雨と太陽の恵み、信州 – 松本・安曇野 (1日目)

ちょっと遅くなった夏季休暇を1日取得して、信州方面に1泊。
相方が泊まりたいという宿があったので、個人的にも未踏の地である安曇野を軸に、その周辺を回ってみることに決めた。

当初の予定では1日目にレンタサイクルで安曇野を回り、2日目は上高地でハイキングでもしようかと思っていたのだが、その週はひたすら雨が降り続き、旅程の2日間とも雨が降るという予報。
とりあえず、これで上高地は報われない荷物が増えるだけと判断し、2日目は松本市内の観光に切り替える。

当日になって、どうやら2日目は晴れるという予報に変わったため、行きの電車内で各所に連絡し、1日目を市内観光、2日目を安曇野に変更。1日目はもう雨を避けられそうに無いので、2日目の晴れ予報に賭けることにした。

松本市街

朝7時に出発し、立川からあずさ3号に乗り換え、10時過ぎに松本駅に到着。松本は既に雨が降り出していて、傘を差さないと歩けない状況。ひとまずロッカーに荷物を預け、身軽になって観光に繰り出す。
直前のプラン変更で昼食の店を決めていなかったので、電車の中で店を選定。うなぎの名店がある事を知り、思い切ってその店に決めた。そう言えばここ数年、ひつまぶし以外はまともにうなぎを食べていなかった。

店の開店時間までは1時間ぐらいあるので、まずは近くの 中町商店街 を歩いてみる。
中町通りは松本城城下町の一部で、多くの蔵が残された風情のある通り。かつては木造だったが、大火で焼け落ち、火災に強い土蔵に造り替えられたらしい。「なまこ壁」と呼ばれる白黒の格子が特徴的だ。
漆器や磁器の老舗が残りつつ、蔵を維持したまま新しい店も入ってきているので、昔ながらの雰囲気を維持しつつ、しっかり循環が為されている。

ちなみに、通りに交差する小道はちょっとずつ接ぎの位置がずらされていて、真っ直ぐ先を見通せないようになっている。これは城攻め対策の名残なのだそうだ。

うなぎのまつ嘉

11時半の開店に合わせて、「うなぎのまつ嘉」へ。
ちょっと早く着いてしまったけど、時間前でも座敷に上げてもらえた。既に先客が数名ほど、注文を終えているようだった。

うなぎは「うな丼」「うな弁当」「うな重」「うなぎ定食」の4種類。うなぎが2~5枚という違いだけで、うなぎ、ご飯、肝吸い、お新香という構成は同じ。「うなぎ定食」のみ、小鉢が付いている。
うなぎをそう何枚もは食べないだろうということで、2人とも「うな弁当」に決定。

注文からの待ち時間は20分ほど。蓋からうなぎがはみ出している。これは想像していたよりもボリューム多め。男でも3枚で十分過ぎる量だ。
そして、滅茶苦茶美味しい。肝吸いも上品。いい値段なので普段から食べるようなものではないが、今回は奮発した甲斐があった。

あとで分かったことだが、開店直後に売り切れとなってしまうこともあるぐらい、この辺りでは有名な人気店であるらしい。なるほど、食べた後なので異論は無い。

松本城

昼食後は雨が上がっていたので、裏通りの店を覗きつつ、大回りして 松本城 へ。天気が良ければ天守閣からの展望を楽しみたかったけど、生憎の空模様なのでパス。

喫茶店 まるも

縄手通りを歩いていたら、今日一番の本降りになってしまったので、喫茶店 まるも に避難。

松本美術館

しばらく止みそうにないので、諦めて 松本美術館 に向かう。
今回のタイミングで催されている企画展にはあまり惹かれなかったので、お目当ては前庭に展示されている草間彌生の「幻の華」。


雨が上がったので、再び中町商店街に戻り、若干の買い物をしてからカフェで一休み。

穂高 シャロムヒュッテ

17時手前の大糸線に乗り、30分で本日の最終目的地である穂高に到着。雨も止んで、雲間から青空が覗き始めている。これなら明日の天気は期待出来そうだ。
17時半に駅前に送迎の車をお願いしていたので、それに乗って本日の宿泊先へ。

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本日の宿泊先、シャロムヒュッテ 。
元山小屋の支配人だった方が30年前に自分で建てたという、異色の ” 作品 ” 。いかにも山小屋然とした造りで、これだけで既に十分なインパクトがある。

ホールで記帳をして、施設の簡単な説明を受けてから2階の部屋へ。
今回泊まる部屋の名前は「しょいこ」、つまり背負子。他の部屋も「キスリング」とか登山に因んだものが割り振られているし、トイレに至っては「きじうち (男性用)」と「お花摘み (女性用)」である。部屋は結構な広さで綺麗に管理されているし、設備は最低限でも必要十分。

レストランで夕食

18時半からレストラン棟に移って夕食。
オーガニックレストランなので、基本的に地元で採れた野菜と穀物で構成されている。肉や魚が含まれないため、普段の食生活を基準にすると正直少し物足りない気はするが、器も盛り付けに気が利いていて、味はどれも素晴らしかった。

お風呂は2室 (2~3人用、3~4人用) あり、家族風呂のように貸切になっている。予約等は不要で、空いていれば入ることが出来る。消灯直前は混雑するとのことだったので、夕食後にさっさと一番風呂を使わせてもらった。山小屋のような木の湯船は、とても心地良い。(山小屋には滅多に風呂なんて無いけど)


20時半からホールでハーブティーが振る舞われるということで、1階に下りる。その少し前から「見上げてごらん夜の星を」の合唱が僅かに聞こえていて、もしやみんなで唄うのかとドキドキしていたが、特にそういうわけではなかった。
スタッフ1人、我々の他に2家族が集まり、登山や釣りや暮らしについて、2時間ほど談笑。趣味や年齢が近い人達ばかりだったので、色々と情報交換が出来て楽しかった。

23時少し前に消灯。
残念ながらこの日は見上げても夜の星は見えなかったけど、明日の好天は期待出来そうだ。

2日目 に続きます。

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