8月に榛名山 に登って以来、プライベートでバタバタしていたので、夏~秋の期間としては珍しく2ヶ月以上も山が遠のいていた。
来週に2泊3日の単独行を予定していることもあり、足慣らしも兼ねて久々の塔ノ岳へ。
塔ノ岳は好きな山だが、最後に行ったのは 3年前の8月 。
この山メインで登る場合には大抵ヤビツ峠からの表尾根が定番となっているけど、今回は上司が「車でかなり奥まで入れる」という政次郎尾根ルートで登ることにする。
戸沢山荘と新茅山荘
春に鍋割山 への出発地点に使った大倉から水無川を挟んだ位置から林道が始まり、整備状況の怪しい砂利道を20分ほど進む。
「本当に大丈夫か?」と不安が過る林道の終点に戸沢山荘と新茅山荘があり、丹沢では数少ないテント場となっている。今回はここの駐車場からスタート。出発地点は水無川の源流に程近い場所なので沢が多い。
家を出た時点では曇りがちな空模様だったけど、この頃には周辺の山々ぐらいなら望めそうなぐらいに上向きつつあった。気温も前日より5度高い予報通りで、長袖シャツ1枚で十分なほど暖かい。
標高的に、紅葉にはまだ若干早いようだ。
10時に出発して沢を離れると、すぐにそこそこ急な直登が始まる。塔ノ岳に登るならどのルートでも多少の傾斜は覚悟する必要があるし、足場が安定した歩き易い道なので、難易度的には割と低め。
大まかには進行方向右側が針葉樹、左側が広葉樹といった植生で、どちらも隣の斜面が見えるぐらいには見通しが良い。
表尾根に合流するまでは割と単調ではあるが、特に飽きることは無いだろう。
地図にコースタイムが書かれていないので標準タイムはよく分からないけど、普通に登れば表尾根まで1時間半~2時間ぐらい。
やはり利用者はそれほど多くなく、この日は10人も見掛けない程度だった。
政次郎ノ頭
表尾根との合流地点である “政次郎ノ頭” は、ヤビツ峠から来た場合の3/4ぐらいの地点。
紅葉シーズン3連休の中日という条件だからなのだろうが、前を見ても後ろを見ても、とにかく人が多くて驚いた。塔ノ岳に登るのは通算6回目ぐらいだけど、これほど混雑しているのは初めて。
箱根方面の山々、奥には若干雲が引っ掛かりながらも富士山が綺麗に見える。
塔ノ岳 山頂
表尾根合流から1時間で塔ノ岳山頂に到着。
ここ最近で山頂周辺の環境に若干の変化があり、山頂手前の切り立った木道が無くなっていた。登頂直前のポイントとして印象的だったけど、安全を考慮して撤去されたのかもしれない。
それから、山頂に2つある山荘の内、廃屋となっていた日ノ出山荘が撤去された。80年代には廃業していたようだが、やはり安全面等の関係から今春に解体されたようだ。
展望という点では、前より良くなっている。
予想通り山頂は混雑していたが、広さのお陰で座る場所の確保は容易。
タイミング良く富士山方面を一望出来る位置が空いたので、そこに腰を下ろして昼食にする。
富士山頂の雲は取れそうでギリギリ取れない絶妙の匙加減。急な暖かさの影響か、手前の山々にうっすら靄が掛かり、水墨画のような淡いトーンが綺麗。風もほとんど無く、上着を取り出す必要が無いぐらい穏やかな気候だった。
大倉尾根
14時から下山を開始。この時季になるとそもそも陽が低いので、この時間でも既に夕方近くのような雰囲気だ。
下山は大倉尾根を伝い、途中から東に折れて、車を停めてある戸沢に戻るルート。大倉尾根は主に下山ルートとしてポピュラーなのだが、戸沢への分岐に関しては、「そう言えば、そんなのもあったかな」ぐらいにしか認識していなかった。
戸沢への分岐ルート
案の定、メジャールートに比べると崩壊が進んでおり、気軽に選べる選択肢とは言い難い。
傾斜が結構キツい上に丸太の小さな階段が半ば崩れながら設置されている状況、スギばかりで日当たりが微妙という陰気な道なので、今回のような事情が無ければ、敢えて選ぶ人はほとんど居ないと思われる。
実際、花立小屋の従業員が荷上げに使っていた以外、一般の登山客は2組しか出会わなかった。山頂の盛況振りから考えると、1割にも満たない程度の利用率である。
分岐から1時間半下って、出発地点の戸沢には16時に到着。ゴールが水無川の清流なので、冷たい水で顔を洗ってリフレッシュ出来るのが嬉しい。車に乗り込んで林道を出る頃には陽も落ち掛けて暗くなりつつあった。
秦野にあまりしっくり来る入浴施設が無いため、丹沢方面御用達の さざんか で汗を流し、東海大学前駅近くの居酒屋で日本シリーズ第7戦を鑑賞しつつ乾杯。
今回はかなり抑えたペースで登っていたので、現状の山体力の把握には繋がらなかったけど、ひとまず来週に向けての良い足慣らしが出来た。
塔ノ岳登頂最短ルートとしては十分に価値を見出せたし、天気にも恵まれて満足。来週も晴れてくれよ!!
コメントを残す