乾徳山 山頂
3つ目の岩場を登り切れば、待ちに待った山頂。
狭い岩場なので、混雑すると腰を下ろす場所を探すのに苦労するが、奥の岩と岩の隙間に丁度2人分のスペースを見付けたので、そこで荷物を下ろす。
もう少し先まで行くと切り立っていて、少し怖いけど景色は抜群に良い。周囲の山々は僅かながら紅葉が始まっており、緑・黄色・橙の彩りが美しかった。山頂が狭い分、どちらを向いても絶景が広がっていて贅沢この上ない。
また、この時季の2,000mは天候によってはかなり寒くなることも考えられる。
山頂での寒さ対策としてそれなりの防寒具を背負ってきていたのだが、それらが一切必要ないぐらいの暖かく穏やかな秋晴れの一日だった。
広く平らな足場が無いので、岩肌の僅かな場所を見付けてクッカーを設置する。昨日に引き続いてのカップ麺。昨日はシーフード、今日はノーマル。
山頂は混んでいたが、我々が収まった岩陰は他から見えない位置に遮られていたため、秘境の山に登ったかのようにひっそりとしていて、正しく穴場だった。ちょっと座り難いのが難点だけど…
このぐらいの山だと、我々の脚力では往復でコースタイムマイナス1時間ぐらいが目安。今回は岩場の渋滞の影響で、昼食を終えた時点で13時より少し前 (マイナス30分) 。
ガイドブック等では下山時のバスの最終が16時台になっているのだが、調べてみると今年から1便減って、15時55分が最終になったらしい。コースタイム通りだと下山は16時半になり、それではバスには間に合わず、タクシー (塩山駅まで4,000円弱) を利用する必要が出て来る。
山頂からの下りは下山路が別に用意されていて渋滞の心配が無いので、この時点でマイナスであれば、それほど心配しなくても間に合いそうだ。
下山
下山路は山頂を挟んで反対の、北側の斜面を下る。こちらもなかなか豪快な岩場が続くものの、先のような鎖場は出て来ない。普通に登頂出来た人であれば、特に問題無く楽しんで下山が出来る。
少し下ると黒金山との分岐点に出て、更にそこから1時間ほど岩交じりの斜面をガツガツ下ると高原ヒュッテ、そして国師ヶ原。
高原ヒュッテ
高原ヒュッテは無人の避難小屋で、内部は少し荒廃が進みつつあり、現状ではとりあえず利用可能な状態に留まっている。
とは言え、ちょっと中で休憩という雰囲気でもないので、泊りか、文字通り、急な雨天時の避難小屋として使われる程度だろう。
国師ヶ原自体
国師ヶ原自体に特徴は無いが、往路と復路が “8の字” に交錯するポイント。
往路ではちょうどここから扇平と山頂が見えた感動の場所なのだが、下山路として通るとかなり地味な印象で、実は振り返って山頂を見るまで、往路で通った場所だと気付かなかった。…けど、鹿は居た。
道満尾根ルート
国師ヶ原からは、往路で使った道をそのまま下るか、隣の道満山を通る道満尾根ルートを使うかの二択となる。
道満尾根は「単調でつまらない」と酷評しているブログなんかもあったので、どちらで下るか少し悩んでいたのだが、結局は歩いてみないと分からないと思い、今回は道満尾根で下山することにした。
確かに比較的単調ではあるが、かなり速度を稼ぎ易いコースとなっており、ここまでの往復に無かったスピード感を堪能出来る貴重なルートと言える。
ただ、このコースで速度を稼ぐにはそれなりに余力が必要になるため、そういう使い方をしない場合、「単調でつまらない」という評価に繋がるかもしれない。
ちなみに道満山の山頂は展望皆無の狭いスペースなので、小休止に使うのが精々。
乾徳山登山口 バス停
国師ヶ原から1時間で、徳和峠を経て、出発地点のバス停に帰着。
登山道から舗装路に出て金網の扉から外に出ると、山里らしい長閑な風景が広がる。
ちなみにこのバス停の名前は「乾徳山登山口」なのだが、登山道の看板には「徳和バス停」や「徳和集落バス停」と書かれているばかりで、正式名称が一度も出て来ないのが少し紛らわしい。”徳和集落” にあるバス停なので、間違いではないけど、注意が必要。
また、ここには今回使っている塩山駅に向かうバスの停留所と、山梨市駅に向かうバスの停留所が分かれて存在しており、一応こちらも注意。
それと、ここの停留所近くにあるDyDoの自販機は「あたたかい」を選んでも、「ぬるい」以下の残念な缶コーヒーを吐き出すので、こちらも注意。許さん。
勝沼ぶどう郷 天空の湯
予定通り15時55分のバスに乗り、塩山駅ですぐにやって来る中央本線に乗り換え。1駅戻って勝沼ぶどう郷駅で下車。
駅前に丁度良いタイミングでタクシーが来ていたので、ぶどうの丘 まで1メーター。こういう場所では待ち時間というロスタイムが付き物だが、今回はそれがほとんど無い。
山梨山行恒例の 天空の湯 で汗を流し、陽が落ちた夜道を駅まで歩く。惜しくもタッチの差で17時55分の高尾行を逃したので、待合室で今度こそ「あたたかい」缶コーヒーを飲みつつ30分後の電車を待った。
泊まり以外で2日続けての山行は久々だったし、2日目は初トライ+それなりの標高を持つ山なので幾らか不安要素もあったけど、終わってみればこの上なく充実した2日間を過ごすことが出来た。
秋の気配も徐々に近付きつつあることだし、しっくり紅葉シーズンを楽しみたい。
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