▲ 一足早い小春日和ハイク – 弘法山 (243m)

週末が唐突に暖かくなると聞いて、とりあえず手近な山を目指すことに。前から桜が楽しめる山をストックしておきたかったので、ガイド本を捲って弘法山を選択。

弘法山は小田急線の秦野~鶴巻温泉辺りを並行する、235mの低山。
浅間山・権現山と合わせて弘法山公園として整備されており、単体としてよりは、これらの山々をまとめて “弘法山” と呼ぶことが多いようだ。

銚子の物産展

今回の行程は休憩を含めても2~3時間と短いので、久我山を10時半に出発。駅前に人だかりが出来ていたので何かと思ったら、銚子の物産展だった。
大鍋で煮込んだ “イカと大根の醤油煮” を振る舞っていて、これが試食とは思えないボリューム。屋台で買ったら300円は下るまい。味もスゲー旨い。
感動して、売っていた特産のサバ寿司を購入。山での昼食にしよう。

小田急 秦野駅 → 浅間山

秦野駅を12時にスタート。駅前の広い河川敷を歩いて、15分ほどで登山口に辿り着ける。
登山口は看板だけがやたらと立派だが、他にそれっぽい要素は皆無。傾斜はまぁそこそこだが、木の階段が整備されていて、かなり歩き易い。
暖かいという予報が的中し、登り始めて5分も経たずに上着を脱ぐ。

この時季の山は雪でも無ければ見るものがほとんど無いんだけど、この山はあちこちにスイセンが植えられていて、唯一鮮やかに咲き誇っていた。

登山口から20分と経たずに浅間山の山頂に到着。
登り途中、振り返ると富士山が綺麗に見えていたのだが、山頂では木立に遮られて見えず。代わりに南側が大きく開けてベンチ等も整っているので、のんびりするには手頃なものの、登り始めてから30分も経っていないし、さすがに休憩するには早過ぎるかな。

浅間山山頂からはハイキングコースと呼ぶのが相応しい、緩やかで均された道が始まる。登山道と呼ぶには整備され過ぎていて、ここが “公園” であることを再認識させられる。
5分も歩くと公園内の車道を横切る形になり、すぐ脇には駐車場もあるので、ここに車を停めて散策や散歩をする人も多いようだ。

権現山

更に5分で権現山山頂に到着。
ここが今回のルートにおける最高地点だが、それでも243mである。こちらの山頂も広場と呼べるぐらいに広くて開放的。
栄螺堂のような展望台が設けられていて、360度の展望が楽しめる。そういえば、この展望台は小田急線の車窓からも見えていた。知らない時は宗教施設のように見えていたが、なるほど展望台だったか。
南側にはサンクチュアリと名付けられた野鳥の観察場所が設けられ、望遠レンズを担いだ人達で賑わっている。

弘法山 山頂

時間的には丁度昼食のタイミングだったのだが、権現山はあまりに人が多いのでパス。この先の弘法山までもすぐなので、そちらで食べることにする。
権現山からは緩やかな石段のアップダウンを経て、僅か15分の距離。ここまで近いと独立した個々の山と言うより、まとめて1つの山のように感じてしまう。
途中、南側への分岐を下ると「めんようの里」という羊の放牧施設があり、公園内からでも肉眼で見えるぐらいの距離で羊が飼われている。5分も下れば着ける距離だけど、とりあえず今回はスルー。暖かい時季に来る機会があれば、寄ってみても良いかもしれない。

浅間山・権現山とは違い、弘法山の山頂は木に囲まれて展望は少なめ。それでも東側は開けているので、江ノ島や三浦方面の海を見ることが出来る。
また、釈迦堂や鐘楼といったものがあり、今までよりも信仰の対象としての側面が強い。こちらもそれなりに人が多かったが、権現山よりは幾分静かな環境。

今回の昼食は、久我山の駅前で買った銚子のサバ寿司のみ。大した運動もしていないので、3時間前のイカと大根がまだエネルギーとして残っている。
見晴らしの良いベンチに座って寿司を取り出すと、愛想の無いネコがやって来て、目の前でジッとこちらを見つめている。昼食のおこぼれに与ろうという魂胆なのだろうが、それ以上何をするでもなく、ただ静かにこちらのアクションを待つというスタンス。
無言の圧力に負けてサバを切れ端を放ると、表情を変えずに食べた。その後も他のテーブルに近付いては同じようにジッと待ち、気付いてもらえなければちょっと移動して更に待つ、の繰り返し。うーん、完成されている。野良にしては、毛艶も恰幅も良いもんなぁ。

吾妻山

弘法山以降は若干登山道っぽくなって、細かなアップダウンが続く。段差と言う段差も無く走れるぐらい整っているため、トレイルランナーの姿が多い。

弘法山から30分で吾妻山に到着。
ピークとしては通過点程度の地味なものだが、大和武尊に関わりがあるなどするようで、ベンチや東屋といったものはそれなりに用意されている。鶴巻温泉川から上って来る場合には、小休止に丁度良い場所かもしれない。

鶴巻温泉 弘法の里湯

吾妻山を過ぎると民家の裏手のような道になり、10分も経たずに車道に出る。すぐ目の前を東名高速を潜って5分も歩けば鶴巻温泉駅である。
高速の近くに「ゆたか」という温泉があったのだが、何年か前に廃業してしまったので、鶴巻温泉駅近くで立ち寄り湯として使えるのは、駅前の 弘法の里湯 ぐらい。弘法の里湯は初めて見たときに、妙にギラギラした印象を受けたので敬遠していた。
このエリアの選択肢としては東海大学前の「さざんか」を使うのが定番になっていたが、さすがに鶴巻温泉に下山してきて弘法の里湯をスルーする理由も無いので、丁度良い機会だと思って、ようやく寄ってみることに。

この日は行楽日和の暖かさでハイカーが多く、弘法の里湯も混み始めていたが、団体客が大挙する直前に滑り込めたようで、それなりにゆっくり浸かることが出来た。
実際に入ってみると、以前に感じていた苦手な印象は特に無く、特に当たり障りのない、普通の温泉施設といった感想。
単なる入らず嫌いだったのか、ここ数年でスタイルが変わったのか分からないけど、駅からすぐの立地も含めて、これなら常用しても良さそうだ。


16時前には鶴巻温泉駅に着いて、18時から新宿で友人と合流。鍋を突いてからバーに流れるという、山行とは不釣り合いなプランで酒を飲んだ。
出来れば残雪トレックをやっておきたいけど、現実的には花の季節にライトトレックかな。

DATA

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