▲ 苔とキノコの蓼科山行 – 丸山・白駒池 (2329.6m)

5月末以来 まともな山行から遠ざかっていたので、この週末で両神山に登ろうと思っていたのだが、月曜からの不安定な天候が週末まで引き摺り、ハードな山行には今ひとつの状況。同様に週末の予定を考えていたhikaruとタイミングが合いそうなので、一緒にライトトレックを検討。
単独なら秩父か丹沢方面を考えていたけど、車が使えるということで、hikaruがリストアップしていた山梨の丸山・白駒池プランに乗っけてもらうことにした。

麦草峠

午前2時半に自宅を出発。調布から中央道の入って諏訪南で下り、メルヘン街道で麦草峠の駐車場へ。到着した6時半の時点では、雨こそ降っていないもののかなり涼しく、高原であることを差し引いても8月とは思えないほど。

わずかに林道を歩いて 麦草ヒュッテ 前を通過し、広々とした草原を抜けて登山道がスタート。
雨と朝露に濡れた笹が足元を襲い、スパッツを準備してくるべきだったと思ったが、時すでに遅し。幸い、笹に覆われたエリアは短かったので、靴がびしょ濡れになる事態は免れた。
ただし、水溜りと泥濘の山道はずっと続き、角の取れた丸い岩と張り巡らされた木の根、そして足場として所々に置かれた丸太がとにかく滑り易いので、気を抜けない山歩きが続く。

森はシラビソ等のマツが中心。見渡す限りがコケに覆われていて、緑が目に眩しい。途中からは陽が差すことも多くなり、濡れたコケや葉がキラキラと輝いて神秘的だった。キノコも豊富で、詳しくないので種類はよく分からないものの、探しながら歩くだけでも飽きない。


麦草ヒュッテから4時間強上った辺りで、ギンリョウソウを発見。日本全国に分布しているので、実はそれほど珍しいものというわけではないのだが、この10年ぐらいはまったく遭遇することが無く、自分の中では幻の花と化していた。
「緑の回廊」と銘打たれたこの山域にあっても、やはりこの幽玄な佇まいは独特で、一際妖しい魅力を放っている。

丸山 山頂

ギンリョウソウを発見して間も無く、11時過ぎに丸山山頂に到着。コースタイム通りならもう少し早く登れると思うが、この日はコースコンディションとキノコ撮影に没頭した影響で、普段よりスローペースだったようだ。
丸山山頂でこの日初めて若干の展望が得られたが、腰を下ろして大休止するほどではないので、そのまま素通りして、先の展望ポイントである高見石を目指す。

山頂直下は一直線の下り。急坂というほどではないが、ゴツゴツした岩場なので、雨の後は多少注意が必要。途中、先程見たギンリュウソウが群生しているエリアがあり、若干のインフレ状態。(笑)

高見石

山頂から20分で 高見石小屋 に到着。
このすぐ裏手が名前の元となっている高見石となっていて、小屋から3分で高台に立つことが出来る。石と言うよりは小さな岩が積み重なった天然の展望台だが、落差があるポイントはほとんど無いので、高所が苦手な人でも危なげなく往復出来るだろう。

上からの展望は期待以上に素晴らしく、先程上った丸山や、少し右手には蓼科山、これから向かう白駒池も見下ろせる。快晴なら縞枯山に横岳なんかも見えるだろう。
腰を下ろせるスペースが少ないので、人が多くなるとすぐに混雑してしまうが、幸い、我々が到着したタイミングでは先客も2~3人しか居らず、ゆっくりと景色を堪能。
全体的に雲に覆われている時間が長く、何も見えないと嘆いて引き返していく人も多かったが、ここで昼食にした我々は、休憩中に何度か山々の稜線や白駒池を見ることが出来た。

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白駒池

高見石小屋から40分で、紅葉が有名な白駒池に到着。時間にすると大したことはないが、結構ダラダラと同じような道が続くので、数字よりは長く歩いていた印象がある。
晴れていれば気持ちの良い場所だっただろうと想像出来るのだけど、この日は生憎の曇天により、ほとんど何も見えず。
当初は池の周りを1周しようと思っていたが、午後からは雨の心配もあるので、とりあえず今回はこのまま切り上げることにした。

奥蓼科温泉郷 明治温泉

白駒池から1時間弱で駐車場に帰着。雨が降りそうな降らなそうな、何とも微妙な状況は相変わらず。駐車場はdocomoもauもほとんど繋がらないため、若干下ってから立ち寄りOKの温泉を探す。一番近いエリアでは奥蓼科温泉郷というものがあり、5つほどの施設が点在しているようだ。
ネット上でのクチコミ情報はそれほど多くないため、ほとんどヤマ勘で 明治温泉 に決定。決め手は滝があること。正月温泉企画で滝に拘ってきた我々にとって、「滝は裏切らない」というのが1つの指針になっている。

外観は良くも悪くも「普通」の明治温泉。泊まり客がチェックアウトした後の時間帯に訪れたため、風呂は貸切状態。
露天は無いが、窓を開ければおしどり隠しの滝を見下ろせるロケーション。この頃には微妙だった天候が急回復し、8月に相応しい青空が広がりつつあった。
浴室はそこそこ広くて綺麗だし、2つある内湯の1つが「ぬる湯」なのが最高。湯船で寝ても湯あたりしない絶妙の温度で、出た後の脱力感が全然無い。

宿のすぐ脇を下りると、おしどり隠しの滝が迎えてくれる。落差は無いが、とても表情豊かな美しい滝で、水量も豊富。

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蕎麦を食べるか検討したが、中央道に戻るまでの道中にピンと来る店が見付からず、とりあえずオッサン2人でジェラートだけ食べて帰ることにした。

天気予報が期待出来ない感じだったので、とりあえず2~3時間歩ければOKという条件で検討したイベントだったが、思いの外収穫の多い、充実した山行になった。hikaru、今回もお疲れ様でした。

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