄れるようになっているので、北側の展望はここで見納めておくと良い。


林道から1時間弱で金毘羅山。
巻き道があり、頂上を通過する必要は無いが、分岐から僅かで山頂に立てるし、体力に余裕があれば山頂を通っても時間的なロスはほとんど無い。山頂自体は展望もベンチも無いお決まりのパターンなので、興味が無い人は巻いてもOK。
実は山頂を通過して下りる場合のコースが少々問題。何気に結構な斜度と長さがあって、地味な山頂に見合わない労力を要求される。場合によっては、来た道を戻った方が手っ取り早いかもしれない。

金毘羅山を過ぎた辺りから、山間にレゲエっぽい音楽が聴こえ始める。名栗湖の方から流れて来ているようなのだが、カーオーディオ等ではない音量と音質だ。ゆったりと陽気な曲が続くので、個人的には楽しみながら下山出来て嬉しかった。
多分、さわらびの湯近くで屋外イベントでもやっているのだろう。

金毘羅山を過ぎて間もなく、金毘羅神社奥ノ院に到着。奥ノ院と言っても、今は跡地となっており、小さな社と鳥居が残されているだけである。
あとはひたすら下り続けて、40分ほどでさわらびの湯が見えてくる。

さわらびの湯 と やまそら祭

想像通り、さわらびの湯横の広場でイベントが催されていた。結構盛況しているようで、これが終わると一気に温泉が混雑しそうな気配だ。
時間的には温泉から出るとイベントが終わってしまっている可能性もあるし、どっちを先にするか少し悩み、とりあえずハーブソーセージだけ買い食いして温泉に向かう。

温泉はバイカー、自転車組、登山組、イベント客が雪崩れ込み、今までに無い混雑ぶり。出る頃には更に大勢が押し掛けて来ている状況だったので、ギリギリのタイミングで滑り込めたようだ。
施設内でビールを飲むか迷ったけど、イベントが終わっていない方に賭けて外に出る。出店に駆け込むと、「あと1~2杯で終わり」とのこと。勝 (買) ったッ!!
山の疲れを温泉で抜いて、風呂上りに音楽を聴きながらの至福の1杯。間違いなく、今日のハイライトはこの瞬間。同行者が居ないことが悔やまれる。

丁度良いタイミングでバスが来たので、ぐっすり仮眠して終点の飯能駅へ。池袋→渋谷と乗り継げば乗換2回で済むけど、乗換5回で20分早く帰れるルートもある。
バスで寝たので身体が楽だったので、乗換5回のルートで18時半に久我山に帰着。今の時季だと、この時間でも外は十分に明るかった。


久々に単独行でそこそこの距離を歩けたので、個人的には結構満足。
今回のコースは序盤の一部を除いてあまり展望が豊富ではないので、「楽して良い景色を堪能したい」って人にはあまり向かないかもしれないけど、そこそこの変化やアップダウンがあって、山歩きそのものが好きなら楽しめると思う。いずれ、名郷から武甲山に向かうルートも歩いてみたい。

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