▲四度目は… – 富士山 (3,776m)

会社のメンバーと取引先の方々の計6人で富士山に登ってきた。
自身3年振り4度目、他のメンバーは初の富士登山となる。
職場には登る人が居ないのだけど、富士山になら登ってみたいという話が出たので、それじゃ先導しましょうということで企画。
会社が節電対策で日月休みになっている関係で、日曜出発~月曜下山というスケジュールになり、高速も登山道も少しは空いているだろうと皮算用。

この半月程はほとんど雨が降らない猛暑日が続いていたが、数日前から大きく崩れて気温も一気に10度以上下がってしまった。当日も「曇りまたは霧、一時雨」という微妙な予報。

ひとまず辻堂の駅前に集合して15時に出発。
この段階でもゲリラ豪雨のように急に降ったり止んだりを繰り返し、非常に不安定な状況が続いていた。一応、登山口まで行った時点で無理と判断した場合には、河口湖なり箱根なりの温泉旅館にエスケープするというサブプランを考えつつ現地に向かう。

須走口

予定より少し早く、17時半に須走口に到着。
降ったり止んだりの状況はまだ続き、辺り一面ガスに覆われていた。ひとまず18時半まで待ってから最終的な決断を下すことにする。須走口新五合目の標高は2,000m弱程度なので、まだ高山病の心配は無い。


18時を過ぎた辺りからガスが晴れて、山頂手前までがクリアに見通せるようになった。
山の天気なので当然これで安定するわけもなく、登ってもどこかしらで雨に当たるのは必至ではあるが、多少なりとも好転しているように感じてしまうのも人情。
雨が降ることは織り込み済みで各人の意思を確認して、このまま雨が振り出さなければ、予定通り22時から登ることに決定。

五号目の山小屋で夕食を摂り、あとは各々車内で時間まで待機とする。

出発

21時を過ぎても雨の気配が無いので、装備を整えて21時半に登山口を出発した。

初登山メンバーが多いのでペース配分に苦慮しつつ、標準ペースで進む。
日曜の夜と雨の可能性という条件もあってか、やはり他の登山者は少ない。
雨の合間で体調10cm前後もあるヒルが大量に出現していたが、ほとんどはコウガイビルという吸血しないタイプなので問題無し。(吸血するのはヤマビル)

六合目過ぎから雨が降り始める

登山開始から1時間半で六合目に到着。ここまでは然したるアクシデントも無く、比較的順調に登れている。
六合目出発から20~30分経ったところで、唐突に雨が降り始める。

雨脚はどんどん激しくなり、本六合目に辿り着く頃には暴風雨に近い状態になっていた。
富士山の小屋は天候が悪化するとさっさと閉めてしまうらしく、トイレ以外は開いていない。緊急時にこそ必要な施設であるはずなのだが、この辺が他の山小屋と、半ば観光地化している富士山の小屋との違いなのかもしれない。
軒先もあって無いような狭さなので、せめて風除けにと壁際に寄せ集まって雨が止むのを待つ。今日は短時間で雨が収まるパターンが続いていたので、少し待てば快方に向かうかもしれない。どちらにしても、この状態でおいそれと先に進むことは出来そうになかった。

下山を決定

30分弱待っても一向に弱まる気配が無いので、下山を決定。
道が整備された下山道を使うには、七合目まで進まなくてはならないのだが、しかし、この本六合目以降は樹林帯を抜けるため、強風をまともに受けることになる。
前日も強風で八合目以降は上がれなかったと聞いていたこともあり、悩んだ末に登ってきた道をそのまま引き返すことにした。

富士山の岩場は雨でも滑り難く、転倒の危険性は少ない。豪雨で視界が悪いので、速度を落として隊列をバラけさせないようにしながら下りる。
一通りの雨対策はしていたものの、レインウェアから徐々に染み込むほどの豪雨で、身体を動かしていないと体温の低下が激しい。
ザックの中には交換レンズや会社のビデオカメラが入っているので少し不安だが、防水パックに入れて乾燥剤を放り込んであるので、まぁ大丈夫だろう。

須走口に帰着

下山開始から2時間で須走口に帰着。とりあえず、誰も怪我をせずに下山出来たので一安心。
雨の勢いは相変わらずで、判断を誤らずに済んだことだけでも不幸中の幸いと言える。
車内で着替えて一息ついたところで今後の行動について相談。まずは一旦仮眠を取って、明朝に朝から入れる近場の温泉を探すということに決定。
この時点で4時。辺りはまだ暗闇に覆われていた。

敗戦処理

朝6時、鉛色ながらも明るくなった車内で起床。雨はまだまだ降り続いており、外を見ると駐車場が川のようになっていた。乾燥で若干喉が枯れ気味であること以外、体調面での問題は無い。

トイレに立ち寄った 道の駅 すばしり で、富士急ハイランドに隣接した入浴施設が営業しているとの情報をキャッチ。予定を変更して ふじやま温泉 に8時少し前に到着。
ここは平日でも1,500円、土日だと2,000円の超強気な料金設定なのだが、7~9時の「朝風呂」というプランのみ、タオルもセットで500円という庶民プライス。
一部サービスが省略されたプランなのだと思うが、風呂については特に制限も無く、一通り普通に利用出来たので満足。なかなか広くて快適だった。

帰りも再び足柄SAで遅めの朝食を済ませ、都内まで渋滞に捕まることもなく帰り着いた。


今回は主目的である富士山登頂が叶わず、初登山のメンバーにとってはいきなりの試練になってしまった。残念と言えば残念な結果ではあるが、一応1人の怪我も体調悪化も無く、これに懲りずにまた挑戦したいと言ってくれているので良かった。

個人的には活躍の機会が少なかった雨具の性能テストが出来たことが密かなポイント。
これだけの悪天候が予想される中で出発するという状況はあまり無いので、自分の装備がどの程度雨風を凌げるのか、ある程度把握出来たのは大きい。

逆に自身の山行において、日帰り以外のプランで雨に降られたことが一度も無かったので、6年目にして初めての雨がこの豪雨だったというのも、ナルホドいかにもといった感じである。
それもこれも無事に下山出来たからこその感想なわけなので、今回を貴重なサンプルとして、今後の計画に活かしていきたいと思う。