夏の終わりに – 新島旅行記 2008

8月も終わって9月に突入。例年ならまだまだ残暑といったところだけど、今年は8月の長雨ですっかり秋の気配。
そんな中、最後の夏を求めて伊豆諸島は新島までキャンプに行ってきた。

新島企画自体はそもそも7月に予定していたものなのだが、天候に恵まれず延期。スケジュールの調整が難航して、結局9月まで先延ばしになってしまった。
当日も午前中まで気象庁による「晴れ後曇り (降水確率20%)」とウェザーニュースの「曇り後雨 (同60%)」で真っ二つの予報。これでダメなら、恐らく新島企画そのものを中止にせざるを得ない。
ギリギリ17時まで判断を粘ったところ、遂にウェザーニュースも「曇り (同30%)」に修正!
満場一致で予定通りの決行を採択。

0日目

新島までは会社のすぐ裏手の桟橋から船が出ているので、金曜の就業後に出航し、翌朝に新島に到着しようという強行プランである。メンバーは職場の同僚4人。
キャンプということでテントを持って行かなければならないのだが、俺が持っている6人用のテントはとにかく重いので、数日前から会社に運び込んでおいた。これで中止になったら泣くに泣けない。

東海汽船 竹芝桟橋

22時まで職場で粘り、そこから裏手の竹芝桟橋に向かう。会社でハーフパンツに着替え、サンダルに履き替える。
この時間にお偉いさんは残っていないので怒られることは無いけど、知っている人と擦れ違ったら事情を説明しなければならないので大変。

22時半に乗船所に到着。既にチケットを購入する人でごった返している。大半は釣り人、サーファー、大学のサークルといった顔触れ。
手荷物預かりは出航の30分前までということで、ギリギリ間に合わなかったのだが、船内も十分な荷置きスペースがあるので問題無かった。

23時丁度に出航。レインボーブリッジを見上げたり、ガントリークレーンを眺めながら東京湾を後にする。

新島到着は9時間後なので、ウイスキーでほろ酔いになりつつ、耳栓をして就寝。山小屋なんかでもそうなのだが、人が多い環境で寝る場合には、耳栓は本当に役立つ。

1日目

朝方に大島に寄港したら、目指す新島はあとわずか。
船上で朝日を拝もうとか思っていたけれど、熟睡していて見逃してしまった。

新島港

8時に新島到着。
新島港は結構整備されていて、寂れた漁港といったイメージではなかった。

それにしても、まー海が綺麗! 港の近くでこの透明度ってスゲーっす。フグやらイカやら、上から肉眼でも見える。

湯の浜温泉

青空とはいかないまでも、とりあえず雨の心配も無さそうなので、海岸で各自簡単な朝食を済ませる。朝の時点での気温は、東京と大差無い印象。

キャンプ道具等の重い荷物は夕方まで使わないので、港の観光案内所に預ける。
と、ここで突然の降水。無視出来る雨脚でもないため、案内所でしばし待機。

レンタサイクル

最寄のレンタサイクル屋まで徒歩で海岸線を移動。

新島は世界的にも珍しいコーガ石 (抗火石、軽石の一種) の産出地で、これを加工した巨大な人面石が島内の至る所に設置されている。後で調べたところ、渋谷駅のモヤイ像も新島産のコーガ石で作られているらしい。

バーでランチ

自転車を借りた時点で11時になっていたので、ちょっと早めの昼食にする。
最初は新鮮な魚介類とか期待していたのだが、そういった店は潰れてしまったとのこと。シーズンが限られている上に、純粋な観光客が少ないことを考えると、鮮度を売りにした飲食店では立ち行かないのかもしれない。ちょっと残念。

結局、夜しかやっていないバーを特別に開けてもらえたので、そこでパスタを注文。

東海岸 シークレット

午後からはいよいよ東海岸へ。

島の反対側 (下船した新島港は西海岸) を目指して森の中を抜けると、断崖の下に青い海。メジャーな 羽伏浦海岸 よりも南に位置する シークレット というポイントで、人が全然居ない。完全にプライベートビーチ状態。

白い砂浜、青い空と青い海。まさに絵に描いたような風景。この砂浜は粒が粗いので、身体に着いた砂を払うのも簡単で遊び易い。

羽伏浦野営場

案内所に預けた荷物を回収して、夕方には 羽伏浦野営場 に到着。
無料で利用出来るキャンプ場なのに、しっかりとした管理人棟があるし、炊事場もトイレも綺麗でシャワー (これまた無料) まで完備。

日が暮れる前に、急いでテントを設営。
テント泊は子供の頃に親と行って以来だから10数年振りだったけど、最近のテントの組み立て易さには感動した。初めてでも30分弱で組み上がる。しかも6人用テントなので、男4人でもかなり快適な広さ。

今回はテント等をすべて自力で持ち運ぶ都合、料理に関してはほとんどレトルト。俺はアルファ米のおこわに豚汁、それと定番のチキンラーメン。それからみんなでカレーとジャガイモのスープを食べた。(食べ過ぎ)


20時頃から広場で花火。今年はやろうやろうと思いつつ、結局出来なかったので、これが初花火。
広場で大の字になって寝転び、しばらく満天の星空を眺める。雲取山に登ったときも思ったけど、東京といえどもちょっと場所を移せば、都心以外では結構普通に星空が見えるものだ。

戻ってコーヒーを飲んで、ダラダラしながら0時に就寝。健康的。

2日目

羽伏浦海岸の朝日

朝日を観ようと思っていたら、起床は5時。4時半に目覚ましをセットしていたのだが、寝過ごしてしまったらしい。
空は既にかなり青くなっていたので、半ば諦めつつ海岸にダッシュ。水平線付近に雲が多かったことが幸いして、太陽はまだ隠れていた。

波の音だけが繰り返す、静かな静かな1日の始まり。

帰りの船の出港は11時半。6時からテントを畳んで、ゆっくりと朝食を堪能。夜明け頃は結構雲が多かったけど、8時の時点では見事な快晴。と言うか、むしろ暑い。

湯の浜温泉

9時から新島港近くの 湯の浜温泉 に浸かる。

一見して何かよく分からない温泉の外観。ギリシャの神殿を模してるんだと思うけど、どう見ても聖闘士星矢のサンクチュアリ。一番上も露天風呂になっていて、そこからの眺望は素晴らしかった。

最後に土産物を物色して全工程が終了。

到着直後に雨が降ったときはどうしようかと思ったけど、それ以降はとても素晴らしい快晴に恵まれて、非の打ち所が無いような2日間。新島自体も海水浴場として、またキャンプ地として抜群のロケーションだった。


ちなみに芝浦に戻ると、早速雨と雷の歓迎を受けた。聞くところでは、どうやら昨日も大雨だったらしい。
同じ東京でも随分違うというか、むしろヒートアイランド現象だの何だので、都心の天気がおかしいんじゃないかとも思える。今年は特に異様だ。
向こうでは使わずに済んだザックカバーとポンチョを引っ張り出して装備。ある意味、持って行ったものに全く無駄が無かったことになる。

それはともかく、新島にはまた行きたいと思う。

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